第五十五話 本番はここから
「これ! わー! また外れたー!」
「では、次は私ですね……これです! よし! 主様! また揃いました!」
「くっくっくっ! だけど、まだ終わらないよ。ここで、私が……あっ、ジョーカー」
「……はい、上がり」
《やられたー!!》
おかしい。なんか、普通に友達とババ抜きをしたような感覚だった。なんかこう、僕が想像できないような心理戦があると思っていたけど、見ていた二人も完全に友達を応援するような雰囲気だった。
なんていうか……ゆるい。
そんなゆるいババ抜きで一抜けしたのが、僕。
双子は、息ぴったりで頭を抱える。
レンは、素直に喜び、見ていた二人も抱き合っていた。
「えっと、これで終わり?」
さすがにそれはないよね、とぱかりに僕が聞くと、双子は力強く頷く。そうか、さすがにさっきのは普通に遊んだだけだもんね。
ああいうのだったら、こういう空間にしなくてもできるわけで。
「では、さっそく一番手札が多かったアタンには罰ゲームを受けてもらいます!」
「わー! きついのは勘弁してー!」
「さあ、それはどうだろうね? 運命は一抜けの人に託された!」
なんでそうなるの!? 僕の驚きは軽くスルーされ、目の前にルーレットが出現する。そこには、色んな罰ゲームが書かれている。
どうやら、罰ゲームをしないと先には進めないようだ。
なので、僕は気乗りはしないけど、ルーレットを回す。
「何が出るかな? 何が出るかな?」
「痛いのじゃありませんよーに!」
そして、ルーレットは止まる。そこに書かれていたのは……デコピンだった。
「決まりー! 罰ゲームは、一抜けの人がデコピンをするです!」
「わー!?」
頭を抱えるアタンに僕は指をしならせながら近づく。
「……」
な、なんだかやり辛い……だって凄くぷるぷるも震えているんだ。さっきから痛いのは嫌だって言ってたし。
「ごめんね」
一言謝りつつ、本当に軽めのデコピンをアタンへ与える。
「いたっ!?」
「これにて、ババ抜きは終了! 勝者は挑戦者チーム! まずは一勝おめでとう!!」
「お、おめでとう!」
まさかとは、思うけどこんな普通の遊びが続くのだろうか? いやまあ、それなら別に楽しめば良いだけだなんだけど……僕の力の謎が解明させるかもしれないんだ。
ここまで、かなり意味深なことばかりがあったのに、ここに来てただ遊ぶだけじゃないと思いたい。
「けど、ジャブは終わりだよ」
「終わり! 終わり!」
ジャブ? それってまさか。
「次からは、ちょーっと! 刺激が強い遊びになるから気を付けてね!」
「さあ、さあ! そんな次の遊びは……これだ!」
やっぱり、さっきのは本当にただの遊び。僕達をリラックスさせるためのものだったんだ。次は、普通の遊びとは違う。
いったい、どんな内容なんだ?
「あっちむいて!」
「ほい!」
「え?」
ババ抜きの次はあっちむいてほい? 確かに誰でもできる遊びだけど、ランクが下がったような。
「おっと! ただのあっちむいてほいじゃないよ!」
「そうそう! ここからが本番だって言ったよね?」
僕達の反応に双子は、焦るなと一言いい、仲良く手を合わせる。
すると、頭上に何か渦のようなものが現れる。
「これが!」
「新感覚あっちむいてほいだよ!」
渦から落ちてきたのは、石でできた腕だ。それも、二つ。僕達側と、双子側だ。
……なんだろう。まったく予想できない。
「ど、どういうことなんですか?」
「はいはい! 今から説明するね!」
「ルールは簡単! まず、二人の挑戦者を選び、一人ずつじゃんけんする!」
うんうん。
「そして、勝ったほうは」
負けた方にあっちむいてほいとの掛け声と共に、上下左右どちらかに指を向け、同じ方向に向いたら負けだよね。
「負けた方にあっちむいてほいと言う掛け声と共に上下左右に指を向ける!」
「そして、石の腕からの攻撃を読んで回避!」
え? 攻撃を回避?
「負けた方は、その攻撃を回避できなかったら負け!」
「それを、どちらかが全員負けるまで繰り返す!」
「……えっと、つまり通常のあっちむいてほいと違って、攻撃を回避しないといけないってこと?」
「そ、それって死んじゃうんじゃ……」
確かに。あんな石の攻撃を受けたら、ただではすまないだろう。
ここは、挑戦する人をちゃんと考えて選ばないと。
「ご心配なく!」
「これは、見た目こそ石っぽいけど、柔らかい素材でできています」
「ほら! ぽよんぽよーん!」
アタンが楽しそうに跳ねている。なんて弾力間なんだ。
本当に柔らかい素材みたいで安心した。見た目や、登場のインパクトのせいで硬く、重いものかと勘違いしていた。これなら、誰が挑戦しても怪我は……しないよね?
「てなわけで、こっちは当然僕達が出るけど」
「そっちは、誰と誰が出るのかな?」
どうやら、最初に出た僕とレンも参加できるようだ。
そういうことなら、まずは僕が。
「はい! 私とミィヤちゃんがでまーす!」
「大丈夫? 二人とも」
「大丈夫大丈夫! 実は、私……生まれてから一度もあっちむいてほいで負けたことがないんだよ! ついた名は、未来予知のきらめ!」
凄い名前ですね。けど、あの余裕……信じていいかもしれない。
でも、ミィヤのほうは。
「私も心配いれません! こういう時こそ、役に立ちませんと!」
「だよね! それに、今回のはあくまで遊び! 傷つけ合う戦いじゃないからね」
「わかった。頼んだよ、二人とも」
二人の力強い言葉を聞いた僕は、レンと一緒に後ろへと下がる。
「その二人でいいんだね?」
「なら、さっそく始めよう!」
「楽しい楽しい遊びを!」
「こっちからは、私が最初に出るよ! そっちはどっちから出る?」
双子のほうはメサリからか。
こっちからは、誰が出る? 自信満々のきらめさんか? それとも、頑張り屋のミィヤか?
「ふっふっふっ! 先陣はお姉ちゃんが出ます! ミィヤちゃん! お姉ちゃんの勇姿をちゃんと見てて!!」
「はい! 頑張ってください! きらめお姉ちゃん!!」
やっぱりきらめさんか。未来予知のきらめさん……お手並み拝見だ。




