表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

84/102

発売日記念SS 

本日書籍発売です!

電子でお買い上げの方は0時にDLできるはず!

「ねえ、アレク、わたしたちの冒険が本になるんだって」

「え? どういうこと?」

「えーっとね。小説家になろうで連載されている「スキル0冒険者の俺、結婚して龍王の騎士になる」というお話があってね、それがわたしとアレクのロマンスを書いたものなの!」

「へ、へえ。そうなんだ」

「あー、なんか引いてる? けどね、ほら、これ見て」

「……かわいい」

「うふふ、アレクが村に帰ってきた時のわたし、こんなふうに笑ってたんだね」

「お、こっちはフェイか。あの時は死にかけるくらい腹が減ってたって言ってたなあ」

「うふふ。フェイはかわいいよね」

「いや、けど、ナージャの方がもっと……」

「はわ!? アレクがわたしを可愛いって、かわいいって、にゅふふふふふふふふふふ」


 10分後。

「あ、アレクが浮気した時のだ」

「してねえ! 俺はナージャだけが大好きだ!」

「けどたまーに胸の大きいお姉さんに目が行ってない?」

「……そ、そんなことは、ない」

「ダウト!」

「うぎゃああああああああああああああああ!!?」

「うふふふ、そんなふうにほかの人に目がいかないように、そーれ!」

「うお!? ふにゅふにゅ!?」

「うふふふ、アレクはわたしが大好きなんだよね?」

「ハイ、ダイスキデス」


 さらに10分ほど後。

「まあ、ヒルダさんたしかに美人だし」

「俺はナージャがいい」

「はうっ……うふ、ありがと」

「ナーーーーージャーーーーーーアアアアアアア!」

 

「パパ、ママ、何してるの?」

「ん? ああ。ママが大好きだよって伝えてたんだよ」

「そうなの?」

「ええ、そうよ。エイルも大きくなって、好きな人ができたらわかるわ」

「んー、わかった。ってそのご本なに? あ、わたしだ!」

「うん、エイルはかわいいなあ」

「ぶー、アレク。みんなに可愛いって言ってるでしょ?」

「一応聞いとく。そのみんなって、誰のこと?」

「えー、わたしとエイルとフェイ!」

「家族じゃねえか!」

「あ、そういえば」

「よその人には言ってないからね?」

「んー……ほんとだね。わかったよ!」

「ナージャ、信じてくれて嬉しいけど、その根拠って何?」

「ん? アレクって嘘つく時はね、いつも同じことをするんだよ」

「へえ?」

「だからすぐわかるんだよ」

「だからね。わたしが死ぬとき、俺も死ぬって言ってね」

「それが嘘だったら?」

「自爆します」

「ちょ!?」

「なーんてね。冗談だよ」


「あ、魔法の練習してたんだよね」

「そうそう、エイルの回復魔法はすごいんだよな」

 その時、エイルの足元からリスが飛び上がってきた。エイルの肩まで一気に飛び乗れる当たり普通のリスじゃない。

「あ、リンド!」

 ぴこっと手をあげてエイルの呼びかけに答える。ふわふわのしっぽがゆらゆらしていた。

「え? ゴンザレスさんがケガしたの? うん、わかった!」

 リンドを連れてエイルは外に出て行った。


「あー、おじいちゃんと一緒に戦ってる時だ」

「あの時は本当に生きた心地がしなかったな」

「エイル生んでおいて本当によかったよ」

「おい!?」

「おじいちゃん本当に喜んでくれてたし」

「ああ、それは……そうだな」

「少しは、恩返しできたかな?」

「んー、ナージャが幸せなら爺ちゃんもうれしいと思うぞ」

「じゃあ大丈夫!」

 そういってナージャは俺の胸元に飛び込んできた。そのままナージャの眼が閉じ……バターンとドアが開いた。

「「はわっ!?」」


「あ、ゴンザレスのおじちゃん元気になったよ!」

「おお、ありがとな、エイル」

 開いたドアからゴンザレスさんの豪快な笑い声が聞こえる。


「あ、パパが綺麗な服着てた時のだ!」

「うふふ、あの時のアレクはカッコよかったわね」

「うん、けどいつもかっこいいよ? エイルのパパだもん!」

「むー、いくらエイルでもパパはあげませんからね?」


 なんだろう、これが幸せというものだろうか。俺はナージャとエイルを守っていく。それはこの二人を取り巻くものも護るということだ。

 俺は本の最後のページを閉じる。そこから先は、これから俺たちが記していく家族の物語。

ついにこの日を迎えることができましたのは、読んでいただき、応援していただいた皆様のおかげです。

本当にありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ