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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

霧雨之過去

作者: 霧雨之紅煉
掲載日:2018/05/26

話をしよう、私の過去の話をしよう。

そぅだな、5年前に起こしてしまった悲劇を話そうか。


「先輩!おはようございます!」

「あぁ、おはよう真実」


あの頃、私には大切な人が居た。

彼女は「解離性同一性障害」と言う障害を抱えた人だった。

「雲村真実」の他に「來咲」、「桃」、「萌香」、「集」の4人の人格が彼女の肉体に存在していた。

私は、彼ら彼女らに興味を持ち、好意を持ち付き合っていた。


「おはよう、紅煉」

「おはようございます、師匠」


「秋山零」彼は私の師匠であり、私も真実も彼に勉強を教えてもらったり、他にも相談を聞いてもらったりと世話になっていた。


おっと、話がそれたな…

あー、じゃあ悲劇の前の話をしようか。

そぅだな…予定調和と言うか後悔している事から先に話そうか。


「先輩、好きです」


そぅ、真実が急に私に「好き」と言うようになったのだ。

どうしたのかと聞くと、帰ってくるのが。


「それは…その、付き合ってるし好きだからですよ」


とか


「先輩が好きだからです!」

「ずっと側に居ますね、先輩」


と、私以上に大切に思っていてくれた。

だから、私も更に真実が好きになった。


「ありがとうね、真実」

「えっ?何がですか?」

「私も、真実が好きだよ」


真実は頬を赤らめて、私をじっと見つめた。

そぅそぅ更に過去の話だがかつて、私は真実に自傷行為の痕を発見され抱きしめられて、そのまま泣き出してしまった。


「ごめんなさい、先輩…気づけなくて…」


真実が悪い理由では無かった、私は中学の頃から自傷癖があった。

ストレスを溜めやすかったからなのもあり、真実は悪くないとなだめて、その日は私の家に泊め、眠るまで手を握った。

恐らく、真実が私に「好き」と言うようになったのは自傷癖が再発しないようにする為だと思う。

あの悲劇の日も


「先輩、大好きです!」

「ありがとう、私も真実が大好きだよ」


悲劇は起きてしまった。

師匠と真実が、不良グループの抗争に巻き込まれ拉致されたのだ。

私はすぐに助けに向かった。

倉庫の中にはおよそ100人は居るであろう団体と師匠と真実が体を縛られて居た。


「紅煉!馬鹿野郎、なんで!」

「先輩!駄目です!逃げてください!」


私は、能力を使ってしまった。

「創造能力」と言う一定の武器を創り出せる能力。

その能力を使った、だがそれは最初こそ…の話だった。


「アッ……グ…」


私は、満身創痍だった身体の限界が近づいていた。


「ウグッ…グハッ…」


私は考えた、どうすれば師匠と真実を助けられるかを、出た結論がコレだ。


(誰かを護るためなら…誰かを殺しても問題ないだろう)


私の思考回路は全て、殺意に満ち溢れた。

その瞬間、私は更なる能力に覚醒した。

どれくらい、時間が経ったろう…気がつくと私は更地にたった独りで立っていた。


「師匠?」


私の声だけが虚しくどこかに通り抜ける。


「真実?」


誰も居ない、更地に。


「來咲?桃?萌香?集?」


永遠の荒野に、私だけの声が虚しく広がる。

私は、涙を零していた理由もなく泣いていた。

私は、世界を終わらせてしまった。

大切な人の命を奪ってしまった。

多くの人々を殺してしまった。

私は、自分を呪った。

自分を嫌い、傷つけ、呪い続けた、何度も何度も、同じ事を続けた。

あぁ、ごめんね怖かったよね…

大丈夫って?そぅ、でも怖い思いは誰にもさせない。

師匠が呼んでる…えっ?師匠は死んだんじゃないのかって?

あー、実は……ねぇ、この話はまた今度にしない?

大丈夫だってすぐに戻ってくるから、戻って来たら、また身の上話聞いてくれる?

ありがとう、しばらく待ってて師匠とちょっと話してくるから。

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