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第1章〜日常の始まり〜


興味を持ったらすぐやってみたくなる性分なんですが、小説を書くなんてことは初めてのこと


でして、読んで下さる方々はあまり期待せずに読んでいただけたらと思う所存であります。



自分の生活の舞台が他へと移り変わる時、誰しも何かしらの期待といったものを抱くものだろう。

オレの場合はその移り変わりが中学校から高校という形だった。


比較的田舎に住んでいるせいで小・中と町立の学校に通っていたオレは、9年間も同じ連中と毎日顔を突き合わせていた。

そのため新天地への旅立ちを余計に楽しみにしていたのだ。


だが、神様ってのは誰にでも面白い人生を用意してくれてはいないらしい。

中学のときも親しかったやつら数人も同じ高校だったので、オレはそいつらと中学時代と変わらぬ生活を送っていた。

社交性があまりあるとは言えないオレでも多少は新しい友人ができたが、特別それによってこの平凡な生活が揺らぐことはなかった。


オレもなんだかんだでその平凡な生活が気に入っていたらしく、ぬるま湯のような居心地の良さの中で怠惰な日々を送っているうちに、

気づけば高校生活2度目の春に突入していた…。




今、オレは久々に朝っぱらから長ったらしいハイキングコースのような坂をてっぺんにある校舎へ向かって歩いている。

そう、4月上旬、今日からオレも高校2年生、後輩を持つ身になるわけだ。

しかし相変わらずこの坂はきついな。春休みがあったせいでしばらく来てなかったから余計に辛い。

どこの誰がこんなとこに学校を作ろうと言い出したのか知らんが、もうちょっと場所があっただろう。

そんなことを思いながら渋々歩いているうちに、ようやく頂上の学校が見えてきた。


私立巣迷高校、それがオレがここ1年通ってきた高校だ。

「迷ったらここを巣と思って帰ってこい!」という思いで初代校長は名付けたらしいが…。

なんでこんなところへ来てしまったんだろうなあ…。

学力的に問題なくて家から近いというだけでここに来たのはちょっと安直すぎたか。


「よお、ヨミ。」

その声は、山崎か。おっす、山崎。

こいつは山崎。中学からのツレ、その1だ。

オレよりちょっと頭の弱く、なにかとすぐに女性に声をかけたがる、よく言えば自分に正直なやつだ。

入学して1年で告白人数が2桁に突入したツワモノでもある。あ、もちろん連敗記録更新中だ。

ちなみに「ヨミ」ってのはオレのことだ。

苗字を「木泉(コイズミ)」というんだが、それを昔、誰かが「キイズミ」と勘違いしてな、

それが、「キイズミ」→「黄泉」→「ヨミ」といったようになんとも不吉な変換をなされてこうなったわけだ。

オレも当初は必死で抵抗したが、今となってはすっかり定着してしまったので諦めている。

下の名前?まあいいだろ。オレを下の名前で呼ぶ奴なんて1人もいないからな。


「おはよう、ヨミ。」

ああ、おはよう、井口。山崎と一緒に来たのか?

「うん、偶然そこで会ってね。そこで君を見つけたんだよ。」

山崎の横にいたこいつは井口。中学のからのツレ、その2だな。

山崎とは対照的にオレよりずっと優等生で、落ち着いた性格のやつだ。ここにも推薦で入ったくらいだからな。


3人で校門に向かって歩いて行くと人だかりができている。

そういえばクラス発表もあるんだったな。それを見て同時に思い出したのか、山崎が、

「おい、早く見に行こうぜ!」

などとテンションあげて走り出した。朝から元気なやつだな。

「山崎の期待は女子絡みだろうけどね。」

だな。ったく、しょうがないやつだな。あいつは去年もそうだったからな。

「ヨミはそういうのないの?」

そういうお前はどうなんだよ?

「ヨミがないなら僕もないかな。」

なんだそれ。こいつはホントそっちの話が出ないからな。まさか…ってそりゃねーか。


「ヨミ!井口!また同じクラスだぞー!。」

不意に山崎の声が飛んでくる。

「だって。よかったね、ヨミ。」

まあここは素直に喜ぶべきところだな。

「彼女も一緒かなあ?」

あいつか…。なんだかんだで一緒なんじゃ――、

「ヨミ、おはよー!」

っと、噂をすれば、だ。


茶色っぽいショートヘアを揺らして、大きな目を輝かせながら走ってくる女。

この女がヒカリ。中学からのツレ、最後の刺客で紅一点だ。

どういうわけか小・中とずっと同じクラスで山崎・井口より付き合いは長い。

勘違いされないように言っておくが、ただの女友達であってそれ以上でも以下でもない。

たまーにそういう思い込みをしてるやつがいたからな。

「よお、春休みあけでも仲いいな、お前ら夫婦は。」

…山崎の野郎もその1人だ。いつの間に来たんだ。とりあえず一発殴っておこう。

「いてっ!ったく、いちいち怒んなよ。冗談だって。」

くだらん事言うお前が悪い。

「まあまあ。おはよう、ヒカリさん。」

「うん、おはよう、井口君。また4人同じクラスだね。」

やっぱりか。まあそんな気はしてたがな。

「おっ、さっすがだな。なんか通じるものが…いてっ!またお前は…。」

それはこっちのセリフだ、バカ崎。ヒカリも少しはなんか言えよ。

「だって見てて面白いからいいかな、って。」

はぁ…、まあいいや。井口、ヒカリ、教室行こうぜ。

「ハハ、そうだね。」「じゃあね、山崎君!」

「あ、ちょっと待て!置いてくなって!」


その後、適当に入学式や始業式をやり過ごしたオレは――山崎は入学式の間、ずっと新1年の品定めをしていたが――、

再び教室に戻って自分の席で、今年もバカな山崎・おとなしい井口・元気なヒカリの3人と一緒にダラダラ過ごすんだろうな、

などと考えていたが、扉を開けて入って来た新担任の飯田がこんなことを言った。

「はーい、静かにー!転校生の紹介だー!」

途端にクラスのテンションが上がる。オレはというとそこまで興味なかったのだが、その直後、

「男ですかー、女ですかー?」「女子だー。」

というある生徒と先生のやりとりを聞いて山崎が盛り上がっちまった。

「女だってよー、ヨミ!どうする?」

どうもしねーよ、お前じゃねーんだ。

「まあ、お前にはヒカリが…、っていたっ!またかよ、もう。」

うるせえ、1人で騒いでろ。


「じゃあ紹介するぞー、入って来ーい。」


神様は誰にでも面白い人生を用意しているわけじゃなかったと思ったんだがな。

飯田のこの一言で入ってきた女のせいで、オレの平凡が少しずつおかしくなってくなんて、

その時のオレは夢にも思わなかった。


どんなかんじだったでしょうか?良くない所があれば徹底的に指摘していただければ、こちら


の参考になりますので、ぜひよろしくお願いします。日本語変ですいません。



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