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転生してもシリーズ

転生してもあなたに逢える確率

作者: エリ美

「慧君が好き。その…付き合ってくれない?」


堀越晴香にそう言われたときの慧の顔っていったら!第三者が見ると冷静沈着そのものの顔だけど…16年間慧を見てきたから分かってしまう。アレは思いっきりでれている顔だった。悔しかったし、寂しかった。

私の方がずーっと、それこそ12年前から慧のことが好きなのに。でも、慧の気持ちは私じゃなくて堀越晴香に向いているということは誰にでも分かる。堀越晴香に怒りがわく。


そして慧が、肯定の言葉を言おうとした瞬間言葉をぶったぎってやった。


「俺も…「慧!何やってんの!今日は買い物の荷物持ちやってくれるっていったじゃん!あっ!晴香ちゃん?どうしたの?まさか、慧になんかされた?大丈夫?…こら!さ(とるいい加減にしなさいよ!)」


私が言えたのはそこまで。堀越晴香が口を挟んできた。ウザい…ま、私が言えたことじゃないけどね?


「あの!慧君は何もやってないよ!」


でたー!必殺技[ぶりっ子]。女子には分かるっつーの!だから


「ソーナンダゴメンネハルカチャン。じゃあ慧、行くよ!」


謝罪の言葉は棒読みで言ってやった。ザマーミロ!何かいおうとして口を開けた堀越晴香に何も言わせないようにすばやく慧を連れ去った。

 

 慧には少し申し訳なくて当たり障りのない話をしていたら慧も当たり障りのない返事をしてきた。きっと堀越晴香のことを考えているのだろう。堀越晴香は性格さえ変われば顔良し、勉強もできる、運動も良しの、でもちょっと保護欲をそそられる感じの女の子だった。だから、慧を責める事は出来なかった。帰り道、ちょっと暗く狭い路地裏を通ったら通り魔に襲われた。2人分の真っ赤な血が走った。残っている体力の全てを使って言葉を発した。


 「慧?転生しても逢えるといいね。じゃあ…慧バイバイ。」

    何故あんなことを言ったのだろうか? 

 



 目がさめると立派なホールだった。執事がいて、

「今日はトーマス・ノーズヴィット様の婚約者が発表される夜会です。サマーリーラ王女様が選ばれることは…ございませんと、考えていたほうがいいでしょう。」

と泣きながら教えてくれた。

 トーマス・ノー?誰それ?執事に何処にいるか聞くと若干びっくりした様子を見せながらも教えてくれた。


「壇上にいる、黒髪、黒目の男性です。」


気づいた。アレは慧だ!しかし、父親らしき人が

「サニーナ・ヴィンガウズ侯爵令嬢だ。仲良くするように。」

と紹介すると、堀越晴香に似たサニーナ・ヴィンガウズ侯爵令嬢が嬉しそうに言った。


「ノーズヴィット公爵家、第2継承者のトーマス・ノーズヴィット様の妃になることができて嬉しいです!これから「無理だ。堀越はる…オホン…サニーナ・ヴィンガウズ侯爵令嬢とは結婚できない!」


しかし、慧は堀越は…サニーナの言葉をぶったぎっていた。

スゲー!本当に嬉しかった。いや、堀越晴香じゃないからかもしれないけど…。慧は

「お前よりも好きな人がいるからだ。比較できない程に…。」

なんていっているし。しかもドヤ顔。でも、これに賭けるしかない!場所も分からかったし…執事が止めるのも聞かず叫んだ。


「慧!さぁとぉるぅ!どーこー?おーい!」すると!


「夏菜っ!」と慧が抱きしめてきた。何がおきたか少しの間分からなくてちょっと動揺したけど、嬉しくて「慧…」と腕を回した。何か執事が皆と一緒になって赤くなって泣いていた。皆と違う赤さになっているのは父親らしき人とサニーナだけだった。


「何やっているんだ!お前だけで決めていいことではない!大体だなぁ、ヴィンガウズ侯爵家とも決めたことなんだ!いい加減にしろ!」と喚く父親と

「グズッ…ソウデスヨォ…ワァァァァァァァァン!!!!!」

と泣き叫ぶサニーナ。


あぁ、可愛いお顔が台無しだよ?しかし、少し風向きが変わってきて私達に向けられる視線が冷たくなってきた。そんな私達を救ったのは母親らしき人だった。


「 お黙りなさい、サニーナ、ヴィンセント様。元々この結婚はサニーナが無理を言ったものでしょう。ヴィンセント様がいくらサニーナの母親に恋をして いてサニーナが母親に似ているからサニーナにメロメロだといっても、トーマスが全く望んでいない婚約をし、挙げ句の果てに隣国の王族であるサマーリーラ王女との婚約を蹴るだなんて、ヴィンセント様は馬鹿ですか?サマーリーラ王女との婚約をしたほうがこちらにとってもいいことですし、何よりもトーマスがサマーリーラ王女にメロメロですもの。残念ですがサニーナとの婚約は母親の権限で破棄させていただきます。」

何故か倒れる父親らしき人。


サニーナは辺境泊の所にお嫁に行かされた…らしい。サニーナのその後も父親の容態も慧は教えてくれなかった。「夏菜は知らなくていいんだよ。」なんて言いながら。

 


 そして私達は子供にも恵まれて(母親も一緒に)幸せな結婚生活を送っている。異世界で。

 あの通り魔の正体は未だに不明だけど会えるのならお礼を言いたい。

 


  私が転生しても慧に逢える確率は高かった。

どうでしたか?こちらも甘め…です!

晴香目線も書いてみようかな…と。

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― 新着の感想 ―
[良い点] いいですね! きゅんきゅんのラブストーリーかぁ… 僕には書けないけど読むぶんにはいいですね!笑笑 異世界転生からのラブストーリーなんて、新発想なかったなぁ(゜ロ゜)笑笑 頑張ってね! [気…
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