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始まりの指輪と終わりの鍵  作者: youhey
0章 過去回想編
5/17

過去回想編 2日目①

ピピピピピ・・・・・・

 いつもより早く目覚まし時計のアラームが鳴る


「・・・・・・あー、そうか、今日アリサさんが来るんだった」


 半覚醒の状態でアラームを切る。

 洗面所に向かい、顔を洗い、リビングに向かう。


「あれ? おはよう、今日は早いのね」


 母が声をかけてくる。

 早く起きたのにも関わらず、リビングには朝食が作られていた。

 母には生返事をし、自分は食事を取る。


「ピンポーン」


 チャイムがなる。

 おそらくアリサさんだろう。


「はーい」


 母が玄関に向かい、ドアを開ける。


(あ、そういえば警察来ること伝えてなかったな)


 母を追いかけ、自分は急いで玄関へ向かう。

 そんなこととはつい知らず、母は目の前にいる警察官とパトカーに委縮していた。


「光くんのお母様ですね?」

「あ・・・・・・はい、そうですが・・・・・・」

「光くんはいらっしゃいますか? ちょっと用がありまして」

「う、うちの子がなにか!? なにかしたんですか!?」

「あ、いえいえ、そういう意味ではなくてですね」


 遅かった、すでにトラブっている。


「母さん、ちょっと話すだけだよ。 そのために朝から来てくれて・・・・・・昨日言い忘れてた・・・・・・ごめん」

「・・・・・・はぁ、あんたって子は・・・・・・」


 母は額に手を当てている。


「では、光くんをお借りしてもよろしいでしょうか?」

「わかりました」


 そう言って母は自分を見る


「いってらっしゃい、警察の人に迷惑かけるんじゃないよ」

「分かってるって」

「では行きましょうか」


 自分とアリサさんはパトカーに後部座席に乗る。

 パトカーが走りだすと母の姿が遠くなっていく。

 なんのことでもないことだが、この日は本当に遠くに行ってしまうように感じた。



「さて、自己紹介がだいぶ遅れたわね、私の名前はアリサ」


 知ってました。


「昨日も言ったけど異世界から来たの。」 


 はぁ。


「今回君には今向かっている我が異世界対策本部に来てもらいます!」


 パトカーの中でドヤ顔のアリサが自分に向かって言い放った。


(さーてどこからつっこもう・・・・・・)


 今朝は早かっただけに、正直つっこむ気力がない。


「わかりました」

「あれ? やけに素直だね、私が異世界人ってやっと信じてくれた?」

「それとこれとは別問題、だいたい異世界人なのになんでそんなに言葉が流暢なんですか!?」

「ふっふっふ、それはね・・・・・・魔法の力よ! 詳しく説明すると・・・・・・」


 パトカーの中とは思えない会話が続き、自分達の乗っているパトカーは対策本部につく。

 対策本部は五階建てのビルだった。


「・・・・・・思ったより大きい」

「でしょ? それだけ危機感あって、期待されてるってこと」


 たしかに一晩で学校制圧するくらいの事件が何の前触れもなく起こるなら危機を感じて当然だろう。

 ひょっとすると自分達が知らないだけで異世界問題っていうのは近くに発生していたのではないかと、自分は考え始める


「さ、まずは中を案内するね、大樹くんももう来てるよ」


 そういえば大樹もくるといっていた。


(深遊の話についてもあるし、とりあえず案内されようかな)


 自分はアリサさんについていき、中に入る。



 案内されたのは一言でいえば事務室。

 そんなに人数がいるわけではないが、その一人一人がとても忙しそう移動しているため、多少狭く感じた。


「お、きたな光!」


 休憩室にいた大樹が話しかけてきた。

 それと後ろにいるあと二人・・・・・・


「お、全員集まってるね、じゃあまず紹介からしてこう」

「ではまず自分から、僕の名前は澄川すみかわ 拓海たくみ。よろしく」


 黒髪で長め、地味系眼鏡だが、眼鏡を取ったら割と顔立ちが整っていた。

 同じ学校の生徒らしいが、残念ながら面識はない。


「私の名前は鷺森さぎもり 千里ちさとです。よろしくお願いします」


 茶髪でポニーテールをしている、拓海と同じクラスらしい。

 残念ながら拓海とおなじく面識はない。


 その次に大樹、最後に自分が自己紹介をした。

 彼らは自分達と同じように指輪の関連事件に巻き込まれた被害者だそうだ。

 もちろん二人とも指輪所持者で、拓海は深い青、千里は明るい緑をしている。


「自己紹介は終わったかな? それじゃあ本題に移させてもらうよ」


 アリサが全員に向かって言う。


「「「「本題?」」」」

「単刀直入に言います。 君たちの力を貸してほしい。 もちろん無理にとは言わない、どうだろう?」


 周りがシーンとなった。

 それもそうだろう、何をするとも伝えられずに要求されては答えようがない。

 この状態で一番最初に口を開いたのは大樹だった。


「力を貸すっていうのは具体的にどんなことをするんでしょうか?」

「あ! そ、そうね、まずここにいる私達警察の一部は異世界による不可解現象に対抗するために集められているの」


 大丈夫なのだろうかこの人・・・・・・


「今回の場合は指輪をつけた人たちね! 私達警察は事件を起こした指輪を持った人々を拘束するために、麻酔銃を使っているのだけれど」


 麻酔銃!? 容赦ないな・・・・・・、だがその処置も当然だろう。

 生身で対抗し、拘束しようものならすぐさま力負けのするだろうと推測する。


「彼らは素早いから当てるのが難しいのよね、これ、追尾機能とかつかないかしら」


 自称異世界人が現代武器に文句を言っている。


「ともかく今の私達では力不足なの、実際にやってあなたたちにもらいたいことは足止めがメインになるわ、もちろんそれだけではないんだけどね、まぁ、足止めと言っても――」

「それは僕らにしかできないことでしょうか?」


 大樹が話を聞き終える前に答えた。


「・・・・・・ええ、もちろんよ、指輪を持っている君たちにしか頼めないの、お願いできないかしら?」


 アリサさんが真剣な表情になる。


「・・・・・・わかりました、是非やらせてください」

「本当にいいの? とても危険なのよ?」

「それで事件が解決するのなら本望です」

「ふふっ、ほんとに部長・・・・・・いえ、あなたの父親そっくりね」

「え? 親父を知ってるんですか!?」

「ええ、もちろん! あなたの父親はこの支部の部長なのよ? それと大樹くん・・・・・・協力感謝するわ!」


 大樹が驚いている。

 大樹は父親がどこの支部所属かまでは知らなかったようだ。

 大樹が警察に協力すると名乗り出た後


「もちろん僕も協力します!」

「私もです!」


 大樹に続いて拓海と千里も協力すると言い出す。

 こんな空気で自分だけ断るなんてできるわけがない。

 しかし、昨日の深遊の言葉を思い出す・・・・・・

 そんな状況を知りもしないアリサさんはこっちをじっと見つめている。

 ・・・・・・ここは腹をくくるべきだろう。


「じ、自分も協力します・・・・・・」

「さすがね! 全員の協力感謝するわ! それじゃあ今行っている作戦概要について紹介するわね」


 全員協力するとわかってましたと言わんばかりにアリサさんが人数分のプリントを配り始める。

 この流れになることがわかっていたのだろう。

 この人は天然に見えて、意外と抜け目ないと認識を新たにする。

 

(協力すると言ってしまった以上、自分の被害を抑えるような身振りをするようにしよう・・・・・・)


 自分はこのときの行動を、あまりにも軽率だったとのちのち後悔することになる。



 


東條 光 :カラーコード:#ee82ee

      バイオレット "銀色"

      R:238 G:130 B:238

      才能【魔力具現化】

伊延 大樹:カラーコード:#f0e68c 

      カーキ

      R:240 G:230 B:140


澄川 拓海:カラーコード:#191970

      ミッドナイトブルー

      R:25 G:25 B:112


鷺森 千里:カラーコード:#9acd32

      イエローグリーン

      R:154 G:205 B:50


折原 深遊:カラーコード:不明

      水色?

      R:0 G:? B:255

      才能【?????】

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