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過去回想編 プロローグ
「ふぅー、数学の課題しゅうりょー! 高校生になってから課題のせいで机に向かう機会が増えた気がするよ・・・・・・」
黒髪の青年は机に積み上げられたノートを片付け始める。
「やっべ! もうこんな時間!? 早く寝ないと明日起きれなくなる!」
急いでいつもの時間に目覚まし時計のアラームをセットし、ベットに入る。
そんな生活が彼の日常だった。
だが、その日の夜からそんな日常が狂い始める。
月の明かり程しかない暗闇の中、一つの人影が人とは思えない速さで動いている。
ガコンッ! "何か"がポストに入る音が鳴り響く。
「本当に人使いの荒いお方だ・・・・・・」
ガコンッ! また一つ、投函されていく。
「あのお方はこれを配っていったいどうするおつもりなのか・・・・・・」
動き回っていた影が止まり、その人物は月に手をかざし、指にはめてある"ソレ"を眺めていた。
「あのお方の考えることはまったくわからない、だが、だからこそ面白い・・・・・・!」
そう言って、人影は活動を再開する。
「・・・・・・すべてはレメゲトン様のために!」