39 孤独
体が裂かれた時の痛みは言葉に出来ない程でしたが…
それは一瞬の事でした。
私は直に意識を失ってしまいましたから。
ただ、
やはりブラックさんにとっては私は邪魔でしかなかったのでしょうか?
そう考えると悲しかったのです。
だから次に私が目が覚めたときブラックさんが私を抱えて飛んでいた事に感激しました。
私はまだ必要とされていた。
さっきのは悪い夢か何かで…
暫く飛んでいると森の入り口にブラックさんは降りました。
そして私を下ろすとゆっくりと語りだしたのです。
「マコト…お前の体を二つに分けた」
ブラックさんの言葉は衝撃でした。
たしかにさっきそんな夢を…
っと言う事はやはりさっきのは夢では無かったのですか?
思わず両手で頬を包み込むように触って確認しました。
しましたが…
顎も頭のてっぺんも痛みなんて微塵も感じない私の体。
「お前は右半身だ、左は塒に居る」
私が…二人?
ブラックさんのおっしゃる意味がよく解りません。
「今、マコトの体の半分は俺の魔力で出来ている」
私の半分が?
さっきのお話を纏めれば左半身は私の体じゃないという事ですよね。
どうしてそんな面倒な事を…
「二つに分けて俺の魔力を混ぜる事によりお前達は不老不死になった」
不老不死。
確かにそれは人類永遠の夢です。
「少しでも魔力を持っている者には互いの魔力が反発して成功しない」
誰にでも出来るわけではないとブラックさんは言う。
まぁ…だったら皆さんなりたい方は沢山居られるでしょう。
「それから…切られれば痛みは感じるし体が頑丈になったわけじゃない」
それを聞いて怖くなりました。
私はもしかしなくても怪我をしたらゾンビのような体になって永遠に生きねばならないのかと…
「ゆっくりだが再生して今の体に戻る、それよりも大事なのは半身と出会わない事だ会うと死ぬ」
その言葉に私は目の前が真っ暗になりました。
左半身は今塒に居ると…そして私は左と会ってはいけない。
と…いう事は…
「では…私はここでブラックさんとお別れなんですか?」
自分でも声が震えるのが解ります。
嘘だと、嘘だと言って欲しかったのです。
ですがブラックさんは黙って頷きました。
「どうしてあっちじゃ無くて私なんですか…」
どうして左ではなく私を捨てるんですか?
何故?
何故?
左でも良かった筈なのにどうして!
「ブラックさん!!」
私の叫びを無視して何も言わずに飛び立って行きました。
振り返ってすらくれない。
ブラックさんどうして…
これからも、何があってもブラックさんについて行くつもりでしたのに!
何もする気になれずただぼんやりと森の入り口をウロウロしてしまいます。
何処へ行こうにも地図もよく解らないし知り合いも居ない。
日が完全に落ちて辺りはもう真っ暗です。
せめてリリィが近くに居れば…と思ってもきっともう近くには居ないでしょう。
困り果てて私はただ立ち尽くしていました。
真っ暗な中私は木にもたれ掛かって一晩明かしました。
森の入り口にただいるだけで何もしてない。
お腹は空いているのに何かを探しに行こうという気力すらもう今の私にはありませんでした。
そこから一日いいえ二日かもしれません。
殆ど動かず過ごしました。
「マコト!マコトどうしてこんな所に…」
後ろから聞き覚えのある声が聞こえて来ました。
あ…リューさん。
私が呟くとリューさんが困った顔をしました。
「逃げて来たのか?」
少し違いましたが私はとりあえず頷いたのです。




