36 おかえりなさい
ぼんやりと空を眺めていると私のお腹が主張しだした。
ブラックさんが飛び立っていったのが朝。
気が付けばリリィさんが居なくなっていたのが昼。
それから何も食べてない。
気分的には何か食べたいなんてちっとも思わないのに…体は正直です。
ああ、ブラックさんも帰ってきたら何か食べたいかもしれません。
私は早速準備に取り掛かる事にしました。
じゃがいもを集めて。
茹でて、食べれる草を集めて簡単なサラダも作りました。
お腹がグルグルなっていますが、我慢我慢。
ブラックさんが帰ってきたら一緒にご飯にしましょう。
鼻歌を歌いながら準備を終えると日は落ちかけていました。
「ちょっと…」
私が準備を終えるのを待っていたかのようにリリィさんがタイミングよく現われました。
あれ?
帰ったと思っていたのですが…
「こんな所にまだ居たの!?」
なにやら慌てているようですが私はあまり気にしていません。
用は先ほど終わったのでしょう?
「え~っと…そういや名前知らない、なんだっけ?」
今更ながら名乗って無かった事に気が付きました。
此方はお伺いしているのですから名乗ってあげるのが礼儀ですね。
「ふーん…マコトね」
リリィは腕を組んでそう呟いた後また慌てだしました。
せわしい方ですね。
「そんな事は良いんだって、マコトこんなトコに居たら危ないんだからぁ!」
何かを必死で訴えるリリィに私は首を傾げます。
毎度ながら彼女の言葉には主語がないので内容を理解できないのです。
「ぁ…」
私が口を開こうとした時空に大きな影が見えました。
あれは間違いなくブラックさんです!
お帰りなさい。
やっぱり帰ってきて下さったんですね。
喜ぶ私を尻目にリリィは少し震えて居ました。




