34 幸せ
横で何か喚くリリィさんの言葉はもう耳に入ってきていませんでした。
見上げた空は青く…
とても青くて。
ウォズさんが亡くなってもこの空は変わりません。
あの空突き抜けたら何処にいけるのでしょうか。
この世界でも宇宙は存在しているのか?
私には解りません。
あの中に飛び立って行ったブラックさんが青に溶け込んで行くようで怖かったのです。
空がブラックさんすら奪ってしまうようで。
何かに取り憑かれたように飛び立ってしまった。
もし、このままブラックさんが戻らなかったら…
不安に駆られて私は袖口をグッと掴む。
話を打ち切った私に呆れたのか諦めたのか。
気が付けばリリィさんは居ませんでした。
でもそんな事どうでも良い事ですね。
ブラックさんはきっと帰って来て下さる。
だから私がこんな暗い顔をしていてはいけないのです。
笑って迎えてあげないと。
無限に広がる空。
でもブラックさんがこんな空如きに負ける筈無い。
そうですよね?
答えが返って来ない事は私が一番存じております。
笑おうと思っているのに口元が震えて上手く笑顔が作れません。
不安に思うことなど無い筈。
その筈なのに。
ブラックさんを信じている…
つもりでしかないんでしょうか。
笑って迎えなければ…
嫌な
嫌な感じが抜けないのです。
ブラックさん。
早く帰ってきて下さい。
そして
いつもみたいにからかって下さい。
今の私の不安なんか一蹴して欲しいのです。
どうか…




