33 復讐への道
街へ帰るとそこは騒然としていた。
隣町が魔王によって破壊されつくしたのだと言う。
魔王の奴はあの城に居なかったのか。
どうりで…と納得した。
やっぱり俺は罠にはめられたんだ。
魔王め!
俺は怒りに任せて隣町へ走った。
隣町は1日走って漸く着く距離だがモクモクと上がる煙はココからでもハッキリと見える。
あの時の。
村を救えなかったあの時の
嫌な思い出が蘇る。
急がないと…急がないとまた間に合わない!
走る。
碌に舗装もされてない獣道をただ走った。
体力が回復しきってない所為か足が絡まる。
ドンっと大きな音をたてて倒れた。
駄目だ、立ち止まるな。
自分に言い聞かせて俺は立ち上がった。
彼方此方木に引っ掛けたりこけたりで細かな傷で溢れている。
正直既にもう気力で走ってる感じだ。
ただココで一瞬でも走るのを止めたら後悔する。
だからとにかく走った。
痛い…体中が痛い。
何かに取り憑かれたように足が動かない…そんな俺の意思に反する足を引きずって進む。
これも魔王の呪いか!
ちくしょうっ負けるわけにはいかない。
『ちゃんと帰って来てね』
そう言って笑った妹、俺は帰れなかった。
あんな後悔はもうしたくない。
動け、動け…
気力を全て振り絞って体を動かす。
早く…早く行かないと!
少しでも早く。
俺はそれだけを考えて走った。
町に近づくにつれ嫌な臭いが鼻につく。
この臭いは…
焼け焦げた臭い。
…生き物が燃える臭いだ…
誰か…まだ誰か生きているよな?
どれだけ町へ近づいてもこちらへ逃げてくる人と出会わない。
嫌な、
考えたくない嫌な予感がする。
漸く辿り着いた町は既に地獄絵図と化していた。
真っ赤に染まった土。
飛び散った肉片。
人の形をした物は何一つ残っていない。
足元に転がった人の指だったと視認出来る破片。
まただ…
また俺が遅かった所為で誰も救えなかった。
辛うじて気力で保っていた部分も無くなってしまう。
俺は力が抜けてガクンと膝をついた。
見上げると黒い大きな影が飛んで行くのが見えた。
あれは…ドラゴンだ。
黒いドラゴン。
アイツが…
アイツが魔王だったのか!!




