32 怒り
俺が察知した気配は…
弟が…イザンが亡くなった気配だった。
その周囲に感じる沢山の人間の気配。
「あいつ等…絶対殺してやる…」
俺はこみ上げてきた怒りのままにイザンの所へ全速力で飛ばした。
目に入ってきたのは既に息耐えた弟の姿とその死体にまだ剣を突き立て続ける人間どもだった。
うじゃうじゃとアリのように群がりイザンを刺し続ける。
無残な姿になった弟。
地面はイザンの血で染まっている。
真っ赤に染まった土。
人間どもが無傷なのをみて俺は悟った。
イザンお前…無抵抗のままやられたのか!
激昂した俺はその後の事はよく覚えていない。
気が付けばイザンの血の他に人間の赤い血で染まった地面と飛び散った人間の破片。
潰れ過ぎたそれは一見ではもう男だったのか女だったのか子供なのか大人だったのかも解らない。
暴れる俺に何人かは怯えて逃げ出した。
逃がすか!
イザンを殺しておいて自分が死ぬのは嫌だってか!
そんな事俺が許すわけねぇだろうが。
一人残さず潰す。
プチプチと潰れていく人間ども。
追いかけて、
追いかけて
そして俺はその場にいた人間だけでなく町一つ潰していた。
誰かやってくれれば良い。
そう考えていた事を俺が実行していた…
そう
次の魔王は…俺だ。




