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悪と呼ばれた私  作者: える
出会いと別れ
26/69

26 信じぬ心

ついに魔王の所へ俺は来ていた。


ヤツは自分が滅ぼした人間の城を拠点にしている。


さぞ沢山の部下を引き連れているだろうと思えばなんて事は無い。



誰も居なかった。



城の周りには凶暴なモンスターがウヨウヨしてたが…


この静けさは何かの罠が仕掛けてあるに違いない。


辺りを見回せば赤黒い染みが彼方此方に付着している。


言うまでも無い血だ…


この城は魔王が一番最初に滅ぼした国の物だ。


周囲の血がどれ位前のものなのかさっぱり解らない。


俺のようにココを訪れた勇者かもしれないし…この城の人間のかもしれない。

慎重に慎重に歩く。


敵も居なければ音も無い、響くのは俺の足跡のみ。


何がどうなってる?


ゆっくりゆっくり奥へ奥へ進む。


悲しいかな黒い染みが道を教えてくれる。


染みで覆われた場所は行き止まりだ。


これは先人達が俺を導いてくれているに違いない。


進んでいくと明らかに王座があるであろう部屋の前に辿り着いた。


扉は無い。


恐る恐る覗き込むとそこには立ったままぼんやりと王座を眺める魔王が居た。

丁度俺に背中を向けている。



好機!



俺はそう判断して瓶の蓋を開けると剣の刃にふりかけた。


こうする事でコイツに魔力を含ませ一時的に相手が視認出来なくなる。


赤い液体で染まった剣を一瞥してから俺はマガノゼストを左手に持つ。


閃光で油断している隙にラマストルフを撒けるよう準備も忘れない。



3…2…1!



自分の中で勢いをつける為のカウントダウンを済ませるとマガノゼストを投げつけた。


閃光が走る瞬間魔王がこちらを振り返った。


そんな事を気にしてる時間は無い。


ラマストルフを振り撒き剣をしっかりと握る。

閃光が収まった頃魔王と目が合った。



ただ…その目はどこか虚ろだ。



まさか…



「レナス、お前生きてたのか?それとも俺を迎えに来たのか?」



言っている意味が解らない。


俺は無言で歩く。


剣を握る手に力が篭るのがはっきり自覚できる。


そのままゆっくり近づく。


魔王はそんな俺をただぼんやり見ている。


俺じゃ相手にならないっていうのか!?

馬鹿にしやがって!



そのまま力一杯剣を魔王の心臓目掛けて突き刺した。



まるで棒のように魔王が後ろへ倒れる。



「やっぱり俺を許してはくれないんだな…」



魔王はそう呟いた後ピクリとも動かなかった。


口元は自嘲するような笑みを貼り付けたまま…


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