22 任されたモノ
塒に戻ってくると俯いたマコトが立っていた。
表情は読めないが落ち込んでいるのはわかる。
そしてマコトからはウォズの魔力がまた漂っていた。
これ以上アイツに何を言われたんだか…
「ウォズさんから伝言です」
マコトの表情は変わらない。
「ココを空けるからよろしく頼む、と」
いつからとも何時までとも無い言葉。
アイツがココを空けるのはよくある事だがそんな言葉を残して行った事は無い。
帰ってこないつもりか。
「そうか」
それだけ返す。
マコトは言葉の裏を読むのが上手い。
多分ウォズがこの森を捨てた事に気付いているに違いない。
俺に何を頼むって言うんだ。
キチンと言って行けってんだ。
「ウォズさん何かあったんでしょうか?」
俯いたまま呟くマコトに俺はさぁなと濁す。
きっと何も無い事が問題なんだ。
アイツの下には人間どもを一刻も早く滅ぼしたくてウズウズしている部下が大量にいる。
本格的に動く事にしたんだろう。
これから世界は劇的に動く。
「ブラックさんこの森はかわりませんよね?」
不安そうな声を出すマコトに俺は答えを出せないで居る。
変わらなければ良いそうは願っているが…今は変化を望むモノの方が多い。
人間達にも俺達にもだ。
この世は多いものに流されるのが常。
「なぁ?マコトは死んだら何処にいくと思う?」
唐突もない俺の質問に目を丸くしたもののマコトは手を顎に当てながら考える。
こういう所が律儀なヤツだと俺は思う。
「私の国では生前に善行した者は極楽浄土へ悪事を働いた者は地獄へ…と言われていました」
マコト曰く極楽浄土とはこの世の全ての苦痛の無い幸せな場所らしい。
地獄は永遠の苦しみを味わう場所だと。
どっちも想像できねぇな。
「他にも色々説はありましたよ南無阿弥陀仏というだけで浄土へ行ける…なんていうのもあります」
宗教というものが存在し信仰する神によって違うそうだ。
俺達にはない概念だからよくわからない。
「人は死後の世界をも求めてしまうのでしょうね」
遠い目をしたマコト。
その姿が一瞬イザンと重なる。
全く似てないのに不思議だ。




