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悪と呼ばれた私  作者: える
出会いと別れ
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⑮ 俺の迷い

塒に戻ってくるとマコトがいつもの様に迎えてくれた。


やっぱり何も聞いてこない。


だから俺も言わない。


マコトが取ってきた苺を食べながら思い出すのはイザンの事ばかりだった。


俺がしてきた事に間違いは今でも無かったつもりだが…やっぱりもう少しやり方を考えた方が良かったのかもな。


少なくとも最善では無かった筈だ。


ぐるぐる考え込む俺にマコトの視線が刺さる。


真黒のあいつの目は何を映しているのかよくわからない。


だから俺はいつも自分の都合の良い様にとる。


それが一番簡単だし楽だからだ。

塒に帰ってもまだ戻っていない。


あいつ…どこ行ったんだ?


日が落ちても戻ってこないマコトに不安になる。


もう戻ってこねぇんじゃないか。


考えが過って俺は顔を左右に振った。


大丈夫、大丈夫だ。


言い聞かせていると近くに身に覚えのある魔力を感じた。


アイツが来たにしては薄すぎるソレに俺は首を傾げる。

なんだ?


疑問に思って魔力の元を見るとそこにはマコトがちょこちょこ走ってくる姿が見えた。



「なんか・・・あったんだろ。」



ウォズと。


すれ違ったとか一瞬の出来事でこんなに濃く着く事は無い。


確かにあいつの魔力の放出は凄く少し過ごしただけでも魔力はこびりつくが…



「ウォズさんにお会いしました。」



予想通りの言葉におれはそうかと一言だけ返した。


マコトが無事だと言う事はあいつの対象に今はマコトが入っていないって事だ。


少し安心できるな。



「日が暮れるまで一緒に居ました。」


長いこと一緒に居たんだろ?


という問いへのマコトの答えに少しだけイライラする。


それじゃ何時からってのが解らないだろうが。


少しばかり沈んだ様子のマコトにそれを伝えるのは酷な気がして俺は直前で口を閉じた。


この様子だとウォズとイザンの事聞いたんだろ。


頷くマコトにやっぱりなと納得する。



「アイツが何故『魔王』と呼ばれるか解るか?」



口元に手を当てて考え込むマコトを俺は黙って眺める。


簡単に答えを教えちゃ覚えねぇからな。


俺もつまんねぇし。

「ココに来られたときの威圧感。あれこそは魔王と呼ぶのに相応しいモノ・・・


 でも今日お話したウォズさんからは全く感じませんでした。」



まっ敵には容赦ないからなアイツは。


けど一度懐に入れたヤツにはとことん甘いし弱いヤツだからな。


だからこそ今でもこの森の精霊に謝り続けている。


精霊たちに誰もウォズを責める奴なんか居ないとおもうけどな。



「解りやすく言うと魔力ってのは水みたいなモンだ。器が大きければ大きいほど沢山入る。」



そう、基本的には体のでかいヤツの方が魔力を持っている。


これは常識だ。

お前が言ってる事のが意味わかんねぇ。



「あ…あはは…気にしないで下さい」



両手を前に突き出して苦笑いするマコトに俺はそれ以上突っ込むのを辞めた。



「なんだか一度話してからはウォズさんの印象が180度変わってしまいました。


あんなに怖かったのが嘘みたいです。」



マコトの言い分に俺は呆れる。


あいつは人間…つまりお前らを滅ぼそうとしてるんだぜ。

忘れてんじゃねーだろうな?



「敵・・・と言うならば貴方もでしょう?」



にっこりと笑いながら首を傾げるマコトに俺は少し慌てた。


俺はお前を殺す気なんかねぇっつーのに。


ニコニコ笑いながら俺の言葉を聞く様子になんと無く負けた気分になって悔しい。


ムカつくから軽く尻尾で背中を叩いてやった。



「そう言えば最近は毎日何処へいかれているんですしょうか」



背中を押さえながらも笑うマコトは俺にようやくソレを聞いてきた。


…弟んトコになっとだけ答えて後は濁す。



『人間を庇ってやる義理も無いだからと言って皆殺しにする理由もない』



そうきっぱりと言い切った弟を思い出す。


冷たい目だった…200年の間に人間との間でなんかあったんだろうけどな。


マコトをアイツはどう思うんだろうか。


逆にイザンをマコトはどう思うんだ…

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