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理系女子の恋  作者: 流音
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83、悶々と過ごす


井坂君はムスッとしてしまってから一言も発さなくなってしまって、私はまた機嫌を損ねてしまっただろうかと不安になった。

さっきまで褒めてたはずなのに、本当に井坂君はよく分からない。


どうにか笑顔に戻したいなぁ…


今日は井坂君に対する感謝でいっぱいなので、私は彼を喜ばせたくて大胆な行動に出た。

顔を背けてる井坂君に近寄ると、学校で要求された通りに井坂君をギュッと抱きしめる。


なんだか恥ずかしいけど…交換条件だもんね…


私は井坂君の首筋に頬を押し当てて腕に力を入れて様子を窺う。

すると井坂君も抱きしめ返してきて、耳元でボソッと呟いた。


「…これって見られたらヤバいんじゃねぇの…?」

「?ドア閉まってるけど??」

「…そうだけど…さ…。」


井坂君は歯切れ悪く答えるとまた黙ってしまって、私は気まずい空気を壊したくて口を開いた。


「だって交換条件だし。これは私から井坂君へのお礼。今日は本当にありがとう。」


気持ちが少しでも伝わっただろうかと思っていると、井坂君からの力が強くなって井坂君の頭が私に甘えるようにくっついてきた。

そしてグリグリと動いていて首筋が髪の毛でくすぐったくなる。


井坂君が甘えてくれるのって私にだけなんだよね…

それってなんか特別って感じがして、すごく嬉しいな…


そのとき私は生徒会長さんや榊原さんの顔を思い返して、ちょっとした嫉妬心が顔を出す。

自分だけの井坂君だって事を確認するように、体が勝手に井坂君の首筋に唇を落とした。

その瞬間井坂君の体が大きくビクついて、私は思いっきり井坂君から引き離された。


そして真っ赤な顔の井坂君の顔が見えて、私は自分のしたことに気づいて全身から汗が吹きだした。


うわっ!!!何やってんの!?私!!


なんだか抱きしめてたら変な気持ちになってきて、気が付いたら体が勝手に動いてた。

井坂君を自分だけのものにしたくて、衝動的にキスしちゃってた。

うわわわわ…恥ずかしい…


私が赤面して軽く視線を逸らすと、前から声をかけられた。


「し…詩織…。今の…何?」


きた!!!


当然聞かれると思ってた質問に、私は目を泳がしながらしどろもどろになる。


「え…っと…、したくなったっていうか…あ、違う…体が勝手に…なんか…何?って自分でもよく分からないっていうか…。あー…と…とにかく忘れて欲しい…かな…。えっと…その…ごめん…。」


もう自分で何が言いたいのか分からなくなって、とりあえず謝って項垂れた。

すると井坂君が私から手を放して、部屋の壁際に移動すると私に背を向けて小さくなってしまった。


あ…やっぱり…ドン引きされたよね…


私は泣きたくなってきて、もう一度「ごめん…。」と謝った。


喜ばせるつもりが逆効果とか…最悪…


自分を責めてため息をついたとき、背を向けたままの井坂君から声がかかった。


「謝らなくていいから…。俺のが謝らなきゃいけない状況になりそうで堪えてるだけだから。」

「え??…どういうこと…?」


私が首を傾げながら井坂君の後ろ姿を見つめていると、井坂君が小さく咳払いした。


「詩織のお母さんに…信用されて…、これから晩御飯までご馳走になろうとしてるのに…。俺…頭ん中…詩織でいっぱいで…高校生だとか…それらしい付き合いとか…吹っ飛びそうで…我慢してる…。」

「……え…。」


まさか…


私は苦しそうに打ち明けてくれる井坂君の背を見つめて察しがついてしまった。


「今、近寄らないでくれよ…。きっと詩織のこと押し倒すから。」

「えぇっ!?!?!」


井坂君が正直にぶっちゃけてきて、私は飛び上がるように驚いて井坂君から思いっきり離れた。

ベッドの角に背をつけた状態で、小さくなっている井坂君を見つめてどうしようか考える。


こういう場合、どうしたらいいの!?

お母さんに宣言した手前、いいよとも言えないし…

ましてや自分の部屋でなんて…想像もできない!!!


え、えっと…とりあえず気を紛らわすしかないよね…


私は部屋の中を見回して、何か話をするための小道具がないか探した。

その間も心臓がバクバクいっていて、顔の熱がとれない。


うわわ…恥ずかしいんだか、嬉しいんだか分からない…


私は自分の気持ちを静めようと細く深呼吸しながら、本棚に目を移した。

そこで中学の卒業アルバムが目に入って、私は井坂君の家で勝手に見てしまったことを思い出した。


そういえば、春休みに井坂君の卒業アルバム勝手に見ちゃったな…


私は中学の頃の自分の姿なんか井坂君に見せたくなかったが、自分は勝手に見てしまったのもあって、贖罪にそれを手にとった。


「井坂君。私の卒業アルバムとかって見たい?」

「…アルバム?」


アルバムにつられて井坂君がやっと振り返ってきて、少し安心した。

表情もいつも通りに見える。


「うん。見たくないならいいんだけど。」

「見る。っていうか見たい。」


井坂君が嬉しそうにこっちに寄ってきて、私は大丈夫そうだと分かってテーブルにアルバムを置いた。

井坂君はそれを手に取るとペラペラとめくり始める。

私は目立つ方ではなかったので、写ってる写真も少ない。

きっと探すのも一苦労かな…と思っていると、井坂君が「あ。」と声を上げた。

もう見つけたのかアルバムの写真を指さして笑っている。


「なんか幼い…。あ、西門君ちっさ!!」

「どれ?」


井坂君が見ていたのは一年の頃の写真で、校外学習で大縄跳びをしているものだった。

西門君と私が同じ写真に写り込んでいる。

一年の頃は西門君は今ほど背が高くもなく、私と頭一つ分ぐらい背丈が違った。

メガネは変わらずつけているので、真面目そうな少年として映っている。

私は今とそんなに変わらない気もするけど、高校入学当初の地味さが際立ってる気がする。

パッツン前髪がすごく懐かしい。


「この頃も西門君と仲良かったんだ?」

「あ、うん。西門君とは保育園から一緒だから…。もう腐れ縁みたいなものかな。」

「へぇ…。なんか幼馴染っていいよな…。」

「え…?」


井坂君が羨ましそうに言ったのが引っかかって訊きかえすと、井坂君はちらっと私を見た後に言った。


「だって小さい頃の詩織を全部知ってるんだろ?俺が西門君だったら良かったのにってたまに思うからさ。」


井坂君の言葉が胸に突き刺さって、私は胸がギュンっと苦しくなった。


「わっ、私だって!!井坂君の小さい頃知りたいよ!!もし井坂君と幼馴染だったら、きっとずっと井坂君にべったりだったと思う!!」

「べったりって…。それって好きだって受け取っていいの?」


井坂君が苦笑しながら聞いてきて、私は恥ずかしかったけど大きく頷いた。

すると井坂君はクシャっと顔を緩めて嬉しそうに笑った。


その笑顔が見れただけで、こっちまで嬉しくなってくる。

私は幼馴染の井坂君を妄想して、幼馴染だったら小さい頃からヤキモキしなきゃならなかっただろうな…なんて思ってしまった。

井坂君のことだから小さい頃からモテるだろうし…

西門君とはきっと全然違う。


そういう意味では西門君が幼馴染で良かったのかもしれない。

ヤキモキなんてしないし、良い男友達という安心感がある。


井坂君が幼馴染なんて近い立場だったら、付き合えてたかどうかも分からない。

西門君のように友達って距離間かもしれなかった。

それを思うと、今の状況の方が数倍良い。

ただ傍にいるだけの幼馴染より、彼氏の方が良いに決まってる。


私は黙々とアルバムを見続ける井坂君をチラ見して頬が緩んだ。


「あ、瀬川。」


井坂君の顔が少し歪んだのを見て、私はアルバムを覗き込んだ。

そこには瀬川君が良い笑顔で映っていて、体育祭の写真が並んでいた。


「こいつ中学のときからモテんだな…。」

「うん。瀬川君、バスケ部で背も他の男子より伸びるの早くて…カッコいいって火が点いたんだよね…。小学校まではさっきの西門君と変わらなかったのに、人って変わるもんだよねぇ…。」

「瀬川も幼馴染なんだ。」

「幼馴染って言われると…どうかな?小学校から一緒ってだけだし…、小学校の頃は仲良かったけど、中学以降はそうでもないよ?」

「でも小学校から一緒なんだ。ふ~ん…。」


井坂君はページをめくりながら不満のありそうな顔になってしまって、何を考えてるのか知りたくなった。

また幼馴染が良いとか思ってるのかな…?


「詩織はさ、西門君とか瀬川とか…今まで一度も恋愛対象として見たことはねーわけ?」

「え?…恋愛対象って…どういう事…?」

「…初恋の話だよ。こんだけ長い間一緒にいて、男として意識したことねーのかなと思って。」


初恋と言われてドキッとしたけど、内容にホッとして答えた。


「小さい頃を知ってるとね、そういう対象に見れないのかも。二人と一緒にいてもドキドキしないもん。それは今も昔も一緒かな。」

「ふ~ん…幼馴染ってそういうもんなんだ。」

「そうだよ。だって、お互いの幼い頃の失態とか情けない所とか全部知ってるんだもん。魅力を感じないよ。」

「はははっ!詩織って意外とハッキリしてるよな!」


褒められたのかは分からないけど、井坂君が嬉しそうに笑うので私はつられて笑顔を作った。

すると井坂君があるページで目を留めて言った。


「でもさ、詩織にだって初恋はあっただろ?西門君や瀬川じゃないなら別のやつ。ここに写ってたりする?」


私は聞かれた事に心臓がビクついて、嫌な音を奏で出した。


思い出したくない記憶がフラッシュバックしてきて、思わず俯く。


『ゲームセット』


その言葉が耳の奥に響いて、汗がジワと滲んできて気持ち悪くなってくる。


あんな過去のこと、井坂君を好きになって吹っ切れたと思ってた。

でもただ聞かれただけで、こんなに気分が落ち込む。

やっぱり忘れたくても忘れられない

初恋っていうのはどこか特別で消えてくれないのかもしれない…


私はズキズキと痛む胸を押さえて、考えないように顔をしかめた。




「詩織?大丈夫か?」


井坂君から優しく声をかけられて、私はハッと我に返った。

慌てて笑顔を作ると、両手を左右に振って元気をアピールする。


「大丈夫!は、初恋の人だよね…。そこに写ってるよ。きっと何枚もあると思う。目立つ人だったから。」


私が後ろめたさを表に出さないように明るく打ち明けると、井坂君が目を見開いて私を見つめてきた。


「え…。ホントに映ってるんだ…。」

「え…?ホントにって…知りたかったんじゃ…。」

「や…そうなんだけど…。いや、言い出したのは俺なんだけど!!想像と答えが違ったっていうか…。」


井坂君は徐々に声のトーンを落とすと、見ていたアルバムを閉じて手で顔を覆ってしまった。

私は表情が見えなくなってしまった事に急に不安になった。


あれ…?私…もしかして答えを間違えたのかな…?


私はテーブルに手をついて井坂君の顔を覗き込んだ。


「アルバムしまって。」

「え…?」

「早くアルバムしまってくれ!!」


顔を手で覆ったままの井坂君に怒鳴られるように言われて、私は慌ててテーブルの上のアルバムを本棚に直した。

そして妙な緊張感からその場に正座する。


…なんか…怒ってる…?

うぅ…沈黙が怖いなぁ…


私が何を言われるのかとビクついていると、井坂君が顔を覆っていた手を外して細く息を吐いた。

やっと顔が見えたことに少し安堵する。


「聞かなきゃ良かった。」

「??」


井坂君がムスッとしていて、私は首を傾げた。

すると井坂君が頭をガシガシと掻きむしってから、後ろ頭を抱えて俯いてしまった。


「初恋のやつって…いつ好きになったんだよ?」

「え……聞くの?」

「聞かない方が絶対気になるから、嫌だけど知りたいんだよ!!」


井坂君が下を向いたまま吐き捨てて、私はこんな事話すのもな…と思いながらも、言わない方が彼の機嫌が悪くなりそうだったので教えた。


「わ、分かった…。えっと…好きになったのは中一のときだよ。」

「そいつ…目立つって言ってたけど、カッコいいのか?」

「え…っと…そうかな…。カッコ良かった…かな…。」

「仲良かったんだ?」

「え…うん。席が隣になったことがあって…そこから…。」

「付き合った?」

「え!?まさか!!」


私は両手を左右に振ると全力で否定した。

ここで少しだけ井坂君の顔が持ち上がって表情が見えた。

なんだか無表情で感情が読めない。


「でも好きだったんだろ?告白とかしなかったのか?」

「…したけど。フラれたんだよね。」


私は嫌な記憶を思い出しそうになって無理やり笑顔を作った。

すると井坂君が無表情なまま私を見つめてきた。


「向こうは人気者だったから、地味な私なんて最初から相手にしてなかったの。私が一人で浮かれて、自滅したってだけの初恋だよ。だから、井坂君が気にすることないよ。」


私は胸がズキズキと痛んだけど、気にしないように笑って誤魔化した。

でも井坂君には何かが伝わったのか、井坂君は私との間にあるテーブルを横に避けると、間を詰めて私を優しく抱き締めてきた。


「俺、そいつに感謝だな。」

「え…?」

「だって詩織がそいつと付き合ってたら、俺とは付き合わなかったかもしれない。詩織の中に俺が入り込む余地がなかったかも。それを考えると、そいつに詩織の良さが伝わらなくて良かったと思う。」

「良さって…私、本当に地味で―――」


「そんなことねーから!!」


私が自分を貶そうとすると、井坂君の腕の力が強くなって体が井坂君に密着した。


「詩織がそいつにフラれたのは、そいつが詩織の良さに気付かなかったからだよ。そいつの目が節穴だっただけだ。詩織が悪いわけじゃない。」


私が…悪いわけじゃない…?


思いもしなかったことを言われて、私は衝撃を受けた。

ずっとフラれたのは自分が一人で舞い上がって、相手のことをよく知らなかったからだと思ってた。

雰囲気に流された私が悪いと思ってた。

でも、井坂君はそうじゃないって言う。


私はもしかして…思い込みすぎてる…?


「俺…、付き合ってないって聞いてホッとしたけど…、正直…詩織に俺以外に好きな奴がいたってこと自体が…嫌だ。」

「え。」


井坂君から独占欲ともとれる言葉が飛び出して、私は面食らった。


「俺は詩織が初恋だから…、詩織もだって思い込んでた。俺より前がいるなんて思いもしなかった…。冗談のつもりで聞いたのに…こんなことになるなんて…。」


井坂君の腕の力がどんどん強くなって、だんだん息苦しくなってくる。


「知れて良かったけど…知りたくなかった。ただの我儘だけど…、詩織の一番も俺が良かった。もっと早く詩織に出会いたかった…。そしたら先越されなかったかもしれねーのに…。」


井坂君の言葉の一つ一つに胸が締め付けられる。


私も…井坂君が初恋なら良かったのに…

あんな苦しい思い出忘れてしまいたい…


私は井坂君を抱きしめ返して彼の胸に顔を埋めた。


「さっきから言ってることグチャグチャだけど…、詩織は…俺から離れないよな…?」


!?


「離れるわけない!!」


私は井坂君から少し離れて顔を上げると、まっすぐ井坂君を見つめた。

井坂君は不安そうに顔を歪めていて、なんでそんな顔をするのかが信じられなかった。


「初恋の人なんてどうでもいい!!私が今、好きなのは井坂君だよ!初めてデートしたのも、初めてキスしたのも…こうやって家に連れてきたのも、井坂君が全部初めてだよ!!井坂君じゃなきゃ、こんな…こんな気持ちにはならない!!」


私は井坂君からたくさんの嬉しい気持ちや幸せをもらった。

それなのに私が井坂君から離れるなんてあるはずない!


私は私の気持ちを信じてくれない井坂君に少しの苛立ちを感じていた。

すると井坂君から引き寄せられて、力強く抱きしめられた。

耳元に井坂君の吐息がかかる。


「ごめん…。すぐ自信なくなるの…俺の悪い癖だ…。ごめん。詩織。」

「私の方が…自信ないんだよ…。井坂君は自分がモテるってことが分かってない!」


井坂君から離れられることはあっても、私からなんてあり得ない。

井坂君には自分ってものをちゃんと分かってほしい。


井坂君は小さく頷くと、また「ごめん。」と謝ってきた。

今言ってほしいのは謝罪じゃない。

ただ一言『好き』の言葉。

抱きしめられてることで気持ちは伝わるけど、たまには言葉にしてほしくなる。


私はそんな不満を胸に押し隠して、ギュッと抱きしめ返した。

大好き…井坂君以上の人なんてきっとこの世にいない…

私は絶対に離れたりしないと心に誓った。



「姉貴ー。母さんが下に来いって呼んでるけど…って…。」


急にドアの開く音と大輝の声が聞こえて、私は飛び上がって井坂君から離れた。

でもバッチリ見られたようで、入り口で大輝が固まってるのが目に入った。


!?!?!?!


「だっ、大輝!!なんでノックしないの!?」

「え…、あ、あー…えっと…お邪魔しました。」


大輝は見なかったことにしようとしてるのか、それとも動揺しているのか目を泳がせて自室に戻ろうとしているので、私は慌てて追いかけた。


「大輝!!今の言わないでね!?」

「は…?何?今のなんて、何も見てねーって…。」

「嘘!!バッチリ見てたでしょ!?後で脅しかけたりするんじゃないの!?」


私は今までの大輝の態度から不安になった。

この弟がこんな揺すりネタを黙ってるはずがない!

そう思っていたのだけど、大輝は頭を掻き毟ると、キッと私を睨んでくると思わぬ事を吐き捨てた。


「あー!!!もう!!見なかったことにしようと思ってんのに!!空気読めないな!!このバカ姉貴!!」

「バカ…!?」


急に赤面して悪態をついた大輝を見つめて、私は呆然とした。


「彼氏いるならいるってドアに書いとけよ!!好きで見たわけじゃねーんだから!!そんなに母さんに言ってほしければ言ってやるよ!」

「!?!?やっ、やめて!!ごめん!!大輝!今度からは書いとくから!!」


私は怒ってる大輝を宥めようと、大輝にすがりついた。

まさか大輝がこんなに協力的だと思わなかった。

私は弟を見誤ったと焦って汗が出てくる。

とりあえず機嫌を治してもらおうと必死に手を放さないように引っ張る。


でもその後も大輝の機嫌はなかなか直らなくて、私は変に気力を使い果たしたのだった。









ただイチャつく話でした。

次でお家の話は終わりになります。

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