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理系女子の恋  作者: 流音
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13、お宅訪問


私とあゆちゃんが井坂君の家に着いて、彼の家のインターホンを押すと井坂君が玄関を開けて顔を出した。


「お、やっと来た。赤井の奴なんか朝から来てるんだけど。」

「そうなんだ!お邪魔しまーす!!」


あゆちゃんは赤井君がいると聞き、満面の笑顔を浮かべると井坂君の横を通って、躊躇うことなく中に入って行く。

私はとうとう家に入るとなって、心臓がバクバクしていた。

お…男の子の…家…。ちゃ…ちゃんとしなきゃ…。

私はご両親がいた場合も想定して、挨拶を頭の中に思い浮かべる。


「谷地さん?入らないの?」


私は入り口で悶々と考え過ぎていたらしく、井坂君が不思議そうな顔で首を傾げていた。

私は冷静に!と自分に言い聞かせると、強張った笑顔を浮かべて足を進めた。


「お…お邪魔します。」


私は井坂君の横をドキドキしながら通ると、玄関で靴を脱いで綺麗に整えた。

そのとき赤井君のものと思われる靴が脱ぎ散らかされているのが目に入って、それも一緒に綺麗に整えた。


「っぶ!!谷地さんらしーなぁ…。」

「え…?」


上から井坂君が吹きだすのが聞こえて、私は靴を並べ終えて彼を見上げた。

井坂君は口元に手を当てて、声を殺して笑っているようだった。

何だか最近こういう井坂君をよく見る気がする。

私は笑われたことには複雑だったけど、彼を笑顔にできたことに胸が温かくなった。


井坂君は私の横にしゃがむと、自分の脱いだ靴を私の靴の横に綺麗に並べた。


「これでいいんだよな?」

「え…あ、うん。いいんじゃないかな…?」


私は自分が好きで並べていただけだったので、井坂君がいいならいいんじゃないかと普通に返した。

井坂君の家なのに、何で私に聞くんだろう?

私は立ち上がった井坂君の背に続いて、あゆちゃんと赤井君のいるリビングへと足を踏み入れた。

井坂君のお母さんがいるんじゃないかと思って身構えていたけど、そこには騒いでいる二人しかいなくてホッと胸を撫で下ろす。


「…井坂君。今日、ご両親は?」

「ん?おふくろは友達と遊びに行ってるし、親父は出張だから帰って来ないし…今日は二人ともいないから、気にしないでいいよ。」

「そ…そうなんだ…。」


私は安心する反面、ご両親を見れないのが少し残念だった。

井坂君を産んでくれたお母さんを見てみたかったな…

するとあゆちゃんが私を手招きして呼んでいたので、井坂君の隣からあゆちゃんの元へと駆け寄った。


「詩織!ここ、座って!」

「あ、うん。」


「詩織?なんか二人仲良くなってない?」


あゆちゃんが私を呼んだことに、赤井君が不思議そうに顔をしかめた。


「そう!仲良くなったの!!羨ましいでしょ~?」


あゆちゃんが私の腕を掴んですり寄ってきて、私はなんとなく照れ臭くなった。

私は自分からスキンシップすることはあっても、される事には慣れてなかった。

ナナコもたかさんも何かとクールだからだ。


「なんかいいよなぁ~。そういう女子特有のスキンシップさぁ。俺も混ぜてくんない?」

「アホか!!お前はオープンすぎんだよ!」


赤井君の冗談だろう言葉に井坂君が頭を叩いて止めた。

そして井坂君はテレビをつけると、番組表を見ながらチャンネルを変えた。


「井坂のムッツリよりはマシだろうがよぉ~。」

「おっまえは!!節度ってもんが欠けてるっ!!」


井坂君は本気で怒ったのか、顔を真っ赤にさせると赤井君を足蹴にしている。

そんな仲の良い二人を見ていると、自然と笑みが漏れる。


「詩織~、顔に出てるよ~。」

「えっ…!?」


あゆちゃんがにや~っと笑いながらからかってきて、私は緩む顔を引き締めた。

そんな反応を見て、あゆちゃんがクスクスと笑う。

すると私の隣に井坂君が座ってきて、私の緊張度が一気に上がった。

教室の席よりも近い距離に心臓がどんどん速くなっていく。


「なんか休みの日に集まるとか新鮮でいいよなぁ?」

「それ私も思った!!なんかいーよね!?」

「う…うん。」


井坂君の言葉にあゆちゃんがテンション高く答えて、私は彼女の勢いに押されて頷いた。

井坂君は横で嬉しそうに笑っているし、その顔を見れただけで胸がキュウっと苦しくなってくる。


「また集まろーぜ?期末テスト終わったら、夏祭りとかあんじゃん?今度はクラスの奴みんな連れてさ!きっと楽しいぜ~?」


赤井君が小学生のように瞳を輝かせていて、あゆちゃんが一番に笑い出した。


「あはははっ!夏休みを楽しみにする子供みたいなんだけど!!」

「いーじゃん!!俺ら、まだ子供なんだからさ!!小波!お前、夏祭り浴衣決定な!!」

「うぇっ!?浴衣っ!?」

「あれには男のロマンが詰まってんだよ。普段はガサツなお前でもお淑やかさがプラスされるぞ?」

「何言ってんのよ!!」


茶化してくる赤井君に向かって、あゆちゃんが食って掛かっている。

あゆちゃんは怒ってるみたいだったけど、表情はどこか嬉しそうで、二人のやり取りを見ていると心がふわっと温かくなった。

好きな人に浴衣着てきてとか言われたら、やっぱり嬉しいよね。

私は仲の良い二人が上手くいけばいいのになぁ~と思った。


「谷地さんは浴衣着る?」

「へっ!?浴衣!?」


急に井坂君から尋ねられて、私は家に浴衣なんてあっただろうかと考えた。

夏祭りなんていつも私服で行ってたからなぁ…


「う~ん…家にあったら、着てもいいかなぁ…。ないような気もするんだけど…。」

「そっか。残念。ちょっと見たかったのに。」


井坂君のものとは思えない言葉に驚いて、私は彼を見つめた。

井坂君は照れているのか鼻をこすると、ちらっと私を見て笑った。

そんな仕草に気持ちが全部持っていかれる。

私は熱くなってくる頬を気にしながらも、なんとか声を出した。


「着る!着るよ!!夏祭り…浴衣着てくる…。だから…、その…。」


私は『一緒に行ってくれる?』という誘い文句が言えなくて、少しずつ俯いた。

絶好のチャンスなのに、何で言えないの!?

私は恥ずかしさで泣きたくなってきた。


「じゃあ、一緒に回れるの楽しみにしとくよ。」

「え…っ…。」


井坂君が平然と『一緒に』と言った言葉に、私は信じられなくて顔を上げて彼を凝視した。

井坂君は私の反応を見てふっと微笑んできた。

その表情から嘘じゃないと分かって、私は思いっきり頷いた。


「わっ…私も!楽しみにしてる!!」


嬉しい…嬉しすぎる!!

高校に入って運、使い果たしてないかな!?

私はニヤける顔を隠そうと両手で顔を覆った。


すると聞き覚えのある曲がテレビから聞こえてきて、瞬間的に顔を上げた。

テレビ画面にはベルリシュのメンバーが映っていて、ライブのプロモーションが流れていた。

私は待ちに待った姿に前進すると、テレビ画面に食いつくように目を向けた。


「おっ!来た!!」


井坂君も私の隣に前進してくると、リモコンでテレビの音量を上げた。


「この人たちがベルリシュのメンバーなんだぁ。テレビでは初めて見たかも。」

「俺もー!曲はCMとかで流れてるから知ってるけど、顔出ししたことないよなぁ?」


「ベルリシュは音楽だけで自分たちを表現したいから、テレビには極力でないようにしてるらしいよ!だから、今日の出演も珍しいんじゃないかな?」


私は意識は画面に向けながら、あまり知らない赤井君とあゆちゃんに説明した。


「へぇ~。谷地さん、よく知ってるね。」

「うん!!私、大ファンだから!!っていうか、ここからおしゃべり禁止で!!」


私はテレビに集中できないので、あゆちゃんたちに釘を刺した。

すると横で井坂君が吹き出して声を殺して笑い始めた。

なんで笑うんだろう…?と思ってちらっと井坂君を見たけど、彼は俯いて口元を手で押さえていて表情が見えなかった。


まぁ…いっか…


私は井坂君を気にするのをやめるとベルリシュのインタビューが気になるので、好きな人そっちのけで画面と睨めっこに戻ったのだった。





***





そしてベルリシュのインタビューとライブ映像の特集も終わって、テレビ画面は違うバンドの紹介に移った。

私はベルリシュのメンバーの姿がなくなった後も、余韻に浸ってぼーっと画面を見つめてため息をついた。

ベースのKEIの言葉がすごく印象的だった。


『俺たちの気持ちが曲にのって届けば、これ以上ないぐらい最高の気分です。』


私はその言葉に届いてるよー!!と心の中で叫んでいた。

やっぱりベルリシュはバンドとして一本筋が通っていて、本当に尊敬する。

ただ勉強して、母の顔色を窺って過ごしている私とは正反対。

好きなことがあるって、すごく憧れる。

私はベルリシュのように好きなことをやって生きていきたいと、彼らのインタビューを通して初めて思った。


まだ好きなことが何かなんて、見つけられてもいないけど…


私は画面から目を離すと、自嘲気味に笑った。

するとそのとき視線を感じて横を向くと、井坂君が何とも言えない嬉しそうな顔でこっちを見ていて驚いた。


「…ど…どうしたの?…私、何か変?」

「いや?…すっげー集中力だなーと思ってさ。一回も画面から目を離さないからさ…。そんなに好きだったんだ?」


井坂君から当たり前の事を聞かれて、私は普通に頷いた。

ベルリシュが好きじゃなかったら、井坂君の家にわざわざ来てないと思うんだけどな…

私は今日のきっかけを思い出して、首を傾げた。


「好きだけど?…アレ?井坂君も好きなんだよね?」

「そりゃ、好きだけど。谷地さんほどじゃないかも。」

「そう…なんだ。」


暗に私が異常だと言われてる気になって、私は少し落ち込んだ。

でも井坂君は笑顔を崩さずに、声を上げて笑ってから言った。


「でも、すっげー意外だったなぁ~。最初はめっちゃ真面目そうだなと思ってた谷地さんが、こんなロックバンド好きとかさ。やっぱ、話してみないと分からないもんだよな。」

「そ…それって…褒められてる…?」


私はバカにされてるのでは…と思って確認のために訊いてみた。

すると井坂君はまた大きく笑い出して、その顔を私に向けた。


「褒めてるに決まってんじゃん!!谷地さんと仲良くなれて嬉しいってことだよ。」


ストレートに言われて、私はグワッと体の体温が上昇した。

顔に熱が集まって真っ赤になる。

こんなに嬉しい言葉をもらって、自分が返さないのは不公平だ。

私は自分の中の勇気を振り絞ると、震える声を押さえて告げた。


「わ…私も…井坂君と仲良くなれて…嬉しい。…これからも、話してくれる?」


井坂君は目を見開いたあと、口を大きく開けて笑うと頷いた。


「おう!もちろん!!」


私はそんな井坂君の満面の笑顔を見れて、胸どころかお腹の辺りまでギュッと締め付けられるようだった。

笑顔一つでこんな気持ちになったことない。

私は目の前の彼に対する気持ちが何倍にも大きくなって、ここにいられる事が泣きたくなるぐらい嬉しかった。




「お~。なんか大盛り上がりしてんじゃん?」


私が井坂君と話せる時間に幸せを感じていると、リビングの入り口に井坂君とそっくりの人が立っていて驚いた。

その人は井坂君を少し大人にした感じで、髪の色が少し茶色がかっていて耳に光るピアスが印象的だった。


「げっ!?何で、帰ってきたんだよ!!」


井坂君が立ち上がるとその人に近寄っていった。

表情は心底嫌そうな顔をしていて、一体誰なんだろうかと思った。


「井坂。その人誰だよ?」


さっきまであゆちゃんと揉めるように騒いでいた赤井君が、入り口を振り返って訊いた。

井坂君は思いっきり大きくため息をつくと、面倒くさそうに口を開いた。


「俺の兄貴。」

「ども!!こいつの兄の陸斗です!!」


お兄さんと聞いて、私は咄嗟に姿勢を正した。

あゆちゃんたちも同じだったようで、お兄さんに向き直って軽く会釈している。

お兄さんは私たちを見ると、井坂君を見てニカッと笑った。


「なんか、お前が家に女の子連れてくるとか初めてじゃねぇ?高校生になったからって、色気づきやがって!」

「うっせ!!どっか行け!!」


井坂君はお兄さんに容赦なく蹴りを入れていて、私は『初めて』という言葉に無性に嬉しくなった。


「ほ~う。で、お前の彼女はどっちなわけ?」

「そんなもんいねーよ!!」

「そんなわけねーだろ?家に連れてくるなんて、よっぽど…。」


兄弟喧嘩が勃発しそうだな…と思っていたら、言葉を切ったお兄さんと目が合った。

お兄さんはなぜか私と目を合わせたままこっちに近付いてくる。

私は何だろうと仰け反ると、お兄さんに両手を掴まれた。


「初めまして!君の名前、教えてくれる?」

「え…?…谷地…詩織です。」

「詩織ちゃんか!!可愛い名前だね!あいつ、君に迷惑かけてない?何かあったら、俺いつでも相談のるからさ。ケー番教えてくれない?」


お兄さんは遠心力のようにケータイを取り出すと、開いて私に突き出してきた。

私はお兄さんの勢いにどう反応すればいいのか分からなくて、混乱した。

笑顔もひきつる。


「こんなとこでまで、ナンパすんじゃねぇよ!!このカス!!」


井坂君が私とお兄さんを引き離すように割り込んでくると、私を守るように井坂君の背中が目の前に迫った。


うわわっ!!


すぐ前に井坂君の首筋が見えて、今にも触れそうな距離間にドキッと心臓が跳ねる。


「可愛い子がいたら、ケー番聞くのは男として当然だろ?まさか、お前…彼女のケー番も知らねぇの?」

「…っ!!」


後ろから見てても分かるほどに井坂君が動揺していた。

私はケー番…と言われて、みんなケータイ持ってるんだと考えていた。

なぜなら私は持っていないからだ。

高校生の分際で持っててもいいものなんだろうか?

私は井坂兄弟のやり取りそっちのけで、考え込んだ。


「ぶっ!!あはははっ!!お前、本当に俺の弟かよ!!どんだけ奥手なんだよ!」

「うっせー!!お前みたいにチャラチャラ部屋に女連れ込む人間よりマシだ!!さっさと自分の巣に帰れよ!!」

「帰らねーよ。そっちの子がダメなら、こっちの子に聞かねーと俺の気が済まねぇ。」


お兄さんは今度はあゆちゃんに目を向けて、あゆちゃんがその行動に赤井君の後ろに隠れた。

さすがに赤井君も男なので、あゆちゃんを背に守るようにお兄さんをじっと見つめた。

それを見てお兄さんは諦めたように息を吐くと、ケータイをズボンにしまった。


「しゃーねー。今回はナイトに免じて諦めるか。精々青春しろよ?若者たち?」

「早く消えろ!!ハゲ!!」


お兄さんは器用にウィンクをしてから、井坂君と同じ笑顔を浮かべてリビングを出ていった。

階段を上がる音を聞きながら、私は井坂君の首筋に視線を落としてホクロがあるのに気付いた。


井坂君の襟足にホクロがあるなんて、どれだけの人が知ってるんだろうか?


私は新しい井坂君を発見して顔が綻ぶ。


すると井坂君が私に振り返ると、顔をしかめた後頭を下げた。


「兄貴が悪い!不快な思いさせたよな。」

「ううん!!私は大丈夫。何だか変わったお兄さんだね。」


私は不快というよりも井坂君に近付けた気がして、逆に嬉しかった。


「ホント!井坂と全然タイプ違うよね~。」

「お前、あの兄貴がいるから今まで家に入れてくれなかったんだな~?」


赤井君が不服そうに井坂君を押して茶化した。

井坂君はあまり気にもしてない私たちを見て、やっと表情を緩めた。


「あいつ…いつも女連れて歩いてて…。俺、それが昔から死ぬほど嫌いだったんだよ。だから、みんなには会わせないように外に追い出したんだけど…。何で帰ってきたんだか…。」


井坂君は相当疲れたようで大きくため息をついた。


「まぁまぁ、面白い兄貴じゃん?お前に兄弟がいるってのは初耳だっただけに新鮮だったよ。」

「そうそう。あんまり気にしないでいいよ。誰にだって家族はいるわけだし。」


落ち込んでいる井坂君を励ますように、あゆちゃんと赤井君が明るく言って、井坂君はふっと口元だけ笑みを浮かべた。

私はさっきのような井坂君の笑顔に戻ってほしかったので、何か良い言葉はないかと頭の中で模索した。


「そろそろお開きにするか。途中まで送るよ。」


井坂君が立ち上がろうとするのを見て、私は彼の腕を掴んで止めた。

井坂君が驚いて私を見る。

私は上手い言葉は浮かばなかったので、さっきのベルリシュのメンバーの言葉を借りる事にした。


「『楽しい事もメンバーと共有してきたから、今が一番楽しいんだと思います。』」


私はあゆちゃんと赤井君に目を向けてから、井坂君に目を戻すと言いたかった事を口にした。


「今日、すごく楽しかったよ。きっと、みんなが一緒じゃなかったらこんな気持ちにならなかった。誘ってくれて、本当にありがとう。」


私の行動に驚いていた井坂君だったけど、しばらくすると眉を寄せて苦笑した。

その笑顔に少しだけホッとした。

すると背後から背を叩かれて驚いて、振り返った。


「詩織!そんなに楽しかったなら、また一緒にあそぼーね!!」

「谷地さんからそんな言葉聞けるなんてなぁ~。俺、驚いたよ!!さっきの兄さんの言葉じゃねーけど、青春っぽかった!!」


青春と聞いて、そんなに恥ずかしい事を言ったつもりはなかっただけに、手に変な汗をかいてきた。

そのときに自分が井坂君の腕を握ってることに気づいて、慌てて手を離した。


「ごっ、ごめん!!」


咄嗟の事とはいえ、大胆な事をしてしまった。

私は触れた所が痺れるようで、顔に熱が集まる。


「っぶ!!あははははっ!谷地さんって…あははっ!!…参るなぁ~…。」


井坂君がさっきみたいに声を上げて笑い出して、私は赤面しながら彼の顔を窺った。

井坂君は顔をクシャっとさせながら、口を大きく開けて笑っていた。


それが彼の本来の笑顔だと感じて、私は自分のした事で笑顔になったと嬉しくなったのだった。








少し距離が縮まりました…か…?

初登場の兄の陸斗を今後もよろしくお願いいたします。

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