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世界を〇〇する話。  作者: 綾瀬咲祐
Ⅰ シアワセアジトによるシアワセアジトのための闇鍋大会っ!
2/21

1 此処に出会う少年少女達。

風が強い。

僕は目を細めると、周りを見回した。

空は気味が悪い程真っ青だ。

“水色”じゃなく、“青”だ。

そういえば、昔は空は水色しかないと思っていたな、あ、でも今だってまだ15か、なんて苦笑をしてみる。

そんな、馬鹿なことを考えている間に、僕はある程度気持ちを落ち着かせる。

「父さん、母さん...百合。.......ごめん。」

僕は、誰もいない空に向かって小さく呟く。

たん、と。

地面を蹴る。

ふわっ、と痛いくらいに冷たい風に包まれる。刺すような痛みが、今はすごく心地よい。なんでだろう。こんな思い切った決断をしたというのに、僕はすっきりしていた。

大丈夫。僕は...。

世界を変えたい。そう思った僕が居た。

世界を、世界を.......。出来る事なら、変えたかった。

「.......変えたい...叶えたい...か...」

風につつまれながら、何というわけでもないが、ある日の少女を思い出す。

「__________じゃあ、またね」

あの少女は、一体なんだったんだろう。...あの少女は、なにを考えているのだろう。


★☆★

目を覚ますと、そこは木の天井だった。

「......ん?此処は...?」

「お、目覚めたか新人。」

そこには、着崩した着物を着た、黒髪の女の人がいた。

目つきがとても悪く、なんか怖い。しかもすごくタバコ臭い...。

「ごほっ、ごほっ」

「イトちゃん、駄目だよ病人の前でタバコとか」

「あー、すまんな猫巫女。」

「全くー。...大丈夫?キミ?」

覗き込んできた少女は...なんか、すごく顔が上の位置にある。

...背、高すぎだろ。

ぱっと見、多分4メートルくらいある。

猫耳のような髪飾り、そこについた大きな鈴。

服装は...巫女服。こんなのコスプレとしても一級品だろう、素材といい、デザインといい、すごく本格的だ。

...いや、別に僕が詳しいとか、オタクとかそういうわけではないからね?

見た目は背が高すぎる事以外は、体つきも華奢で童顔ぺったんこ。...ぱっと見、10歳くらいに見えるな。

「ウチは、社 弥郷(やしろ みさと)!ぴっちぴっちの14だよ!よろしくねー。」

こんなに身長高いのに、14歳?いや、でも童顔だしぺったんこだし...10歳の間違いだろうか。

「ふむ。あたしは、栖紀原 伊都(すぎはら いと)だ。此処の武器屋を一人で経営している。イトさんとでも呼んでくれれば良い。」

イトさんとなのる女の人は、若干小柄なものの...子供ではなさそうだ。彼女は何歳なんだろう。

「...はあ。僕は、草薙 隼人(くさなぎ はやと)です。...よろしく...?」

なんだ、色々とついていけないのだが。

えっと、これはどういうことだ?

「だよねー。状況把握とか出来る筈無いよね、普通。」

苦笑する弥郷。イトさんは、何やら説明をしてくる。

「んー、とな、...めんどいなー...えっと?此処は、お前ら、世界を不満を持ちながら死んで行った子供達が集まる。それでー」


えっと、文章長かったんで、省略すると。

・此処は、異世界らしい。世界の“創造者”が暇つぶしに建築した場所だと。

・アジトに所属し、そこで生活をするらしい。

・また、強制ではないもののしっかりと学校があるらしく、そこではなんと、戦闘技術等も学べるらしい。

・強いものの世界への願いを、創造者は気まぐれに聞いてくれるという。

不思議とショックや、動揺はなかった。もしかしたら異世界というものが嫌いではないのかもしれない。そんなことを思いつつ、弥郷に第一感想を伝えてみる。

「アジト...ねぇー...。意味が正直分からないんだけど」

「まぁまぁ、やってるうちに分かると思うよ?あとさっ、ねえ、よければウチのアジトに入らない?マスター格好いい15位の天才児だよっ!」

「ふーん...それがどれくらい凄いのかは分からないけど...?」

「凄いんだよっ!だって5000人中15位だよ!?」

「ふーん...。まあ、よく分からないし、入ろうかな...」

気まぐれに決めたアジトが、どんな場所なのか分からないが。

とりあえず、こんな子がいるんだし...悪い場所ではない、筈。

「うん、じゃっ、行こう!」

あれだけのことをしたというのに、身体はわりと怪我などしていなかった。むしろ前よりも動きやすい気がする。もしかしたらこれが、この世界の特徴なのかもしれない。弥郷はカタカタ、とおぼろげな足取りで、よろよろと動き回る。

「んーっ、はっ、はっ!」

「.......猫巫女...そろそろ見栄はるのもやめたらどうだ?...そんなことやってると転...」


ドガシャーーーーーーンッ


「痛たぁ...はぁぅー...。」

下駄が脱げる。

すると、身長が4メートルから140センチくらいに減少していた。

「...弥郷...。」

なんかそれっぽかった。

普通にロリの猫巫女だったらしい。

「はっ!?」

恥ずかしそうに顔を赤らめる弥郷。

そしてやれやれ...といわんばかりに肩をすくめるイトさん。

「......なんてんだろ.......。」

小さく呟くと、少し微笑む。

「なんか、楽しそうだな...」

なんということもなく、つい出てしまった言葉だが。わりと真実を言っているような気がした。これからさらに楽しくなる予感に、正直とてもわくわくしている。

「?どした?ハヤト。」

言葉が聞こえなかったのか、訝しげに眉をひそめ、小首を傾げる弥郷。

そのちびっ子少女の頭にぽん、と手をのせると、意地悪げに笑ってみせる。

「なんでもねーよー。.......ほら、早く案内してよ、ロリ弥郷。」

「むっきゃぁぁぁーっ!ロリじゃないもんっ!小さいのは気のせいなんだよっ!」

ぷくっ、と馬鹿正直に頬を膨らませる弥郷に、僕はからかいつつアジトへと向かった。



「此処が、ウチのアジト、シアワセアジトだよっ!」

大きな屋敷に案内される。絶対面積持て余しているだろうってくらいに、とても、広い。また、なにか分からないオブジェとかが置かれ、その辺には綺麗な花が乱れ咲く。

「おぉ...広いな。」

僕が感心したようにつぶやくと、弥郷は自分の事のように誇らしげに胸を張る。

「ますたーは格好いいからねっ!みんな優しい人だよっ!メンバーも!」

その言葉は、本気でそのマスターとか言う人を好いて、尊敬しているようだった。

彼女は慣れた仕草で扉をがたっ、と開ける。そこに広がっていた光景は...


広いエントランス。外以上にいろいろな物が乱雑に置かれている。

そんな部屋には、数人の少年少女。

その中の一人が僕に踏みよる。

「お帰りなさい、弥郷。ん?貴方は...新入りさん?」

一人の少年の不思議そうな表情。

「ああ、新入りで、ハヤト...草薙隼人っていうの!仲良くしてあげてねーっ!」

「そっか、よろしく...隼人君。僕は海凪 空(みなぎ そら)...。今...(こう)は出かけてる...新しい思いつきをしたらしい...」

空と名乗る少年は、白髪の癖っけ、そして血のような真っ赤な目。そして真っ白な肌。何か神秘的な感じがする。

「全く...マスター次はなにしてオレらを振り回すつもりだろうなー...あ、オレは風吹 翔琉(ふうぶき かける)。」

弥郷と同じように、小さな少年が、やれやれ、といった様子で苦笑しながら踏みよって来た。その少年は、マリン服を着、右足の義足。弥郷と同じように低身長で、童顔。わりと可愛い少年だ。

「今紅にメール打ったら返って来たわよ。」

優しそうな茶髪の年上であろう少女がニコニコと携帯?のようなものを見せて来る。


“新人さんかい?いらっしゃい、隼人クン。ボクの経営するアジト、シアワセアジトへようこそ。イトちゃんと会ったんだって?良いヤツでしょ、彼女に武器を調達してもらいなよ。アジトの皆はいい人ばっかりだから、まあ楽しんで行ってね。多分もうすぐ帰るよ。それまで待っててねっ!”

ほぉ、彼がマスターか...いい人そうで良かった。他のメンバーもわりと明るいし、和気あいあいとした雰囲気を感じる。その携帯を読みながら、くすっ、とそのお姉さんは笑うと、僕に手を差し伸べる。

「ふふ、私は小田桐 虹晴(おだぎり ななせ)。マスターの紅はめちゃくちゃだから、私や空君に質問とかあったら聞いてくれると良いわ。」

おどおどと手に取ると、すべすべとした柔らかい感触。とても気持ちよく、ついぎゅっと握りしめてしまった。すると、虹晴さんは柔らかく微笑み、他の子とも話してみるといいわ、と言った。

その言葉とともに急に他の大勢の面々が話し出す。圧倒されつつも僕の前で楽しそうに喋る個性的な面々に応じる。

「私は真神 歌雨(まがみ うたう)です。好きな人は...その...双飛...君です」

「あ、よろしくお願いしますー。」

僕は個性的なメンツと苦笑しつつ挨拶を交わして行く。その場にいない人達をふくめ、かなりの人数がいるようだ。

「沢山のアジトがあるけど.......ランキングは高い...ほう...。」

「此処には入る事を希望する人も多いんだっ!だから、隼人みたいな紹介された人以外は、皆試験を受けてサークルに参加するかを決めるんだーっ!」

「結構似た者同士が集まることが多いわよー。」

空さんや、弥郷の言葉に僕は少し感心する。僕はそんな場所に“たまたま”特別扱いで許可されたんだ。そして、虹晴さんの言葉には...

「ってことは...」

僕は個性的(悪く言えばカオス)なメンツと似た者同士ってことか?

「...失礼なッ」

「え、え、え?」

驚いたような弥郷に、反論しようとすると、一人の眠そうな欠伸まじりの、しかし凛とした少女が声を上げる。

「ふぁーっ......さっきからわぁわぁ五月蝿い...んん?...何方様ですか...?」

茶髪まじりの黒髪サイドテールは柔らかそうで、比較的小柄で可愛らしい。なのにどこか恐怖を感じさせる鋭い瞳が強気に見える大人びた少女。機嫌悪そうに彼女は睨んで来る。

「あ、えと...」

「彼女は、神谷 柚子(みたに ゆず)。この新入り君は、草薙隼人君よ。柚子、仲良くしてあげてね?」

「よ、よろし...」

「...はぁ?この弱々しい男と?信じらんない。」

虹晴さんの紹介に、はっ、と鼻で笑う柚子。

...弱々しいかな...僕...。これでもスポーツとかは得意な方だったのにな...。

「柚子っ!隼人は弱々しくなんかないしっ!そういう言葉を隼人に言わないでよ!」

何故か柚子ちゃんに強く反論を示す弥郷。真っ赤になって、自分が馬鹿にされたように怒っている。

「...む。」

翔琉が何やら不満そうに怒る弥郷の顔を見て、そして僕を見て、そしてぷいっと顔を背けた。何故?まあそれより、少女二人の不仲のことだが。

「...あの二人、犬猿の仲なんだ...。」

空さんの言葉に、成る程と頷く。あの二人の属性からしても、相容れない存在なのだろう。だが...いや、むしろ彼女とは似ているんでは...?少し思い返す。あの貧乳二人は...

「なにか失礼なこと言っていないかしら?」

どうやら僕は思っている事が顔に出やすいらしい。すみませんでした。とりあえず僕は弥郷と柚子をなだめる。

「はあ...めんど...別に怒ってなんかいないし...」

「だってアイツムカつくんだよっ!ウチもう我慢ならないっ!」

「ふわぁ...何?五月蝿い。話しかけないでくれる?耳が腐るわ。」

むきゃーっ、と猫のように髪を逆立てて戦闘モードの弥郷に、さっきから全く変わらない退屈げな柚子。そして見なかった事にしておしゃべりに励む他メンバー。

「...あはは...どうしよっか...」

「やっほーーぅっ!遅れてごめんよっ!少年少女達っ!」

そのぎすぎすした雰囲気をぶちこわすようにドアを蹴破るように入って来たその少女に、僕は目を見張った。

真っ黒な黒髪。艶のある長いストレートの髪をポニーテールにまとめるその少女。

豊満な胸に、健康的な肌。華奢じゃないが、太くない、そんなバランスの整った見た目。活発な輝きを灯す、楽しそうな瞳。

楽しそうな笑顔で、その少女はずかずか入り込...

「あ、紅じゃない。」

「...紅?あれ、彼は男」

「男...?何言ってるの?紅は正真正銘の女の子...だよ...」

空さんの不思議そうな表情に僕は驚いたように声をあげる。

そんな馬鹿なっ!?

「なにやってんのーっ?弥郷っ!」

「ま、ますたーっ!」

「喧嘩なんて面倒な事してないでさっ、新しいイベント考えたからっ、一緒にやろう?」

「え、あ、うん...。」

あっという間に収まる弥郷。柚子は小さく溜め息をつき、ソファに腰を下ろした。

がらっと空気を変えた少女、マスターの登場に、僕はあっけにとられていた。

キャラクター紹介。ちなみにオリジナルはまきのキャラクター、小説オリジナルは小説のみに出て来るまきのキャラクターです。


草薙隼人(16歳。たしかだけど。)男の子。《小説オリジナル》

不憫、としか言えない。男は不憫しか出来ませんぜ?そしてなんか格好いい、らしい。幼馴染みが一人。いじめられた地獄から逃げて来たとかなんとか。なんだかんだでお人好し。ちなみに王道っぽく鈍感。


社弥郷(15歳)女の子。《小説オリジナル》

猫耳をつけた巫女服を着たロリ。身長132センチ程度。小さいのがコンプレックスであり、高いはかまをはいて高くみせることがある。明るく元気で優しい。若干ドジ。翔琉にはお姉さんぶっているものの、日々翔琉のクールで生意気な態度に落ち込む。類も見ぬ猫好きにて乙女。何故か隼人に片思い。可愛い白猫の使い魔をもつ。猫の名は「サト」らしい。(手抜き感満載☆)弥郷の能力で擬人化することが出来る。人になったサトは、銀髪のミニ弥郷。身長100センチ程度の大きさ。話す事は出来ないが、「みー。」という鳴き声の調子で感情がわかる。サトは人の10倍程度の腕力を持ち、身長の3倍程ある大きなつるぎをふりまわす。けれど、その能力は体力をつかうため長く使いすぎると疲弊し過ぎて倒れてしまう。


藤咲紅(16歳)女の子。《オリジナル》

此処へやってきて、まだ一年も立たないうちに、15位にまで上り詰めた天才児。ちなみに、現在無能力トップに至るらしい。シアワセアジトマスター。自由気まま、気まぐれ、気分屋と3拍子そろった落ち着きの無い天邪鬼な少女。つまらないことが大嫌い。明るく元気で、一人称が「ボク」でボーイッシュ。無駄に元気すぎるほど元気なので、よく辟易されることが多い。サバサバとした性格。素直で、相手を傷つけるような事も普通に堂々と言う。全てを無計画に行っていそうで、誰よりも本当は策略家。だが芯の弱いところもあり、実は誰よりも仲間思いなところもある。そして、心優しすぎる。涙もろい。可愛い物が大好き。バトル要素等熱い展開は大分好みらしいが、それと同じくらい少女漫画のドキドキ展開等も好き、というのは密かな秘密。大分ツンデレ要素があるらしく。何か家の事情にも裏があるとかないとか。


海凪空(15歳)男の子。《五月様のキャラクター》

紅、虹晴の幼馴染み。大人しい性格、笑顔以外の表情は人と同じだが笑顔は長い付き合いや心を開いた人にしか見せない。大分大人びているしっかり者。影でのマスターと呼ばれる程の大黒柱でもある。誰かが傷つくのが嫌いで仲間が怪我をしたら大げさなまでに心配する。知っている人以外の女性と話すのが苦手で1:1の時は目を合わせない。紅が好き。多分無自覚。闇を操る事が出来るらしい。


小田桐虹晴 (17歳)女の子。《小説オリジナル》

沸点の高い優しいお姉さん。おっとりとしたおひとよしだが、怒ると性格が変わる。怒った虹晴をとめるのは、紅だけだが、普段暴走する紅をなだめるのも虹晴の役目。しっかり者で頼られる。でも若干抜けているところがあったりなかったり。天候を操る事が出来る。ただし、夜など暗いところや、室内では使用出来ない。先端がとがったパラソルを武器代わりに使ったり。宝物のようだ。


風吹翔琉(14歳)男の子。《小説オリジナル》

身長が平均より低めの少年。大人への憧れが強いのか、大人ぶってタバコを吸ったりもしたのだが、思いのほかマズかったため、今は格好をつけるときにたばこシガレットをくわえるだけにしている。密かに弥郷を想うが素直になれない。弥郷に対しては生意気でクール。隼人に対してはヤキモチをやいたり。気持ちがバレてないと想っているらしいが実際には、弥郷と隼人以外は気付いているようだ。


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