6 唐突の
「零、そう膨れるなって。」
「むぅー」
零は若干むくれた様子。オレが紅を前に一瞬ドキドキしたのがばれたようで。そりゃ、だって、ほら、ライバルだと思うし、あと…気になってはいるし。だが、対シアワセ戦では大切なメンツ…というか、そういうことなく大切な相手なので、宥める。が、零は変わらずむくれっぱなしだ。面倒なところもあるがそんな様子は下手な女子よりも可愛い。
兎に角どうしたものかと考え込むが零はにいっと笑った。
「嘘だよー!マスターを応援してるからに〜♪」
「零」
ぽん、と頭に手を置く。本当にオレは、恵まれたメンバーを持っている。
飴をポケットから出す。嬉しそうにこっちを見る零。可愛い。子犬みたいだ。尻尾をぱたぱたふっている気がする。
飴の包み紙を開く。零の目が輝く。オレンジ色の飴玉がむき出しになった。
「はい、あーん」
零の口元に運ぶと零も楽しそうに受け入れる。別に普段からここまでではないと思うし、昔は男同士でなにやってんだよオレ的な感じで悩んだりもしたが、なんか今は振り切った。数あるメンバーの中で一番癒されるのも零だし、好きなのも零だと確信している。
けど。
紅を思い出す。昔殺してしまったあの子。
明るくて優しくて強いオレのライバル。
俺はまだわからない。どちらが本当の恋なのか。結論付けないまま、今に続いている。
「あのさぁ〜、なんか楽しそうなとこ悪いんだけど」
そういって割り込む少女の声。凛とした声はいつも知っている明るい声ともまた違った響きに聞こえた。
「...にゃあ」
零の小さな声でようやくふりむいた。いや、ふりむけたっていった方がいいのかもしれない。
「.........ボクの仲間との時間を傷つけたのなら、ボクだって同じ事をしても心は痛まない筈、だよねっ?」
にこりと歪に笑う紅の姿はそれはそれは綺麗だった。
______じゃなくて。
「ああ...ごめんねー?」
オレは謝る。決して、彼女の時間を傷つけた事ではない。これから、オレが攻撃を仕掛ける事。近くに少年がいる。あの新入りの少年クン。彼に鎌を振りかぶる。
「ハヤトッ!!危ないッ」
ちっ。弥郷チャンの杖に防がれる。彼女はかなりの古株だからこそ、既に何度か戦っている。彼女はそんなに強い人間ではないと思っていたが...違ったかもしれない。反応速度は、誰より早かった。
「...あら、...マスターさん、それは約束と違っているわよ?」
涼しげな声がオレに声をかけた。その声にぴくっと新入りクンが反応する。目を見開いて、口をだらしなく開けている。やだねェ...全く。
「隼人。此処に来て随分と楽しそうね?...なぁに、そんなあり得ないものを見るような目で。私のこと忘れたかしら?」
「.........百、合............?」
クスクスと笑い声を漏らすが、百合チャンの目は全くもって笑っていない。ぽかんと見上げる彼の無防備な頬を優しく撫でると、また、びくん、と身体が震えた。
「........なに、ハヤト...知り合い?」
弥郷チャンが怯えるとはまた違った、異物を見るような瞳で百合チャンを見ている。...面白いねェ、本当面白い。
「どーも、弥郷さん?私は隼人の幼馴染みであり最愛の恋人である、黒城百合です。どうぞよろしく?」
「...こんにちは、ウチは社弥郷です。草薙隼人くんとは..........」
そこで言葉を止める。そして、むすっとした表情を和らげ、ニコリと微笑む彼女。
「仲良く...彼女として過ごさせてもらってます!」
...は?
「え、ちょっとまって両方なんか違う。」
新入り君はわりと冷静なツッコミ。けど自称彼女二人は両者笑顔のままでバチバチと火花を散らしている。
「っていうか!今バトルだからねぇ?」
再開をする。お互い武器を手に握り、険悪な雰囲気を...
ピーンポーンパーンポーン♪
場違いな雰囲気のそれは、軽快になった。
玖生雅一人称書きにくい。チャンとか使いにくい!




