章末 おまけまとめ
【微笑ましいやりとり】
「…でねー、虹晴。」
「ええ…」
特になにもない日。
窓際に座り、話している二人の少女。
シアワセアジトの二人は、なにかを楽しそうにおしゃべりしていた。
「今度ボクが、虹晴にも食べさせてあげるよー!」
「うふふ、気持ちだけうけとっておくわ。」
「む、まだボクが料理下手だとでも思っているのかなっ?」
その様子をみながら、ふっ、と微笑む。
いつもの元気な紅だが、今日は友達とくつろぐ、ただの少女で。
マスターとして気張っているわけでもない、その姿に、癒される。
「じゃあ、空に食べさせてあげたらどうかしら。」
「そうだねっ」
「…はあ」
さあ、僕も会話に参加しようか。
僕も、命は惜しい。
少女たちの方へ、僕もあゆみを進めた。
【空の日記 紅(5歳)、空(5歳)、虹晴(7歳)】
◯月×日。
「ちゅどーんっ!ふぁいなるふらーっしゅ!」
紅ちゃんは大きな声で言うと、オーバーに動きました。様子をうかがってくるので、少し考えたあと、倒れたふりをしてみます。
「わー...やられたー」
若干棒読み口調な僕に紅ちゃんは、「ちっちっちっち」と楽しそうにわりこんできます。
「ぜんぜんだめだねー。分かってないねぇ...。空。いい?紅がいったら、空は“ぼうぎょ”して、“はんげき”するんだよ!」
「え...?」
よくわからないけど、どうやら紅ちゃんはもっと戦いたいようです。
「もーいっかい!ふぁいなるすとれーとふらっしゅ!びびびーっ!!」
「あ、あまいなっ!けっかい!そしてじぇっとすぴんっ!」
ふぁいなるってたしか最後じゃないかなぁ。それを最初からやるなんて到底無理な話だと思うんだけどなぁ...。僕はそう思ったんだけど、言わない事にしました。紅ちゃんのことだから、きっと「いいんだよ!」って機嫌をそこねちゃうだろうからです。
「ふっふっふっふぅー!じょーおうのいあつっ!このわざをだしたじてんで紅のかちっ!わーい!」
「え、そうなの...?」
いつものことだけど、毎回毎回紅ちゃんは聞いた事のないわざをだすなぁ。こういうの、“ちーとわざ”っていうんじゃなかったっけ。そう思ったけど、僕はなにもいわないでいます。紅ちゃんは、満足げににこにこと笑っています。
「......やれやれ」
既に口癖になっちゃった言葉を僕は呟きます。紅ちゃんは“ばとるごっこ”を終えると、次はなにをしよう、といってきます。
「...そうだね...じゃあ、「おうちごっこしよう!」
いつものようにさえぎられます。だったら僕に聞いて欲しくなかったんだけど、僕はなにもいいません。なんでかというと、今さらのことだからです。
「...うん。」
紅ちゃんは、いつもこんなかんじです。いつも元気に、まいぺーすに、僕や一足早く“小学校”に入った虹晴ちゃんをふりまわします。よく、僕達は紅ちゃんの暴走を止める為に、走り回っています。なので、とても疲れます。けど。
「よぉっしっ!紅はおかーさん役で!」
「じゃあ僕はおと「犬のポチ!」
「え。」
紅ちゃんの無邪気な笑顔は、やっぱり大好きです。
僕は紅ちゃんよりも年下だけど、それでも、これからも、ずっと守っていきたいな。と思っています。
【タイムカプセル 紅(7歳)、空(6歳)、虹晴(8歳)】
4がつ18にち てん気、はれ
今日は、コウと、空と、ななせといっしょに、タイムカプセルをうめました。
なんでかというとっ、空が今年、小学1年生になるからです。
コウが用意したのはなんとっ、シュークリームです!
高くておいしいものなので、フンパツしちゃいました!
すごいでしょっ、えっへん。
「...紅。あのね、生ものは入れちゃ駄目なんだよ?」
「空〜、ちっ、ちっ、ちっ、こだわりがないのかねー、空君はぁー!それだからうらで万年バカといわれるんだよーっ!」
「...え!?」
「...紅にだけは言われたくないセリフだね...」
なんかななせが、ヒドいこと言っているけど、オトナなので、ムシをしてあげます。
「...とにかく、他のものとってこようか?」
「...そーね、紅、いっしょに入れるもの探して来ましょ?」
「うー、わかった!」
とりあえず、シュークリームはいえに持ってかえって、ほかのものをさがす事にしました。
「...あ、空ぁーっ!」
「ん?どうした...?」
「見て見てっ、このマフラーっ!まっかのマフラーっ!かわいいでしょっ?」
「...うんかわいいね。きせつ外れだけど。」
コウはこの前おかーさんに作ってもらったマフラーを見せびらかしてみます。
きせつがちがうからつけちゃいけないらしいです。
「...空にもいずれ、あんであげるねっ!」
「...ありがとう。」
いずれ、コウは空につくってあげようと思います。空も、うれしそうなので、よかったです。
けっきょく、コウは未来のコウに向けてのおてがみと...空の写真を少し空にナイショで入れようと思います。
「よし、じゃあ入れおわったし...家に帰りましょうか。」
「「はーいっ」」
ななせは、お気に入りのクレヨンと、おてがみを入れるようです。
空も、なにをいれたの?と聞いたら、コウとおんなじ、だそうです。
おなかがすいちゃった。早く、おうちにかえって、ななせと...空といっしょに、シュークリームを食べたいです。
【謎の会話】
とぅるるるるる…とぅるるるる、とぅるるr
「もしもし…」
「あ、もしもし、みぃちゃん?」
「あ、オマエか…」
「携帯なのに誰からかかってきたかわかってないなんて、相変わらずだねぇ~みぃちゃん。」
「煩いなァ…どうした?」
「あ、そっかぁ~。機械音痴のことを言うために電話かけたわけじゃないもんねぇ~。」
「ぶっ殺してやろうか」
「うふふぅー、なんだかんだでわたしは殺せないじゃないぃ~?」
ぷつっ、つー、つー、つー
とぅるるるる、とぅるるるるるるるる…とぅるるるるるるるr
「…」
「ごめんねぇ、みぃちゃん~」
「……」
「ごめんねごめんねぇー」
「……要件をさっさといえ」
「はぁい!最近実験の調子はどーぉ?」
「まあまあだなァ。犯罪者共も相変わらずだ…」
「ふぅんー。私もねぇ、最近ねぇ、会話がマンネリ気味なのよぉー。わたしの大好きないっちゃんも最近命令聞いてくれないしねぇー。」
「それで?」
「イベントを開催したいからぁ、みぃちゃんにも手伝ってほしいなぁって思うんだぁー。」
「んー」
「ほらぁ、こんな可愛い幼女に頼まれたら、誰もノーとはいえないじゃない~?」
「やっぱり決着をいずれつけなくてはだなァ?」
「ふふふー、可愛さで勝てる子なんてなかなかいないよぉー、あ、でもぉ、負けたらわたしをささげてあげるよぉ?」
「しね…まあいい。それで?そっちの世界へいけと?」
「うん~、いーい?」
「仕方ない…オマエにはいろいろ借りもあるしなァ…受け入れよう」
「やったぁ!じゃあお願いねぇー、皆暴れるかもだけど、なんとかしてあげてねぇ」
「大変だなぁ…?世界の創造者様も」
「まぁねぇ…」
「積もる話もあるだろうから、ひと段落したら話そうか…じゃァな」
「うん、ばいばぁい!」
【間幕の間】
「ねえ...どうやったら会えるの...?」
そうつぶやきながら、眠りについた。
*
「...ねーさま、ねーさま」
目を覚ますと、いつもの暗い暗い、部屋。
そこにいたのは小さな幼女。
「...夢かしら...」
緑色の髪が、ふわっとゆれる。
「...おはよーございます、ねーさま。よだれでてましたよ。」
「ほぇっ!?」
いつもとは違って、何故か幸せな夢をみた。
隼人が死んで以来、一度も見てなかった、幸せな夢。
「...ねーさま、今日は幸せな夢を見れてよかったですね。」
「...なんでそれを...ああ」
そっか、夢だもん、なんでもありよね。
納得すると、それで...?と聞いた。
「いい方法を教えて上げましょう。隼にーさまに会える、そんないい方法。」
「...?」
「それはですね、ねーさま.........」
こそこそっと話した言葉は、ありえない非現実的な、でも、合理的な事。
何故か、安心出来る、そんなささやき。
「ねーさま、急がなきゃですよ。じゃないと...」
「......」
「他のねーさまに、とられちゃいますよ?」
くすっと微笑むと、私の意識は再びふっと途切れた。
次、目覚めた時、その少女の姿はなく、かわりに。
*
「......嗚呼」
ようやく落ち着いたのだろうか、少女はもぐっていた顔をようやく、上げる。
そして、泣いている間に思いついたのだろうか、少女は少し笑みをみせた。
彼がいなくなってからは見せた事のなかった、幸せそうな微笑み。
「ふふ、ふふふふふふふふふふふふふふ」




