第6話&第7話
第6話
晩ご飯。
父上いわく、
「エリザベトのために、猟に行き、鹿を撃ち殺して来た」
うーん。そんなことは言わなくて良し。
聞かなかったことにして、パクつく。
正直、微妙。
でも、ワイン。
愛しのワイン、
おいしい。
ほろ酔い気分。
ベッドに入る。
(そうか。そういうことか。
夢の中で眠る。
そうして夢の中で目が覚めれば、現実でも夢から覚める。
アホウな私が思い付きそうなオチ。
第7話
朝、今度は声と共に目覚める。
「お嬢様。お嬢様」
そう。私は夢から覚めなかった。
今日で2日目。
少しばかり嫌な予感がする。
でも、そんなこと、あり得ない。
アラフォーにもなって、小説やマンガの読み過ぎ!
とはいえ、もしそうならと想い、情報収集を図ることにする。
万が一ということもあるから。
いや、ないって。
実のところは暇つぶしである。
だって本当にすることがないんだもの。
乙女ゲームの貴族のお嬢様って、実際なってみると、退屈なのね。
いやいや、そんなはずはない。
私の夢の中ではと急ぎ修正する。
まず、これが乙女ゲームのどの段階にあるのか?
それを把握する必要があった。
昨日のエリザベトの父上はデレデレするだけで、何の参考になる情報ももたらさなかった。
案外、エリザベトの父上への態度は正しいのかとも想う。
とはいえ、実際の私はもう40。
この父上の方が、年が近いのである。
もし私に若い息子がおったなら、やはりデレデレするであろう。
(気持ちは分かるぞ。親父どの)
という奴である。
そこで私は同年配の男女として、普通に父上の相手をする。
良好な父上と娘の仲。
とすれば、必要な情報は得られるはずと期待する。
納得。納得)




