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第4話

 あるとき、それに気付いた。召使いさんが髪をくしけずってくれる鏡台の上にいつのまにかあった。元々あったのか、それとも・・・・・・そこは正直分からない。何せ、この部屋にあるものの中のほとんどは、エリザベトが持ち込んだものなのだから。


 手のひらに収まる小さな人形。子供を模したものであり、頭には斜めに傾けて山羊のドクロが――しっかり角が付いておった――ちょこんとかわいく()せてある。体にはしっぽ付きの着ぐるみ――手の凝ったことに、そのしっぽの先は矢印というか(いかり)というか、そんな造りとなっておる。


 顔は少女のような少年のような、というより、小さすぎて良く分からないというのが正直なところ。「虫眼鏡、虫眼鏡はどこ」となりそうなものだけど、でも、その必要はなかった。


 そう、見覚えがあったのだ。無論、乙女ゲームの中のことであった。ただメインストーリーではなく、ミニ・ゲームである。


 このミニ・ゲームはあるステージで解放される。確か攻略対象である王太子が会話してくれるようになった後だ。次は2人きりの密会に持って行くことになる。


 そして、ここでは、ゲームに出て来るキャラを使って簡単なバトルが行われる。そして、この子供はエリザベトだった。悪魔っ子エリザベトという訳である。闇属性の魔法を使うキャラで、典型的なやられ役であった。私もボコスカやっつけて、プレゼント品を稼いでいた。それを王太子にあげると、その好感度が上がり、攻略が容易になる。


 ただ、プレイヤー側がエリザベトを選ぶこともできた。その際は、自分で魔法の属性を選択できる。火・土・水そして闇・光。時というのもあったかな。確か、そんな感じ。正直良く覚えていない。わざわざ、エリザベトを選ぶなんて気が知れないと想っていたし、実際、選んだことは無かった。


 当時の浅はかな私が恥ずかしい。


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