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第7話

 王太子の親友たちを招く予定の離れ。


 小さな一棟(ひとむね)だけの木造の建物であり、庭園内の少し小高い丘の上にある。要は小屋ね。全周を森に囲まれている訳ではないが、ところどころには木々が茂る。


 小屋の中の家具の配置などは、すべてお二人が行った。私は父上と共にそれを見せてもらった。晴れた、とてもすがすがしい日であり、季節はすっかり秋めき、木々も紅葉しておった。


 建物は東西に長く、南北に短い。

 

 父上、いわく、夏には涼しい風を楽しめるが、秋、つまり今の時分が一番心地良いと言う。それ以上、説明されなくても、分かる気がする。やわらかな風もそうだし、日もやわらかい。冬は雪が積もり、春は風が強すぎるのだという。


 出入りできる扉は、その短辺側、東の方に一つきり。

 

 その縦長の小屋に、やはり縦長の長テーブルが置かれていた。これだけで小屋の空間はかなり埋まってしまう。

 

 テーブルの両端、そのうちの一番戸口に近い側に私が座るとのことであった。 そして客人は、長テーブルに互いに向かい合って座ってもらうことにした。客人の背後には、人一人(ひとひとり)がどうにか通れるだけのスペースしかない。


(なるほど、私に何かしようとしても、すぐに手出しできるのは、一番近い二人だけね)


 とその配置に感心する。


 また、一番奥にやはり縦長のソファが置かれていた。これで小屋の空間はほぼ埋まったと言って良かった。


 そして本来は私が座るあたりにも陽光が差し込む窓があったのだが、お二人は既にそれをふさがせたとのこと。更には、縦長の小屋の一番奥の窓を除いて、他の窓も全て同様にしたとのことであった。


 それゆえ、私の席のところは昼なお暗く、そしてソファのあるあたりが陽光に照らされており、鈍く反射しているにもかかわらず、まぶしく感じられるほどであった。


 小屋の中を見せられた後、ゴリねえが外に私を誘い出した。そして、なぜかうれしそうに、ふさいだ窓の一部分をのぞくように、うながす。そこは一番戸口に近い窓、つまり私が座るところに一番近い窓だった。


 よく見ると、そこには穴があけられておった。のぞいて見ると、中でチイねえが恥ずかしげに手を振っておった。お二人としては、ここからゴリねえがのぞいているから、安心だと言いたいのは良く分かるのだが、


(チイねえ。かわいすぎ。やっぱりほれてしまいそう)


 どうしようもない私であった。

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