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第6話

「なら、あの者たちを付けよう。ほら、あの者たち。そなたも憶えておろう。何度か護衛に付けたのだぞ。侍女の装いをさせ、共に赴かせよう」


 そう言われても、私に分かるはずもない。おろおろしておると、


 父上曰く、


「これまではあえて言わなかったが、あの2人は衆道の方だから」と。


(何? いきなり? 知らない人のために言うと、今で言うゲイである。くだけて言えばBL。まあ、父親が娘に気軽に言える話ではないよね)


 どうも父上の意識は、2人の配下の秘密をバラすことに向いていたようで、私のうろたえ振りは見過ごされたようだった。


 父上はその場でその者たちを呼び出した。やがて姿を現わした2人。


 1人はまさに適任の顔形であった。小柄で紅顔の美少年というしかないもの。この男子がゲイなんて、もったいなさ過ぎる。私だって、言い寄られたら、なびくわよと、正直想う美麗さである。女装させれば、まさに美少女に見まごう。


 しかし、もう1人は、いやちょっとムリじゃない。

 どころではない。ムリムリムリ。

 大柄むきむきゴリマッチョ。

 要はゴリ男じゃない。


 とはいえ、そこら辺は父上も分かっていたようで、


 その小柄な美少年――私は『チイねえ(小姉)』と呼ぶことにした――を侍女の装いをさせ、私に近侍させるとのこと。


 大柄なゴリマッチョは外に待機させるとのこと――騒ぎを聞けば、すぐに駆けつけられる近さのところにと――こちらは、やっぱり『ゴリねえ』。

 

 もちろん、名前はしっかり紹介されたのだけど、とりあえず、チイねえ、ゴリねえで行くね。何にしろ、分かりやすいでしょ。そういえば、小学生の時、私のことをゴリラなんて呼ぶ、とても失礼な男子がおった。


 まさにプロレスラーの如き肉体の男性であるゴリねえと、転移前の私がうり二つなんてことはないけれど。四捨五入してしまえば、私はエリザベトやチイねえの方ではなく、ゴリねえの方に分類される容姿であった。


 まあ、『似ている』という奴だ。


(この2人はゲームで見たことはなかった。もしかしたら隠しキャラ? 結構やり込んだとは想うけど、攻略サイトや本の類いは見なかったから、この手のことにはうとい私である)


「この2名なら百名だって相手にしうる。」

 そう請け負いつつも、父上は更に次の如く説明してくれた。

 先の千名を少し離れたところに待機させ、伝令役をゴリねえと共に置くと。そして、一騒動持ち上がれば、ゴリねえは突入し、伝令役は千人隊を呼びに行くと。


『まずは相手の動きを見極める』

 それに十分に配慮した、まさに私が父上に訴えた通りの策であった。父上がこんなことができる人だなんて、想いもしなかったけど。

 

 何より楽しそうなんだけど。

 

 まあ、ゲームの中では、嫌われ悪役令嬢に更に嫌われる役回りしか与えられていない、すごく浮かばれない父上。活躍できる場面を与えられれば、生き生きするは、ゲームも現実も同じなのかな?


 頼りにしてますよ。父上。


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