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この街はお掃除シートで有名なのよ
「この街はお掃除シートで有名なのよ」その女性は言った。
彼女の名は由美。トオルとは最近知り合ったのだった。
「お掃除シート?」トオルは言った。
「そう。お掃除シート」
「お掃除シートって、ちょっと分厚いウェットティッシュのことだよね?」
「そう、それ。台拭きとか、トイレ便座用シートとか、あとはクイックルワイパーにつけるやつとか」
「ちょっと待って、この世界にもクイックルワイパーがあるわけ?」
「ええ、当然あるわよ」
「やっぱどの世界も考えることは一緒なんだなあ」
「あなたの世界にもあるの?」
「うん、ある。ところで、なんでお掃除シートで有名なの?」
「この土地の特産物なのよ」
「え?」
「お掃除シートの」
「え?」
「だから、お掃除シートがこの土地でしか採れないの」
「お掃除シートが木から取れる何かだと思ってるの?」
「何を言ってるのよ。バカねえ。お掃除シートは根っこの部分でしょ」
「・・・え?」




