酒
毎度後悔しているのに、どうして同じことを繰り返すのか。己のことながら馬鹿だと思う。
冷蔵庫からペットボトルに入った水を取り出す。キャップを開けて傾けると、いつもより何倍も美味しいと感じる。そもそも普段水を美味しいとは思わないが。
頭痛がひどい。昨夜の記憶を思い出そうとして、そういえば家に帰ってきた覚えがないことに気づく。
だというのにしっかりと着替え、風呂に入ったであろう身体は不快さが全くない。記憶をなくすほど飲んだというのに、案外普段無意識でしている行動は問題なく熟せたらしい。口の中もスッキリしているし、きっと歯磨きもしているであろう。
今日は休日だし、どうせならもう一眠りしようとしてベッドに戻る。
「……嘘だろ」
知らない女が2人。しかも裸。
つまりそういうことだよね?
酔った勢いでとんでもないことをしていたらしい。
……何で忘れちゃったんだろう。
「あのー……」
恐る恐る寝ている2人に声をかける。揺らしても起きる気配がない。
「おーい」
肩を掴んで揺らす。胸元が露わになり、思わず目を逸らす。だが、どんなに強く揺らしても2人は目を開かなかった。
不安に思い、手首で脈を取ってみる。……ない。
思い切って胸元に耳を当てて心音を聞く。……聞こえない。
より一層とんでもないことになった。
急いで警察と救急車を呼ぼうとスマホを探す。が、スマホもない。焦りが増す。
昨晩、一体俺に何があったのか。




