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種まき  作者: 山葵からし
36/50

 私の中には、私の他に3人の私たちがいる。

 大雑把であまり考えずに行動する俺。

 色々と考えたすぎちゃって結局何もできない僕。

 一番思慮深くて私たちのリーダーのあたし。

 大抵は私が私なんだけど、いつの間にか俺や僕、あたしが私になってたりもする。そんな時、私は彼や彼女の部屋に勝手に入るのだ。

 俺の部屋は、いつも知らない人がいる。

 この人たちが私になることはないけど、私に成れなかったから恨めしそうな顔を向けられたりもする。

 俺はあっけらかんとした性格だし、そういう感情を向けられても平気でズカズカと相手の中に入り込んでしまう。だからみんなこの部屋に集まるのだろう。

 僕の部屋は、いつも雨が降っている。

 ずっとずっと雨が降っているせいで、いつの間にやら膝くらいまで水浸しだ。

 家具はベッドがひとつだけ。部屋の中心にぽつんと置かれている。まるで湖の真ん中に浮かんでいるようにも見える。

 あたしの部屋は、いつも散らかっている。

 私になってる間はとってもしっかりしてるし、私たちの前でも中心となって引っ張ってくれる。なのに部屋はとっても汚い。

 ゴミが散乱してるわけではないけど、とにかく物が多い。ゲームとか本とかDVDとか。私たちが誰か1人でも触れたものの全てがここにあるのだ。だからきっと思慮深くあるのかもしれない。

 3人の部屋をぐるりと周って、最後に私の部屋に向かう。伽藍として何もない。だって私は大抵私だから。

 俺も僕もあたしも、飽きたら勝手に戻ってくる。そうなった時、私がすぐに戻ってやるのだ。尻拭いはほとんど私。

 次第に睡魔に襲われる。この場所で眠くなるってことは、そろそろ交代の時間なのだろう。

 瞬きのようにパタリと瞼を閉じる。次に開くと、目の前には知らない男性の顔があった。

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