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種まき  作者: 山葵からし
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河川敷

 大きな川の土手をを歩いていると、遠くの河川敷から子供たちの声が聞こえる。金属音や歓声のようなものも聞こえるので、野球でもしているのかもしれない。

 少しだけ覗いてみようかと、音のする方へ歩きだす。ネットを張った拓けた場所に、ミニバンやらなんやらのファミリーカーが10台近く停まっている。

 赤い帽子と青い帽子の2チームで試合をしているらしい。土手の斜面に座り込み、そのままぼーっと眺める。赤チームが優勢だ。

 不意に大きく響く音が鳴った。球は高く高く飛び上がり、その場は保護者たちの完成に包まれる。青い帽子を被った子供が、悠然と場内を歩くのが目に入る。

 パサリと、横に何かが落ちてきた。見れば、きっと今のホームランボールだろう。拾い上げたはいいが、こういうのってどうするのが正解なんだろう。

 ボールを抱えたまま観戦を続ける。結果、逆転できずに青チームが負けたようだ。惜しい試合だった。

 そのまましばらく待っていたが、特にボールを取りにくる様子もない。せっかくだし記念に持ち帰ろう。

 立ち上がって歩き出す。ボールを右手へ左手へを交互に投げながらだと、何だか歩くのが下手になった気がしてくる。

 それにしても、見ていて楽しかった。高校野球をビール片手に楽しむおじさん達は、きっとこんな気持ちなんだろう。他人の努力を消費するのは心地よい。

 家に着いて冷蔵庫を開ける。ちょうど缶ビールが一本ある。プルタブを引くとパシリという音と共に泡が溢れる。慌てて口をつけると、苦くてふわふわした感覚が広がった。最高だ。

 せっかくニートになったことだし、明日はどこへ行こうか。持ち帰ったボールを本棚に飾りながら、もう一口ビールを飲んだ。

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