表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
種まき  作者: 山葵からし
22/50

麦茶

 こうも暑い日が続くと、なんだか溶けそうになる。

 冷凍庫から氷を取り出し、ガリガリと喰む。

「まーた氷食べてら」

 リビングに入ってきた弟が、私を見て少し引いたように呟く。しっかり聞こえてるけどな。

「何、文句あんの」

「べーつにぃー?」

 私を押しのけるようにして、冷蔵庫からポットに入った麦茶を取り出す。

 コップも使わずにラッパ飲み。育ちの悪いやつだ。同じ育ちだけど。

「てか聞いた?」

 汚いゲップをひとつして、弟は臭い息を私にかけてくる。カレー食べたなこいつ。

「兄貴、また別れたらしいよ」

「うっそ、許せない」

 身内贔屓を加えたとて、決して顔がいいとは言い難い兄。

 どうしてこんなにもモテるのか分からないが、昔から相手を取っ替え引っ替え。いつも運命の相手に出会ったと吐かし、大抵すぐ別れるのだ。

「賭け、俺の勝ちだね」

 麦茶を冷蔵庫にしまい、左手を差し出してくる。

 兄に相手ができるたび、弟とはいつ別れるか賭けをしている。

 薄情な弟は大抵2-3ヶ月。私は半年とか1年とかに賭けて負けるのが常。兄も私も学習しないな。

「今度ね。次こそは長く続けばいいんだけど」

「無理無理。ああいうのはずっと続くから!」

 弟はバカにしたように笑いながら、手を左右に振る。

「案外、俺や姉さんのが先に結婚するかもよ」

 そう言ってリビングを出ていく。

 私は知ってるぞ。お前に1年以上続いてる彼女がいることを。

 弟が出ていったドアに向かって、思いっきり中指を立ててやった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ