「花々の諍い~恋の散る頃は」
「花々の諍い~恋の散る頃は」
海外で大ヒットを記録した中華風後宮ドラマ。
一人の皇帝をめぐり、皇后と側室たちの愛憎の物語。
莫大な制作費をかけ豪華キャストを揃えたドラマは、本国では空前の大ヒットを記録。
華やかな衣装、美しい女優たち、そして艶やかなメイクと映像美が日本でも話題となり、たびたびメディアに取り上げられていた。特に若い女性中心に人気が高かった。
舞台はインイというアジアの架空の国だが、中国の宮廷がモデルになっていた。ただ纏っている漢服の柄は日本の着物を彷彿とさせたり、食事や文化が韓国に似ていたりと日中韓が入り混じっているような世界観だった。
物語は若くして前皇后がなくなり、主人公が次期皇后として輿入れするところから始まる。
前皇后を愛していた皇帝はしばらくの間、新しい皇后を娶る気はなかったが家臣たちにおされ、渋々承諾をする。その時、皇帝は36歳、主人公の皇后はまだ17歳だった。
皇后は若く物静かな性格だったこともあり、年の離れた皇帝とはあまり夫婦関係がよくなかった。そして宮廷にはすでに多くの妃嬪たちと、その子供の皇子と皇女たちもいて、若く新しい皇后を誰も歓迎などはしていなかった。
主人公の苦難と愛に満ちた宮廷生活が幕を開ける。
入宮当初は皇帝からも冷遇され、他の妃嬪からの嫉妬や嫌がらせ、文字通りそこは針の筵だった。
だが皇后は年若いながらも持ち前の聡明さと優しさで、徐々に宮廷での存在感を強めていく。そんな皇后の姿に皇帝も少しずつ心を動かされていった。
やがて情愛を深めていくが、そこに現れたのが物語の終盤の敵役、悪役令嬢エリーナとその母ライランだ。
ライランはインイの属国の長に政略結婚で嫁ぎ、娘エリーナを授かった。しかし夫である族長が亡くなると慣例に従いインイへと戻ってきた。
ライランの母は西域からインイの貴族に政略結婚で嫁いでいた。金色の髪、青い目をした美女でその美しさは宮中にも轟き、堅物だった前帝でさえお忍びで彼女に会いに行ったほどだった。母ライランはその美貌を受け継いでいた。
帰国の報告をしに宮殿を訪れたライランに一目惚れした皇帝は、側室にしてしまう。
もちろん婚歴があり、子持ちの側室など異例だった。家臣や皇太后の反対もあったが、それを押し除けて娶ったのだ。当初、皇帝の血を引いていないエリーナは里子に出すべきだと家臣たちは主張したが、皇帝はそれを許さず、結局エリーナは宮廷では皇女として扱われたが、正式には貴族階級とされた。
ライランは入宮するとすぐに皇帝の寵愛を独占し、皇后や他の妃嬪は皇帝の寵愛を全く受けられなかった。それはやっと夫婦の絆が芽生えた皇帝と皇后の仲を割くほどだった。
そして母の面影を残すエリーナもまた母と共に、皇帝にたいそう可愛がられていた。
エリーナは気位が高く、寵妃の娘という立場を利用し、自分勝手に振る舞っていた。
だがそんな栄華は悪役には長くは続かない。主人公の敵役だった二人は、争いに負けた。
ある事件により身分を剥奪。母は死罪、エリーナは地方へと流刑を命じられるのだった。
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