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ダンジョン探索者~星駆けと聖騎士~  作者: Wana-wana
第三章 プラント・パニック
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乱戦コブリン

 そこまで張り切って飛ばないほうが良かったかもしれない。目立ちすぎた。


「ピンチになったね」

「ピンチだなあ」


 俺の唯一の魔法は、宙を走り回れるわけだが、持続時間は大したことがない。うちのリーダーいわく、無理やり誤魔化しすぎてるかららしい。

 それ故、着地を余儀なくされたわけだが、ものの見事に、いろんな武器を持ったコブリンに囲まれた。

 剣とか槍、弓とか杖あたりまでは分かるが、見たことのない武器持ってる奴もちらほらといる。

 ただ。


『Gysaaaao!?』


 そんな奴らは、次の瞬間には矢が刺さって、血しぶきを上げながら倒れていく。エミリアが速攻で殺した。


「あの武器を使われたら厄介だからね」

「知ってんのか」

「銃って言うんだ」


 そんな話をしている間にも、次から次へと矢を射っていく。俺たちを囲うために密集していたから、狙い放題だった。


『Gyoa』

『Go!』

『Gyyyyyyyyyyyyy!』


 ただ、ここのコブリン達はリーダーが言っていたように、一味違うらしい。今の立ち位置だと不利になると気づくと、即座にばらばらに散り始める。動きが、しっかり揃っているあたり、指示を出すコブリンまでいるのだろう。

 なので俺は、そんな集団の中で最初に動いた奴に投げつけれる。


『Gi』


 命中。ほかのコブリン達が、そいつを引きずってどこかに下がっていく。

 ただ、期待したほど連中から、動揺はみれなかった。ゴブリンの表情の読み取りなんてできないから、なんとなくではあるが。


「しばらくこれでやろうか」


 エミリアは矢を番える。


「私が殺しまくって」

「俺が偉そうな奴を狙う」


 俺は、走る。


『アロー・レイン:弓の雨』


 ダンジョンの天井から大量の矢が降ってくる。エミリアの反則技その1だろう。

 コブリンどもの血が、いたるところで噴き上がる。

 それでも、怯むことなく俺に近づいてくる槍や剣を持ったコブリンども。

 完全に近づかれるまでの間に、ナイフをひとつ投げる。

 暫定偉いコブリンに命中。

 一息つく間もなく。


「おらあ!」

『Gb』


 剣を持ったやつの首筋に、俺の剣を突き刺す。死んだかどうかの確認せずに、剣先にぶら下がるコブリンを振り回す。


『Gobeeeed!』


 振り回されてスピードがついた死体は、そのまま仲間達のもとに飛んでいった。さすがに動揺したらしい槍持ちコブリンに、その死体が激突。ごしゃあと、硬いものがつぶれる音がした。


『Geeeee……』

『Ge!!!!!』

『Gea……』

『Geeeeeeeeeeeeeeee!』


 何を言ってるのか分からないが、多分かなりビビったらしく、俺から距離を取ろうとするコブリン達。

 とりあえず、指示を出していた奴は殺した。


「頭モンスターなのかな…………」


 小声でつぶやいたつもりのエミリアの声を、俺の耳はバッチリ拾う。

 誰がモンスターだよ。お前の方が、殺しているゴブリンの数は多いだろ。


 コブリンたちが今度こそ散り散りになるのに、そう時間はかからなかった。



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