強すぎる光ってなんか赤く見えない?
何はともあれ、これでようやく箱の中身について調べることができる。
ということで、超頑丈な奴(前衛)と、そこそこ頑丈な奴ら(俺とエミリア)で最初に突入。
『排除シマス。排除シマス。適格者発見・保護』
どこから聞こえるのかよく分からん声が、さっきからいまいちよく分からんことを言いながら、当たったら即死しそうな光の束(魔術師ども曰く、ビーム)が降ってくる。
エミリア以外を狙って。
「なんでだよ!」
うおおおおおお!取りあえずでんぐり返し回避!ちょっと髪の毛焦げた。
前衛の方は盾で防げたらしい。流石、別のダンジョンで見つけた新技術もりもり素材製。
「私に言われても知るわけないよ!」
「なんかずるしてんだろ! こう、聖騎士用の特殊装備とかで!」
エミリアに文句をぶつけていると、今度はものすごく低い位置からビームが飛んできやがった。腕の力と背筋を、駆使して地面から一気にはね上がってそれも回避。
俺がギリギリで躱したビームは、そのままエミリアの方へと進んでいき。
ぐにゃりと曲がって進行方向を変えていく。
「なんで、私にはぶつからないんだろう」
「どうやら、僕がこのビームを防いでいるのとは違う仕組みっぽいね」
「むしろ、その盾なに? うちのギルドにも欲しいんだけど」
「技術部謹製だよ。 多分、ギルド外には出ないと思うよ」
「ですよねえ。 なんとか売ってもらえたりしない?」
「そりゃ、うちのギルドに所属してもらえればいくらでも」
「それは無理だね。 これでも敬虔な太陽の子だし」
「じゃあ、身内割引狙うしかないね。どう、カイニスとか」
「はぐらかさせて頂きます」
「おまえらだけ! 楽しそうに! しゃべってるんじゃねえ!」
俺だけさっきから狙われ続けてるんだよ!
前衛は盾にビームが効かないと分かるなり、警戒はしつつも余裕をもって盾を構えるだけで対処してやがるし、エミリアは言わずもがな。
「僕のこれ、楽そうに見えても、普通に大変なんだよ?」
「そんなこと言われても、私は防ぎようすらないし?」
「それだ」
「はい?」
俺はダッシュで、ビームを掻い潜りエミリアの背後へと回り、向かってくるビームに対して突き出した。
予想通り、ビームはエミリアを避けていき、そしてそんな最強の肉盾にぴったり引っ付く形になっている俺も、素通りしていった。
「ざまあみやがれ。 俺を狙うと、こいつの命もねえぞ」
『…………』
謎の声は、ジジジジと無機質な音を出すだけで、ビームが俺に降ってくることはなくなった。
「狙いどおりだ」
「今の私と、カイニスの状況って、客観的にいえばなんになると思う?」
「人質と凶悪犯二人組かなあ」
『確認。 ケガレ。 無限回廊執行。 空間転移用意』
そして俺達は光に包まれた。




