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類が友を呼ぶのか、友が類になっていくのか。

曰く、お前のせいでえらい目にあった。


曰く、お前のせいで心に深い傷をおった。


曰く、これはこの女(一角獣の宿り場の魔術師)へ支払うべき金をお前が立て替えろ。



「知るかボケえ!」

「声がでかいよカイニス」


脳筋バカ前衛が俺の背後に回って口を塞ごうとしてくる。

俺は全力で脛を蹴りつける。ごぎゃんっと鈍い音がした。俺の足から。


「そりゃ、脚にも覆いをつけてるに決まってるでしょ……」


そうだね。今のは間違いなく俺がバカでした。

ダンジョンに生息するモンスターには、当然のごとく足から仕掛けてくるやつもいるし、パーティーの盾ともいえるこいつはそんなモンスターにも対峙する機会が特に多くなるがゆえに、対策をしていないわけはなかった。

すげえや。まだ足がじんじんしてる。

そんなことをしている俺達をじっと見続けていた、我らがリーダーが一言。


「バカしかいないのか、黎明の鴉には」

「あんたが、その頭目だろうがよ」

「あと、イマココでバカやってたのはカイニスだけだよね」


は?

うっせえ、ばーか!!!!


「…………本当にバカしかいないのかしら」

「バカっていう方がバカだからな……っと」


うちのバカではなく、女魔術師が気だるげにそこに立っていた。


「起きて大丈夫なのか」


気遣わしげに、リーダーが声をかける。小さく頷いて、ありがとうと口が動いたのが見えた。そして、俺の方を見つめるや否や。


「あ!元凶の片割れ!」


こいつも同じかあ……。なんかこう、センスがエミリアと近しいんだよなあ。

魔術師って、こうもっと物静かだと思うんだが。あんまり詳しくないんだが基本が引きこもり、というか必然的に書物で腕を磨く(これの意味はいまいち分からん)ことが多いらしくてどっちかつうと内に向かっていくタイプの方が多いらしい。

ので、多分俺の周りの魔術師達は例外の部類なんだろう。まあ、ダンジョンになんて潜る物好きだからそうもなるかもしれんが。

ただ、この感じは魔術師がどうというよりも、パーティーの雰囲気のせいなのだろうとは思う。

俺が一角獣の宿り場というやかましいパーティーに思いを馳せていたら。


「あ、あの」

「ん?」

「どうしたのハニー」

「元凶その1さん、うちの元凶その2さんが呼んでます。 あと、他の方々、えっと、扉開けられそうです」


うーんと、取りあえず。

ヒーラーちゃんまでもが、俺のこと元凶呼ばわりするのかあ。許さねえ元凶その2こと、エミリアめ……。というか、どっちかつうと今回は俺があっちに巻き込まれた形だと思うんだけど。

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