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幻想奇譚

睦言を溶かす

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

こんなタイトルですが、恋愛じゃないです( '-' )

幻想奇譚です\( 'ω')/ヘーイ

久方振りの大都会で御座います。多種多様な声音が反響し合う、喧騒の街で御座います。

駅のホームを出た途端に感じる揚げ物の匂い。前衛的なお召し物を身にまとった遍く軍勢の流れ。この世界はまるで蠱毒の様に、本当の選りすぐりの方だけが人目を引く世界で御座います。此処に、この背景に溶け込む様に街を歩きます。

彷徨いながら耳を傾けると、恋人に向けて囁かれる、とろりと蕩けた甘い口調。勿論、一方向からではなく、互いに顔を近付けて、反響し合うのです。

夏の風物詩では蝉時雨がきっと皆様ご存知。屋内外問わず響き渡る、あの蝉の音色で御座います。何でも七日という大層短い期間に相手を見つける為だとか……。そう考えると、それに習って、都会の風物詩としても良いかも知れません。

そんな風物詩に耳を傾けて、大都会特有の空気に浸っていると、日頃お世話になっているとある喫茶店を発見致しました。蝉時雨、街の睦言と来たら、大層涼しく甘い飲み物が欲しくなるのが性というもので御座います。


店内に入り隅っこの席に腰掛けると、外とは異なる、洗練された会話が空を漂っております。お仕事のお話、頁を捲る音、グラスの氷が崩れる音。とても喫茶店らしい雰囲気が、荘厳にも厳重に保たれております。

この空気に溶け込みながらも街の空気を同時に楽しむ為、私は目に入ったものをお一つ。それは数分後に届けられました。

シャンパングラスに注がれたミルクココア。柔らかいブラウンの液体から覗く、黒の氷。その上に乗った、半球のアイスクリームが愛らしい飲み物。グラスに差し込まれた柄の長いスプーンは上のアイスを崩す為に存在しているのでしょうか?

とりあえず、まずは一口。表面から裏側に向かって、深く染み込む様な濃密な甘さ。その濃厚さ故に、微睡みから目が覚めること間違いなしです。ただ余りにも濃密故に、本来ならば氷を少し溶かした状態で頂くのが最上なのかも知れません。

中に入った氷を掻き回す様に回すと、カラン、コロン……と涼し気な音を立ててとろけていきます。

「そう……それでね……」

「ん……そっか」

ふと気が付くと、隣でささやか睦言が交わされておりました。恋人同士、顔を寄せ合って、ひっそりと会話を続けておいでです。濃縮されたこの会話。薄めるなんて野暮な事は致しません。けれども蕩かすならば、この重厚な空気が良いでしょう。

外に出たらまた、反響し合う時雨に耳を傾けとう御座います。

蝉時雨っていう文字だけは絶対入れようと思った本日。


懐かしいアニメの話になるんですが、そこのタイトルに使われていた話を思い出しました。

あ、妖怪が沢山出てくるドンパチ漫画です。

ですが、あの回だけ物凄いホラー系。

蝉を赤ちゃんと認識障害起こして抱えている描写が末恐ろしくて。


まぁそんな私の幼少期の話は置いといて。


とにかく甘いんです。ここのミルクココア。

デザート頼まなくて良かったレベルです。

※他の作品お読みの方々ご存知、ゴリゴリの甘党な私が言うのですから、お墨付きです。

どれくらい甘いかと言えば、氷溶かして、

『あ、丁度良い〜ヾ(*‘ω‘ )ノ』レベルです。


段々と『蝉時雨』の話が薄まって、『睦言』に変化していきます。

最初の発言で『蝉時雨≒睦言』と渡が話しているので、めっちゃ甘かったミルクココアが薄まるのと掛けてます。


まぁ、ミルクココアと睦言とは関係性が真逆ですが。

ミルクココアは周りが濃くて、濃縮された氷が薄める側。

睦言は濃縮された自らが、周りの空気によって薄められる側。


けれども溶けて良くなるのは同じ。そんな話です。

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