若葉ちゃんの気持ち
ちょっと他のことしてる合間に書いたやつ
内容とかないよぅ?
「みんなとか知らねえよ、私が、お前に、止めろ、と言っているんだ」
若葉が外観からは想像もつかない声で迫っている。
相手はびっくりして目を見開きパクパクしている。
「ちょっ、ちょっと若葉ちゃん、何やってるの」
ゆたかが後ろから両脇を持って、持ち去った。
「どうしたの、そんなに怒って」
「え? 怒ってないよ?」
本当に何言ってるの?って思っている顔をしている。
「と言う事があってね」
昼休み、若葉の席を中心にいつものメンバーが集まって食事している。
いつものと言ってもエリナは友達や活動が広範囲に渡っているので居ない事も多いが。
「あー、私も見たことあるよ、先生に「みんなやってるでしょ」みたいに言われたときに「みんななんて知らないよ、みんな死んだらお前も死ぬのか」って言って、親が呼び出されてたなぁ」
「…」
エリナの発言に一同沈黙してしまった。
「そんな事、あったかなぁ」
全く覚えがない顔の若葉。
「だろうねぇ。あの時もなんの話かな? みたいな顔してた」
「まあ、それは置いておいて…」
気にする様子もなく話を変える若葉に、一同、あー、と言う顔をしている。
「豚とか魚とか見て、美味しそう、とか言うの居るけど、どう言う気持ちなのかな、アレ?」
若葉が誰に尋ねるでもなく呟く。
「流石に、豚を見てうまそうとか言う人は居ないんじゃない?」
「いや、どうだろ、テレビだからネタかもしれないけど…」
「魚でしたらそう言う方いらっしゃいますよね、割と」
椎名は水族館とかで泳いでる魚を美味しそうとか言いそうだ。
「魚、あまり食べられないから分かんない。魚って言うか元の姿が分かるやつ、焼き魚とかエビとか貝とか…」
もかは魚の話をすること自体嫌そうだ。
「なんだろうね、アレ」
言いながらコッペパンに齧り付く若葉。
「たぶん、若葉ちゃんは肝心なことを見落としていると思うなぁ」
ゆたかがおかずのソーセージにピックを差して、それを若葉の顔の前に差し出す。
「ん?」
必死にもぐもぐしてから、ソーセージに齧り付く。
「若葉ちゃん、物を食べて、美味しい、とか思ったことないでしょ」
「え?」
「さすがにそれは…」
他の子たちが否定しているが、若葉は目をそらして考えている。
「えぇーっ…」
「ソーセージはどんな味?」
目を細めて観察しながら ゆたかが聞いた。
「ゆたかがくれる物は特別」
「い、いや、そう言うことじゃなくて」
「…」
椎名が少し幽体離脱している。
「ソーセージは?」
「食べられる」
「ピーマンは?」
「苦い」
「セロリは?」
「臭い」
「酢の物は?」
「腐ってる」
「腐ってないよ」
「美味しいどころか不味いもないっぽいね…」
「…」
「よく分かんないけど、みんなでこうして食事するのは、なんか、違う、気がする」
「…そだね」




