若葉ちゃん1階のトイレに行く
もともと「若葉ちゃんは低スペック」と言うタイトルの落書き漫画が元ネタなので、やたらと若葉ちゃんが倒れたり血を吐いたりしますが、大丈夫です(吐きません)漫画なので(漫画ではありません)
「急に涼しくなったからトイレが近い…」
「…」
昼休み、食後に若葉が白い顔をしている。
肌色というのは皮膚の下を流れている血液の色が混ざっているのが良くわかる。
「いつもすまないねぇ」
「おじいさん、それは言わない約束でしょ」
「…このネタ、若い人に通じるのかな」
「私らも中学生なんだけど」
トイレに向かいながら若葉と ゆたかが話している。
「ま、女子ってもともと連れションする生き物じゃん?」
「連れションて…」
「あれ?大きい方だった?」
「…」
ゆたかはもともと連れ立ってトイレに行ったりしない。
かくいう若葉も普段はそうだった。
「なんで、まとまってトイレ行くんだろうね、渋滞するのに」
「そうだね」
1階のトイレで ゆたかが手を洗っている。
「おーい、ここは職員用だぞぅ、って、お前らか」
「すんません」
「いつものか?」
「たぶん…」
「大丈夫?」
トイレのドアをノックしてたづねる。
「…」
微かに声がするようだけど、良く聞こえない。
「開けて〜」
声をかけて少ししてからゆっくりとドアが開く。
中に項垂れた若葉がいる。
「はい、掴まってね。え?手が汚い?ウェットティッシュあるよ。殺菌だぞ〜。はい、良いかな?」
若葉を抱えて個室から出てくる。
「手慣れているな」
「まあ、色々ありますんで」
「任せちゃって良いか?」
「はい。むしろ1人の方が都合がいいです」
肩に担ぐのと抱っこの間みたいな抱え方でトイレから出ていく。
そもそも保健室が近いのでこのトイレを利用したのだ。
「せんせ〜。ベッド借りるね?」
「変な言い方すんな。また御手洗か?」
「そうです」
硬いベッドの上に下ろされる。
体調不良でトイレに行くのも辛くて、トイレでさらに貧血を起こすコンボで、ベッドで横になれるのは大変ありがたかったが、かなり申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
「時間になったら起こして」
言いながら ゆたかが狭いベッドに入り込んでくる。
「お前は教室に帰れよ」
入り口の机に向かったまま文句が来る。
「いいじゃん、もう一つベッド使おうっていうんじゃないんだし」
若葉の背中に密着して腰の辺りを抱いてくる。
「どうよ」
「…あったかい」
「そんじゃおやすみ」
「うん」
ゆたかが起きなくて午後の授業に遅れた。
もうちょっと百合っぽく出来んかな(




