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高校入学直後の話し

今後、ネタとしてアレしてくるか分からん感じのネタをまとめてみた話し

高校入学時、ゆたかも同じ高校に合格していたのでみんな一緒だと思っていたが、ゆたかが親の都合で他の学校に行くことになってしまったため、若葉は教室の片隅で1人本を読む少女プレイをしていた。


地元の高校なので同中の子も居たし、エリナも同じクラスだったので特に不自由はしていなかった。


「なあ、そんな本読んでて楽しいか?」

いかにも自分の容姿に自信がありますと言う感じの男子が声をかけてきた。

いつかこちらにも回ってくるのではないかと警戒していた奴だ。

正直面倒臭い。


「楽しいと言うか、良いだろ? 教室の片隅で1人本を読む少女。クラスに1人はいて欲しいと思う者も少なくないと思うが」

メガネをちょっと直しつつ答える。

こっそりうんうんと肯く者が数人いた。


「いやいや、せっかく一緒のクラスになったんだし、もっと交流したりした方が良いって」

何言っているんだこいつと言いたそうだが、しつこく誘いをかけてくる。

放課後遊びに行こうみたいな話になりだして、正直面倒になって本音が出てしまう。


「ぶっちゃけ、大して興味もない女の子に髪の毛切らせたり、メガネからコンタクトに変えさせて悦に浸るような男と交流を持ちたいとは思わないんだが…」


周りがざわざわしだす。

実際に髪を切った子や、コンタクトに変えた子が何人かいるようだ。


「大湿原…」

テキストじゃないと分からない冗句を言って外した。


「な、別にオレはそんなつもりじゃ、ほんとうにそうした方が良いと思ったから言っただけで…」

「その『良い』は誰にとっての良いなんだ? 全部君自身の自己満足じゃないか」

頭の中でブブーっとブザーが鳴るのが聞こえたが、時すでに遅し。

と、そこでチャイムが鳴る。



さっきは授業開始に救われたが絡まれても面倒だと次の小休憩は廊下に出ていると、エリナが教師に絡まれていた。

世間話をしているとか指導されているのではなく、絡まれているのだ。

エリナは3/4が北欧系なので、ウエーブの掛かった綺麗な金髪なのだが、それが気に食わないらしい。

地毛だと言ってもお構いなしだ。


どうやら、生徒に難癖をつけて命令に従わせるのを楽しむようなタイプに見える。

近づくとこちらに気づいたエリナが楽しそうに微笑むので、特に助けは必要なさそうだ。


「分かりました。ただ、きっちりしようと思うと1日がかりになりますし、お金も6万円くらい掛かるはずなので、両親に相談した上で週末ぐらいにはなんとかしようと思います」

「わ、わかりゃ良いんだよ、けっ」

どこに怯んだのかは良く分からないが最後はビクビクしながら立ち去っていった。


「なんだアレ。処す?」

「んー」

「一応、警察とか教育庁とかに顔が聞くヤツを知っているが」

「大丈夫、あー、でもただ従うのもつまらないかしらねぇ。ふふふ」

エリナが微妙に怖い顔をして笑う。



月曜日


「じゃじゃーん」

教室に入ってきたエリナが若葉と目が合ってクルッと回って見せる。

ストレートの黒髪がフワッと広がる。

「おー、なんか日本人みたいだ」

「へへ〜。似合う?」

ほぼ日本人みたいな外観になっている。


「そこまで日本人顔だったか?」

若葉が尋ねる。

「実はお化粧もしています」

「そうなんだ」

「先生の指示に従うためにカラーしてパーマ(縮毛矯正)して、化粧にカラコンだよ。校則破りまくり」

コロコロと笑いながら説明する。

「一度やってみたかったんだけど、次からはウィッグにするわ。大変過ぎ」

机に手をついて疲れたジェスチャーをする。


「いや、一番大変なのはお前じゃないと思うけどな」

「うん、そうかも」


校内放送で1時限が自習とアナウンスが入った。


「問い合わせの電話とか凄いみたいだね」

エリナが他人事のように言う。

「お前がやったんじゃないの?」

「私〜? 私はこの格好でネット配信と、近所と駅前の商店街を歩いたぐらいだよ?」

「ぐらいだよって…」

エリナはご当地アイドル的な存在で、いろんな方面で顔が利くし、その反面敵も多い。

味方してくれている人の苦情や問い合わせ、それに敵対している人たちの嫌がらせなどが重なっているのだろう。


「どうも、私が先生に脅されているところを一部始終撮影してた人が居たっぽいねぇ」

「そんなの居たか?」

「私も知らないけど、あの先生、嫌われてたっぽいからなぁ」

「あー、まあ、あれじゃあな」

「今時の高校生は怖いね」

「…そうだな」

乾いた笑いが出る。


「消火の手伝いしろとか言われたけど、私が学校は関係ないよ、とか言ってみたところで額面通り受け取るのなんて3%もいないですよって言って断ったわ」

「まあ、実際そんなところだろうなぁ。つか分かっててその格好でウロウロしてるんだからたちが悪いな」

「あら、悪いのは私かしら?」

「いや、違うな。すまん」


「あーっ」

エリナが何かを思い出した。

「ごめん、孤独な少女プレイしてたんだっけ」

「いや、面倒なのに絡まれてたから丁度良かったよ。そろそろ潮時だ」

若葉やエリナを良く知らない連中の視線が以前と違う。

やはりエリナとある程度以上の仲だと言うのはインパクトがあるようだ。


「エリナもだけど、ゆたかがそばに居てくれた事のありがたみを感じたよ」

「気をつけなね。若葉ちゃんちっちゃいから人気のないところに持ち込まれて色々されちゃうよ?」

「持ち込まれるって言うな」

「だってほら」

脇に手を入れてひょいっと持ち上げる。

「ぬーん」

なんかもっと酷い話になるはずだったんだけど、割と平和な感じになってしまった

むしろもっと女の子がキャッキャうふふする話が書きたいなー(棒読み

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