表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/94

83

勇者パーティーで使われていた紋章というのは無論ただの印ではありません。特殊な契約魔法を使った特殊な印章であり。その印を見ることが出来るのは勇者パーティーの仲間だけなのです。

つまり仲間の誰かに何かを伝える時に使う証明、秘密の暗号みたいなものになります。

またこの印は仲間以外にも限定的に指定した相手であれば見えるように出来るので『勇者の印象』を知る相手に対する証明にも出来るものです。そもそも『知る人数』自体が少ないもので。


「送る可能性があるのはリーシャくらいなものだと思ったのですが」


目の前の手紙の宛名は間違いなく魔王オズワルド。彼と我等勇者パーティーの誰かでしか気づくことの出来ない証。故に私たちであるから問題であるこの手紙の異常性が理解できました。


「どういうこと? オズに何か連絡をとるなんて話は私は聞いてないわ」


「ワタシも聞いてないですね。ただこの場に無断で会いに来ているワタシたちもひとのことは言えないと思うのですが」


「それはいいから。それで誰が送ったものなの?」


「いま確認します」


ワタシが持つ能力。それであれば魔法の行使者、今回であれば印章のの使用者が誰かを知ることができます。この能力の事は仲間内でもリーシャ以外には秘密にしていることなのですが。


ワタシの眼は相手の魔力に色を視る。それは千差万別、一つとして同じものはなく。印章の使用時に使われたその魔力の跡、それを見れば誰の色なのか判断できます。


パーティー仲間の魔力の色は当然全員分を覚えていいます。


そして見えたその色はーーー濃紺。


「…よりにもよって彼ですか。嫌な予感しかしませんね…」


その魔力の色を持つ人物を思えば波乱を予測せざる終えません。先ほども頭に浮かんだその人は元勇者パーティーの中でもっとも魔王に対しての敵意を持っていた男。


「この手紙を出したのはジュリアン・テレメンスで間違いありません」


そして今尚、彼を憎んでいるであろう僧侶の青年その人だったのですから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ