アリエル・ハートライムの末路
※胸糞注意
なんで上手くいかないのよ!
アリエル・ハートライムは怒っていた。
それもカンッカンに怒っていた。
「レオン王子がなぜ靡かないのよ!」
私はこんなにも美しく洗練されてるのに!
私が微笑めば男共はメロッメロのメロン!
欲しいものを呟けば明日には屋敷にプレゼントが山ほど来る!
ほとんどの権力者の男共の実権を私が握ってるのよ!!
そうよ!私が中心よ!私が世界を回してるのよ!
…それなのに
あの王子はなんで私に興味を抱かない!?
やるだけの事はやった!
レオン王子が毎日来る学園の大図書館に毎日、顔を出し…毎日、王子の為に弁当まで持って誘ってる!
夜になればパーティーに顔を出して、レオン王子を誘惑までしてるのに!
あの王子は平然と「明日も早いのでうちの者に送らせてあげますよ」とか言って早々に帰って行ったのよ!?信じられる!?
あり得ないったらありゃしないわ!!
それとあいつ何よ!?あのシャーロットとかいう女!化粧お化けシャーロット!
急にすっぴんになったら可愛くなりやがって!しかも私の男達を惑わせやがって!
裏であいつの評価が下がるように工作したのに!
学園で一番綺麗で美しいのは 私 なのよ!?それに相応しい男はあの王子なのに!
今日なんかシャーロットと王子が朝から大勢の前でイチャイチャして…キィー!腹立つわ!
ふぅ~…
「失恋したわ…あんなにもお熱なんだから付け入る隙もないわ…完敗よシャーロット!せいぜい別れないように一生引っ付いてすがり付いてなさい!」
「スッキリしたかい?」
後ろから声が聞こえ、思わず私は振り向いた。
え…なんで!?どうして、カーター様がいるの!?
ここは学園の屋上…目立たない場所なのに。
彼はカーター・ネルセン様。
遠く離れたフェルゼンス大国の第二王子様。
彼の事が嫌いだ。
彼はどす黒い何かを秘めている。
優しく微笑むけど、目は笑わない
いつも何かを目論んでるし、レオン王子に殺気を醸し出している感じが恐い。
だから話しかけられる時だけしか、あまり近づかなかった。顔はいいのに残念な人
…でも、なぜここにいるのかしら?
ここは私しか知らない場所、もしかして付けられた!?
「どうしてここに?」
「フッ…それはいい質問だな、どうしてここに来たかと言うとねぇ…君を拉致しに来たのさ!」
「え!?キャアアッ!!!!!???」
私は何者かによって頭に布袋を被せられ、手足を縛られる。
一体…何で!?どうして!?
「喜べよメス豚!お前はラスフィナ王国の第一王女らしいじゃねえかぁ!フェルゼンスにとってラスフィナとの縁は絶対に必要でなぁ~!お前と婚約できれば俺はありがたく国王になれるってわけだ!俺の飼い犬になって腰でも尻尾でも振ってろ!ハッハッハッハッハ!アーッハッハッハッハッハ!」
悔しい!やはりこの男は危険だ!
誰か助けて!私の男共の誰でもいいから助けてぇええ!!!!!
…あの日から5年。
私を助けに来てくれる人は来なかった。
私はラスフィナ王国の第一王女だという事実が証明されてすぐ、フェルゼンス大国で王妃にさせられた。
婚約相手はもちろん、カーター様。
私を見つけて王妃にした功績で王の座を手に入れた。
最初は悔しかった。
毎日暴行され、いたぶられ…乱暴にされ、滅茶苦茶にされた。
カーター様は「これは俺の愛の証だ」と教えてくれた。
そうか…私は愛されているのね。
愛されている!愛されている!
嬉しいわ!こんなにも愛してくれるなんて!
私はフェルゼンス城の地下牢でカーター様…ううん、ご主人様に愛を誓った。
今日のご褒美はなんだろう?
それを考えるだけでもしあわせ。