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thousandknives

作者: はじ

ペデストリアンデッキ

 人通りの多い

  そのなかに

   ひとり男が

    立っていた

風貌

 取り立てて

  特徴のない

   顔立ちと服装

彼の周辺

 ぽっかりと

  空間ができている

   様々な思惑を持つ人々が

    密集するなかで

     そこだけ潔白があるかのよう

      だった

人々

 時折、そこを

  通過する

突然

 足場が崩れて宙に放り出されたかのよう

  な浮遊感に襲われ

   胸に浮かんだ漠然とした不安で

    視線を泳がせ、人々が行き交うなかに

     平安を見出して、

      そそくさとそちらへと

       移ってしまう

そこに留まるのは

 彼だけだった

彼の足もと

 革製のアタッシュケースが

  置かれている

千のナイフ

 彼は辺りを見回してから

  ケースの前に屈みこむ

   留め具を外して

    ケースを開ける

     数えきれないほどの

      ナイフが抜き身のまま

       鋭い牙を見せ付けるかのように

        収められている

面白味のない果物ナイフ

 右から左まで

  どれも

しかし刃はどれも均質な銀色で光り

 その一つを手に取った彼は

  持ち手を一、二度握りしめてから

   まるで握手をするかのように

    軽く手を振ってナイフを宙に放った 

     放られたナイフですら

      自分が宙にいることに気付くのが遅れ

       頂点へ向かう中ほどで 

        慌ててくるくると回転を始めるほどに

         彼の動作は流動のうちに行われ

          それとまったく同じ動きが数度行われた

宙にはナイフが幾本か飛び

 初発のナイフがたどった

  軌道と寸分違わないその動き

           それは残像のように

          彼は何度もケースから

         ナイフを取り出して

それは残像のよう

 宙に放る。放ったナイフは

残像のよう

           上昇し、徐々に速度を落とし

         残像

        空気を軽く切りつけるかのように

      くるりと一回転してから

 残像、残像

 重力に乗って落下をはじめる

  あとから続くナイフも

残像残像

\空気を軽く切りつけてから

 手\元に落ちてくる

 戻って\きたナイフの柄を掴み

 目にも留\まらぬ速さで

 しかし日常\の自然さを損なうことなく

 再び宙へと放\り投げる

 続けざまに\

 幾本もの\ナイフが舞い上がり

 銀色の\噴水のように上昇

 下降\を繰り返している

 よ\く研がれた刀身は

 \街の景色を詳細に反映し

 それ\ぞれが目撃した物事を切り取っては

 宙で互\いに反射させ

 彼の頭上に\映し出す \ するどい太陽を \ 襞を折り込んで \ を鳴らした \ 印されていく飛行機雲は \ ビルボードを張り替える \ 腰を屈める男 \ が一機、\ 階段を掃除する \ 判読できない。\ でバスを待つ人々 \ 清掃員 \ へと足を速める \ 怪しい雲行きに \ 下へと \ に捲られて \ 横切る飛行機 \ 多くの若者 \ 空の奥 \ もう見えない。\ 乗り込む女性 \ 分断する。紅白縞のアドバルーン \ ドーナツ状 \ 発車寸前に \ 突き出し看板が \ ①番乗り場 \ 壁面に沿って \ レースのような白い雲は、\ 空を \ 空を見上げて\ 変わると止まる \ 女性 \ 続く \ 画一な薄い \ 並ぶ雑居ビル \ にやって来た \ 変わると動き出す \ オブジェの下で \ 上から \ 宣伝文は風 \ アーチ状の \ 作業員 \ アルバイト \ ②番乗り場 \ 遮光する。そこを \ 柔らかに \ に消えて \ 信号機が赤色に \ 一面の青空に掛かった \ の行く末を見守る \ のバスロータリー \ 無数の動線の交差点 \ 風船は芥子粒に \ いく \ ペデストリアンデッキへの \ 風船 \ 街道に立ち \ のバス停 \ パトカー \ 下りていく \ なって \ 待ち合わせをする \ バスに乗り込む人々 \ に吊るされた \ サイレン \ 張り替えられるビルボード \ 配りの \ 青に \ に直立不動 \ 落ちた小銭を拾おうと \ 駆け \ 待ち合わせ場所 \ 散乱していく \ もくもくと \ 降りた順々に \ 切り取られた \ 放る \ 無数の水滴 \ 湧き立つ入道雲 \ 落とし始めた \ から降りてくる人々 \ 瞬く間に大きく \ 人々は \ 開いて雨を \ 受け止める \ 傘を \ 一層 \ 降り出した雨粒で \ 膨れ上がって \ ジャグラー \ 往復するワイパー \ 大粒の雨を \ 逃げ込んでいく \ 乱反射して \ あちらこちらの \ 回転灯 \ 建物のなかへと \ 迷子の \ 通り雨 \ 間もなく降り出した \ ナイフを \ 出来事が \ 泣き声のような \ ③番乗り場 \ に停車したバス \ フロントガラスを \ 街景\ 歪めて\確かに\数え\され\重苦\空気\気配\る\ない\から\残像\水面は\離れ\草土\傷口\て\割\鏡\が\が\細分\のように\雷鳴が\を\た\雨粒\切る\た\すべてを\て\の先\もの\その\しまう\それは\雲\伝え\から\れ\水煙\垂れ\くる\こめ\煙らせた\をたたく\水たまり\切れ\しく\いつまでも\香り\立つ\いって\たちまち\のように\しまう\見える\次第に弱まり\雨

   光

    雲間から

    射し込んで

     その鋭利な

     尖端で

      修復する

      街の眺め

       萎んだ傘から涙滴

       ひとつ

        磨かれた

        鏡面

         曇り

         ひとつない

          駈けていく

          スニーカとめどなく

           少しだけ濡れた

           スカートひるがえる

            どこに行く

            赤いヒールが踏む

             ステップは軽快

             一体だれのもとへ

              息を吹き返した

              かのように

               吐息

               あふれ

                出してしまうよ

 シャッフルツールを使用した無機質な文章の混交を目指しました。


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