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プロローグ
「ありがとうございましたー。」
深夜、街灯に照らされた夜道を歩く一人の青年。手には先ほどのコンビニで買った袋をぶら下げている。
「さて、今日はさびしく一人で晩酌としゃれ込みますか。」
俺の名は陸奥 吾郎。けっしてムツゴロウでは無い。魚じゃないし、動物もそこまで溺愛しない。ごく普通の24歳の一般人だ。
今日も仕事を終えて家に帰る途中だった。ふと酒でも飲もうと思ってコンビニに寄った次第である。買ったのは焼酎につまみのジャーキー。
明日は休みだし撮りためたバラエティ番組でも見るか。
そんな事を考えながら、ボーっと歩いていたら突然の浮遊感。
「っ!」
マンホールに落ちた。
落ちていく感覚にそう思ったときには目の前が真っ黒になった。