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酒屑講  作者: ジーク
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シュタインベルガー ~戦士たちの追憶~

今回はとあるワインについてぐだぐだといきます。

 この名前を聞いて思い浮かべるのは何だろうか? そしてこれがどんな酒か分かったならば恐らくミリオタであろう。


 そう、古い作品であるがエリア88だ。著者の新谷かおる氏が最近休筆宣言をされていたので代表作として題名を耳にした方も多いかもしれない。


 まわせーっ!! に始まり含蓄と独特の調子のポエム、そしてケレン味の溢れるアクションシーン、漢達の抱えた過去、裏切り、生き様、散り様。さらにそれを彩る決意を秘めた強い女性。と、くれば傑作にならない方がおかしいのだ。戦闘機好きなら是非読んで頂きたい。


 私が作中の好きな人物を挙げるとしたらミッキー、ウォーレン、マッコイ爺さんである。ミッキーとウォーレンのラストシーンは涙無しでは語れない。そしてマッコイは死の商人であっていけすかない爺様であるが、時折見せる凄味がサイコーなのだ。


 今回、取り上げるシュタインベルガーはその中で出てくる登場人物の一人である元西ドイツ空軍出身のフーバー・キッペンベルグが愛飲したドイツワインだ。フーバー自身は序盤で戦死しているが、後々で登場人物がフーバーを偲んでよりにもよってパリの宿で注文するという命知らずなシーンもあったりする。

 作中のラベルが使われていたのは大体1990年代中頃までだと思う。そこから2000年代に入るくらいまでで別のデザインへ変更、さらに2010年代頭になるくらいでまたデザイン変更を経て現行デザインへと変遷している。(正確な切り替わり時期は分かりかねる)


 私は現行デザインのラベルのシュタインベルガーは購入したことがない。何故ならデザインが好みでないのだ。

 鷲のマークが付いていないなんて許せないのです。ドイツワインは鷲のマークと後はただ文字だけで良いのだ! これぞゲルマン魂! 飾り気なぞ不要。後は飲めばわかる。そう、それで良いのだ。

 それ故に現行品の可愛らしいラベルを見るたびに忍びなくなる。


 そんな感情を抱くのは私だけであろうか?


 旧ラベル品の入手難易度は少し高いと思う。私が飲むときはネット通販かネットオークションで調達が専らである――半ばソシャゲのガチャを回すようなものであるがそれも一興――最近、現行ラベル品ですら都内のリアル店舗ではまず見ない。新宿の百貨店は全滅である。困ったものだ。おめぇの探し方が悪い可能性無きにしも非ずではあるが。

 さらに取っ付き難いのがドイツワイン特有の等級表記だ。初見の人には何のこっちゃである。


ガビネット

シュペートレーゼ

アウスレーゼ

ベーレンアウスレーゼ

アイスワイン

トロッケンベーレンアウスレーゼ


 フランスワインは畑による格付けであるが、ドイツワインは糖度で等級分けされる。細かすぎるがドイツ人らしい凝り性故なのだろうか。

 私は下に行けば行くほど甘くなり値段が高くなりレア度が上がると覚えている。同じシュタインベルガーでも等級表記が変わると違った一面を垣間見られるので是非財布と相談の上味わって頂きたい。何、エリア88の違約金よりは安いから大丈夫ですって。


(もっとも第二次大戦前のシュタインベルガー――それも鷲にハーケンクロイツが付いているモノは軽く100万円はするらしい)


 ガビネット、シュペートレーゼクラスならばまだ見かけるのだが、それより上になってくると全然見かけないのだ。

 何度もシュタインベルガーを飲んでいるが、アイスワインになると2回しかお目にした事がない。75年のアイスワインのベーレンアウスレーゼのコルクを抜いたら白ワインでなくコーラかコーヒーを思わせるような黒い液体がお出ましになったので仰天したのだが、口にグラスを近づけた時に漂う芳香そして見た目とは裏腹に味は至上のものだった。手に入る機会があったのならば是非飲んでいただきたい。

 ガビネットクラスで口当たりの良い酸味と爽快な渋みといえば良いのか……そしてそこまで甘くはない。年代と保管状況にもよるが、熟成が進むと琥珀色。40年熟成のアイスワインで黒色。シュペートレーゼ以上は甘く飲みやすいので女性にも進められる。ここぞという時のプレゼントに最適かもしれん。(ただし、財布に甚大な被害が出るもよう。気をつけよう)


 それでは今回はカレンダーに×をつけて会社を退職するまでの日数を確認したところで寝るとしよう。


 5000ドル払って会社休みたいぜ!

次回は日本酒の予定。

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