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第7話

さて、どうしよう。


私は今、6歳になるまで薄々感じていた自分はハレス家の役に立てないのではないかという問題を再確認して、今後の方針を悩んでいる。もちろん、家のためにならなくてもお父様もお母様も結婚するのは誰でもいいと言ってくれると思う。ハレス家は珍しく恋愛結婚を基本としているから。だけど、今回お父様が私の婚約者を探してくれようとしていたのは、もともとのその人の優秀さと努力値、育つ環境に左右される価値観などが私と合う人を恋愛の候補として見つけようとしてくれたため。けれど、その候補すらいなかった。


「はぁ…。」

「エレナ様、まだ体調が思わしくないのですか?王妃様とのお茶会後から気分がすぐれないようですが」

「私、これからどうしたらいいのかしら…。ハレス家自体はお兄様も弟たちもいるからこれからを心配することもないし、私の居場所って…」

「私は、一介のメイドなので何とも言えないですが、居場所を求めているということは今の状況に満足できてないということではないかと思います。エレナ様は、今のこの伯爵令嬢という地位に満足されてないのでは?」


あぁ…そうか、私は満足してないんだ。この状況に。私は家庭教師の先生から今の国の状況や近隣諸国の状況、各地の言語や植物、動物、モンスターや人種を学んだ。多くのものを学んだからにはそれらを実際に見てみたいし感じてみたいと思っていた。けれど、伯爵令嬢というこの地位のせいで自由に動くことはできない。お母様も言っていた、私たちの見れる範囲は狭いわ。エレナがもし、世界を見てみたいと思うのであれば、私が周りを説得するから、私が見れなかったものを見てほしい。と。


「リリー、私、やりたいことがみつかったわ!」

「それでは奥様のところへ行かれてください。奥様がそろそろエレナ様がいらっしゃるだろうと言っておられましたので、準備は整っていると思います」

「そう、本当に、お母様には適わないわね…今からお母様のところへ行きます」


お母様には私が考えていることなんて手に取るようにわかっていて、いつも私の行動や考えの数歩先にいる。そんなお母様だから尊敬するし、大好きだ。もちろん、お父様もお兄様も、弟たちもみんな大好きだけれど。と、考えつつ、お母様の部屋の前に着いたのでノックをすると入るよう返事があった。


「失礼します。お母様、突然だけど相談があるの」

「えぇ、言ってごらんなさい」

「私、世界を見てみたわ。この伯爵令嬢としてでは見ることのできない世界を」

「…その地位では見ることのできない景色を見るということはその地位を捨てるということよ。あなたは伯爵令嬢ではなくなってもいいの?」

「家族に会えなくなるのはさみしいけれど、一生会えないのではないのなら、この窮屈な地位なんていらないわ。今まで権利ばかり与えられていた私が義務を放置するのはいけないとわかっているけど、私は世界を見れる自由な人になりたいの」

「そう。一度捨てたらもう一度取り戻すのはとても大変なことよ。その覚悟があるのであれば、私の出す課題を10歳までに終わらせなさい。そうすればあなたの夢を叶えるわ」

「本当!?すぐに、課題をください!」


お母様から与えられた課題は

・魔法をどの属性でもいいから中級まで使えるようになること

・この大陸の国の言語6つをすべて日常会話レベルで使えるようになること

・魔法道具を1つ作成すること


あれ、お母様、あと4年しかない私にはきつすぎるのではないでしょうか?

いえ、やり遂げますわ!!お母様は私ができないことを課題として与えるはずがないですもの!!



魔法は基本的に魔法書を読み魔法を知り、魔法陣を使ったりその魔法の名称を唱えることで発動することができます。魔法道具には魔法陣が描かれており、そこに魔力を流すことで魔法を使えるようになります。ただ、スキルレベルで使える魔法が異なります。ステータスの見えない人がどうやって判断するかというと、それぞれの魔法書はそれを使えるようになるまで読めない仕組みになっており、レベルが4の人は上級の魔法書は読めませんし、人から教えてもらっても使えません。

初級…スキル持ちは効率よく使える

中級…スキルレベル4で使えるようになる

上級…スキルレベル8で使えるようになる

超級…スキルレベル10で使えるようになる

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