閑話 弟子の悪戯1/2
読んでいただかなくてもいい話です。
感想欄で疑問に感じた方がいらしたみたいなので、ここで設定追加しておこうと思っての閑話です。
明日も閑話の続きがあります。
そして、会話は「」に統一した方がいいとあったので主人公の会話部分も「」で統一します。
「そーいえば女神様、よくあの世界ばっかり見てんだけど何見てんのかな?」
ここは新米神の育成機関である。
ここでは神としての心得や神の力の使い方を学ぶことができ、この育成機関を卒業すると神として新たなる名を貰い、世界を管理するようになる。
そしてその一角にある女神ジャンティの準備室である部屋のドアからジャンティの弟子である見習い15638495が世界を覗くことのできる水晶を見ながらつぶやいた。
「何をしてるのかしら?」
「っわぁ!!女神様!!」
「なに、あの世界が気になるの?」
「いや…あの世界が気になるというか、女神さまが見ているものが気になるというか…」
女神はこの弟子に自分が特別気にしているあの子を見ているのを気づかれていたことに驚いた。水晶を覗いて見るというのは誰でもできるわけではなく、力のないうちはぼんやりとしかその世界のことを見ることができない。
「(この弟子は、たった100年で見れるようになったの…ふつうは200年かかるところを。さすが、私が見込んだだけのことはあるわね)それで?あの子を見たいの?」
「え!?水晶を触らせてもらえるんですか!」
「内緒よ。この前第10過程を最年少で通ったお祝いに。」
「やった!ありがとうございます!さっそく見させてください!」
「はいはい。でも、私は手助けしないし、少し見るだけよ」
「任せてくださいよ!もう何回も見てるんで!」
“何回も”というところに少し引っかかったが、女神は部屋へ招き入れ、水晶を弟子に渡した。
「(さすがに私が見るのを覗くことができてもあの子を特定して見ることなんて…)え」
「わぁ…あ、この子ですよね、女神さまのお気に入り!まーた友達に絡まれてる!きっと漫画とかゲームとかやるように言われてるんだろうなぁ。え、ついには乙女ゲームまで貸してる。声も聞こえればいいんだけど…まだ俺には無理だよなぁ」
「(この弟子は、もう特定できるの?たったの100年よ。ありえないわ。でも、ありえるかもしれないわね…)声はまだ先ね。ほら、もうそろそろやめなさい。(もしかしたらあの子が感づくかもしれないから…なんて)」
「え!?うわぁああ!」
「…っなにやってるの!世界への干渉なんて!?」
「す、すみません。ただあの子と目が合ってしまった気がして…ど、どうしたらいいですかね、あの子に対して力を加えちゃって、あの子それに耐えきれなくて…」
この弟子は、女神のお気に入りの子を特定し見ていたため、誤って力を流し込んでしまったがその子の周りには流さなかった。と思ってるかもしれないが、正確にいえば、この世界に対する余剰な力はあの子が無意識に吸収してしまうのだ。特に、自分の大切な人へ力が加わった時は。
「私の責任ね。精神の世界にあの子を呼んで話しておくわ。あなたはこのことに関して提出しなければならない書類を各部署から集めてから来なさい。あの子には姿は現さないように。」
「わかりました。本当にすみません…」
「私の落ち度だから仕方ないわ、未熟な見習いに世界を見せたのだから。お互い謹慎処分は覚悟してましょうね。そして、謹慎に入る前に修行をハードスケジュールでいれますよ。」
そういって女神は精神の世界へ向かった。残された弟子も部屋を飛びだし各部署へ向かった。