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2月14日バレンタイン企画 アイス☆愛す♡レボリューション

さてさて、いよいよ土の一月(二月)十四日が近付いて参りました。

祝 四回目のバレンタイン!

いやー、まさかここまでしっかり定着してくれるとは思ってもみませんでした。


最近では年明けにはあちこちのお店でバレンタインに因んだ商品が並び。

それに伴って新しいチョコを使った商品がそこかしこのお店で登場してみたり。

比例して人にあげる以外の自分チョコとしても買い込むお姉様が増えているようです。

うんうん、新しい美味しいチョコが増えるのはとっても良い事です。むふっ。


私? そんなの、勿論買い込み派の一人に決まってるじゃないですか。


アルフ少年と一緒に新商品のチョコの買い出しをして新しいお菓子を研究したりもしてますよ。

甘い物好きな二人としてはとても楽しいです。

そこから二人で作った物にオルディマさんが評価付けてくれたりもするし。


買いながらオルディマさんの名前を出しているせいか、アルフ少年に一部腐ったお姉様から熱い視線が向けられたりしてますけど。色んな妄想竹が育ってそうですけど。

本人気付いてないから私も何も言ってない。むふふふっっ。







ま、そんな事は右に置いておいて。


私の今年のバレンタインですよ。

でも、もう今年は心に決めていたんです。


魔大陸で暮らして早五年。

洋菓子の代表格だと思うのに、私が未だに出会っていないスイーツがあるんです。


そのお菓子の名前は、ずばり“アイスクリーム”!

前に作った“かき氷”さえ魔大陸には無かった状態。

ビックリな事に氷菓が一切流通していなかったりする。

魔術がこんなに発展してるのに、何でだ?




そんなアイスクリームの材料を揃えるのは和菓子よりもずっと簡単。

卵(卵黄)・牛乳・生クリーム・砂糖・チョコレート。

前四つにバニラ関連を加えればバニラアイス。バニラ関連の代わりに溶かしたチョコレートを入れたチョコアイスが私のお気に入り。

更に砕いたチョコを加えて、濃厚チョコアイスにしますよー。

それも甘めのミルクとホロ苦ビターの二種仕様。


ただ、今回の問題はアイスクリーマー(アイスクリーム製造機)。

いや、無くても材料を泡立ててから混ぜ合わせて氷魔術で冷凍してもいいけれども、これは最終手段。

どうせならふんわりと空気を含ませながら冷却して、あのしっとりした食感に仕上げたい。

だって、取って置きの技術者が北の魔王城にいるじゃないですか?


ってな訳で、こちらは既に年明け前に鍛冶部隊に突撃済み!

  



「---…お前さんはこうしてまた新しいナニかをバレンタインに作り出す気だな」

「いつもお世話になりましゅ!」 

「まぁ、概要見る限りは問題無く出来ると思うけどな。周囲に氷と塩を入れるって事は冷却特化の何かを作りたいんだろう? その冷却機関をどう小さく纏めて小さく仕上げるかがオレの腕の見せ所って事だな。どうせなら低魔力仕様の、子供でも扱えるモンに仕上げてやるよ」

「さすがジョットたいちょ! 分かるんでしゅかー」

「…あのな。……まぁ、いい。

 因みに冷却系設備関連(こういうモン)は職種柄ヤエトのが得意分野だぞ。オレから声掛けておこう」

「お願いしましゅ!」

「年明けしてちょっとすりゃ完成品を渡せると思う。出来たら食堂で声掛けるからな」

「完成の暁には、ジョットたいちょとヤエトたいちょにワイロ送りましゅ」

「おう。鯛焼き機じゃ色々と儲けさせて貰ったからな。今回も期待してるぞ」




そんな会話で依頼完了していたアイスクリーマーは、無事に仕上がって本日私の手元に届いたし。


もう一つの問題点は容器だったんだけど、最近紙のカップでジャムを売っているお店に出会いまして。

そこから伝手を得て、小さめのアイス用カップをゲット済み。一緒に渡せる様に小さなスプーンと入れる袋もキチンと人数分準備しましたよ。


ってな訳で、材料・装置・入れ物が揃った所で早速レッツ☆クッキング!


まずは装置の部品を洗浄して、早速冷却システム稼働。


何でもヤエトさんの協力の元、冷蔵室の応用で魔石に冷却魔術を込めてた物を使ってるらしいんだけど。それをいかに低魔力で展開するか試行錯誤に云々。終いにはシェリファスさんまで出て来て云々と熱く語られたけど、難しい事はイマイチ分からず。ゴメンなさい。

取り敢えず魔力を込めてボタンを押せばいいと理解したので、ぽちっとな。


冷却に少々時間が必要との事だったので、その間にアイスクリームの元となる混合液作り。最初だから装置の規定量の半分。


材料を簡単に混ぜるだけでも良いんだけど、折角だから一手間掛けて美味しく仕上げます。

卵黄と砂糖を軽く泡立てた物に、乳製品少し温めてから加えて馴染ませたり。それを弱火で再加熱してとろみを付けた所に、他の作業と同時進行で湯煎して溶かしておいたチョコレートを加えて粗熱を取ったり。

この位はお手の物です。

程良く冷めた所で食感の要の二種のチョコレートをしっかりと砕き、必要分を混合液に加え。


そしてお待ちかね!

ジョット隊長とヤエト隊長の力作のアイスクリーマーの出番ですよ!

中の金属の入れ物にそっと触れると、キンキンの冷気が指に伝わる。

これなら無問題! って事で蓋をセットし、蓋に付いた小さな魔石にそっと魔力を通して羽を自動回転させる。

ここで早速用意したアイスクリームの素を投入!!


ここまでしたら、八半刻(十五分)程放置なので、今の内に次の材料のスタンバイ。

はてさて、どうなるかしらー?




そんなこんなを経て出来上がったのが、こちら!

…ちょっとソフトクリームな感じの柔らかめな出来上がりだけど、冷却すればきっと大丈夫!

という事で、蓋をしてちょっぴり魔術で冷却。


そこまでしてから早速蓋をオープン!

…………立派なアイスになりました! 良かった!!


って訳で、早速用意したスプーンを使って試食。これ、大事。




……………………これですよ。

ずっと食べたかったけど、何故か無かったアイスですよ!


バレンタイン終わったらバニラも作るぞー! (おー!!)←副音声







この時の私はまだ知らない。


実は氷菓が東の魔王領のトップシークレットレシピの一つであった事を。

ジョットさんとヤエトさんとシェリファスさんの力作の簡単アイスクリーマーが以後制作禁止の上、技術が封印される事を。

同時にアイスクリームは私の秘密レシピとして一切公開不可の命令が出る事を。


そんなアイスクリームが北の魔王城に大きな衝撃を与え、お菓子革命を起こす事を。

そのまま食べて良し、添え物としても偉大な威力を発揮するアイスクリームに魅了される人々(アイスクリーマー=アイスクリーム愛好家)が続出する事を。

それに伴って製造依頼でお菓子を作る調理部隊の面々は勿論、アイスクリーマーと化した人々(筆頭ジョットさん)に囲まれてしまう未来が待っている事を。


そして、トドメにディルナンさんと一緒にまさかの魔王様直々の「お呼び出し」の上、重大な任務を与えられる事になるなど、全く思いもしなかった。

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