2015年7月7日の活動報告より こんな四字熟語あったよね
水の三月(七月)七日。
やって来ました、「七夕」です!
今年も一週間前に騎獣部隊の取引先のおっちゃんにお願いして立派な笹を数本無事購入。
……妙に安い気がするんだけど、ホントに良いのかな?
ツェンさん始め、騎獣部隊の皆様は超笑顔でサムズアップしてたけど。
それは兎も角。
去年と同じく食堂の一角に短冊とペンを揃えたテーブルと共に設置してみました。
日々、笹に付けられる願い事が増えて行くのが喜ばしい。それでこそ置いた甲斐があると言うモノ。
同時に調理部隊に間引かれる短冊もチラホラあったりしますが…。
そんな中、今年は特に注目を集める短冊が二枚。
何とビックリ、魔王様直筆でございますよ、皆様!
どうやら近習部隊の誰かが魔王様に短冊を持って行ったらしく、ロイスさんが態々中央の一番上に取り付けて行った。
それもあって注目度ナンバーワンなんだけど。
「……やっぱ読めねぇ」
アルフ少年の呟き通り、他の人には読めません。書類部隊の隊員でも同じく。
何故なら、日本語だから。
達筆に『家内安全』と『弱肉強食』の二枚。
何故にその二つ選んだし、魔王様。
『家内安全』はとても良いと思う。平和が一番。
でも『弱肉強食』って物騒すぎませんか?
ここは一つ、字面が似ていて平和的な短冊も加えてみようと。
そんな訳で、私も魔王様に習って日本語で一枚。
「たいちょ、コレもいっちょに一番上に並べて欲しいのー」
「……何か意味があるんだな?」
「あい!」
差し出した短冊にディルナンさんが目を瞠ったが、お願いした通りに飾ってくれた。
……うん、内容的には大いに間違ってるけど平和で何より。
お腹空いたなー。
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【七夕当日】
「カイユ様」
「……」
ロイスの呼び掛けに、休憩の茶を飲みつつカイユが視線をロイスに向ける。
「カイユ様の短冊の側に、ユーリがもう一枚飾ったそうですよ」
ディルナンからの報告に書かれていた、カイユが書いたのと同じ読めない四文字。
差し出されたそれを見るなり、カイユがふっと笑み混じりの吐息を零す。
「…………『焼肉定食』とはアレらしい」
「……はい?」
「字の形はどこか似ているが、我が書いた一枚は『弱肉強食』だ。大方、腹を空かしていたのだろう」
カイユの一言に、執務室にいた近習・近衛部隊の隊員達が微かに口元をヒクつかせた。




