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6月6日コックさんの日企画 風邪っぴき

「けほんけほん」


間抜けな咳で失礼します。


季節の変わり目とはいえ、やってしまいました。見事な風邪の諸症状に襲われております。

思いっきり周囲に迷惑掛けちゃってる。




朝からダルいなとは思ってたけれど、動けるので普通に働いておりました。

けれど、朝食を目の前に出されても食指が全く動かず。


そんな私に調理部隊の面々から食べないのかと問われ、「いらない」と答えたら。

瞬時に調理部隊の面々の表情が驚愕に彩られた。


これには即座にディルナンさんが異常に気付き、額に手を当てられて熱が発覚。

そのままディルナンさんに抱えられて医療部隊に駆け込まれ。


まだ早い時間だった為に夜勤担当のお医者さんに診て貰い、ベッドでうつらうつらしていたらヴィンセントさんが出勤してすぐに見に来てくれた。


症状を確認して水分を補給し、額のタオルを交換して子守歌のサービス付き。

気付けば寝ておりました。




寝てたんだけど、熱が上がってきたのか寒気と咳で目覚めました。

今、ココです。


どうにか静かにしてようと思うんだけど、咳が止まらない。


苦しくてベッドの中で丸まってると、少ししてベッドの周りのカーテンが開き、ヴィンセントさんが姿を現した。


「少し酷くなったな。薬よりも点滴の方がいいか」

「けほ…ごめんしゃい……」

「何を謝る? 子供はこうして免疫を身に付けるものだ。変な気を回すよりもしっかり休みなさい」


手早く指示を出し、準備をするヴィンセントさんに、点滴の用意をしてやって来たフォルさん。


「きっとすぐに良くなるから。大丈夫だよ、ユーリちゃん」

「フォル、しゃん」

「点滴が終わったらご飯にしよう。ふふ、調理部隊が特別製のご飯を用意してくれるって。さっきディルナン隊長が来て、凄い血相を変えて、風邪には何を食べさせればいいかって問い合わせてたよ」


可笑しそうにフォルさんが告げるその言葉は熱に浮かされた頭では上手く飲み込めない。


でも、何となく意味は分かるから胸が熱くなる。

みんな、心配、してくれてるんだ。


「オッジ老特製の卵雑炊とアルファイス君の特製ドリンクが来る予定だからね」

「それはそれは、随分と豪華だな」

「よっぽどユーリちゃんが朝食を食べられなかったのが衝撃だったみたいですよ」


手早く作業をこなしつつ、ヴィンセントさんとフォルさんが笑って話す。


「カラフも着替えやすい寝間着を作って来たし、ジーンからは農作部隊を代表して見舞いの花が来てる。エリエスも見舞いの果物を持って来たぞ?」

「もう少し良くなったらゆっくり見てね」

「さ、点滴の間、休みなさい。私が側に付いていよう」


苦しいし、やっぱり意味は良く飲み込めないけど。

聞こえてくる、優しい言葉達。


撫でてくれるヴィンセントさんの大きな手が気持ち良い。


凄く心配と迷惑を掛けて申し訳ないんだけど、凄く温かい気持ち嬉しい。


早く良くなろうと思って、そっと目を閉じた。

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