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6月6日 コックさんの日企画 リアルパンダカー

水の二月(六月)六日。


本日はオッジさんと一緒のお休みだったりします。

昨日は調理部隊の面々で楽しい飲み会があったので、今日は朝食を食べてからオッジさんとお家に向かう予定だった。







「じーちゃ、カフルもいっしょねー」

「そうだな」


騎獣部隊の獣舎に手を繋いで向かいつつ、お久しぶりのパンダなカフルに会える事にスキップ。


最初にカフルがオッジさんの騎獣だって知った時はそれは驚いたものだけど、今では慣れました。

それに、カフル優しいんだもの。

調理部隊の他の騎獣達よりも年齢が上なせいか、落ち着いてるし。


獣舎に入り、オッジさんがカフルの準備をしていると、他の騎獣達が挨拶に来てくれた。

皆顔を寄せてモフモフしてくれる。

それぞれの毛並みを頬と手で堪能し、準備が出来た所でオッジさんとカフルと獣舎から出る。


しっかり戸締りを確認した所で、本日の第一のお楽しみ。

カフルの背に先に乗せて貰うと、オッジさんが遅れて後ろに騎乗。

しっかりと支えて貰って、いざカフルがのっしのっしと歩き出せばリアルパンダカーです!


あの、昔懐かしい遊園地とかデパートの屋上で乗せて貰ったハンドル付きの動くパンダですよ。


これが楽しいんだ。


音楽は流れないけれど、モフモフの毛並みを堪能出来ます。

更にジェットコースターの様にスピードも出るし、空まで駆けちゃう。


私も自分で乗れる騎獣が欲しいなー。




そんな事を思っていると、騎獣部隊の獣舎を抜け、畑の方へ。

もう少し進むと調理部隊のホールの窓に差し掛かる。


厨房を覗くと、直ぐにディルナンさんと視線があった。

ブンブンと手を振ると、何故か複雑そうな表情で小さく手を上げてくれた。


そんなディルナンさんにつられてアルフ少年が私とオッジさんに気付くと、こちらは頬を引き攣らせた。

小首を傾げつつ手を振ると、どこか引き攣った笑みで手を振り返してくれる。


更に他の面々もそれぞれ反応を返してくれたんだけど、揃いも揃って微妙な表情。


「んむー?」

「そろそろ駆けさせるぞ」

「あい、じーちゃ」


不思議に思っていると、オッジさんがカフルに集落へと向かう様に手綱を操る。


そうなれば思い浮かぶのはマリタおばーちゃん。

駆け出すカフルにワクワクし始めれば、調理部隊の謎な反応はすっかり思考の外へと追い出された。

【後日】


「今月の会報のメインはサムか」

「うーん、絵でも凄い破壊力っスね」

「爺さんだけでなくて幾らかマシになった筈なのに、ユーリが乗ってデレデレな爺さんが逆に強烈なのはどうしてなのか」


『ユーリちゃんを見守り隊!』の水の三月号会報に掲載されたオッジとユーリのカフル騎乗の絵姿。


その煽り文句は「可愛いのに怖い!」。


更にメインの絵の下に小さくカフルとユーリのみとカフルとオッジのみの絵姿も掲載されており、癒しと同時に破壊も齎した事で話題になった会報は完売。


一部のみが知るオッジの騎獣のカフルが北の魔王城に広く知れ渡る事となったとか。

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