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かわいいコックさん企画部屋  作者: 霜水無


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2013年9月2日の活動報告より 秋が来たよ

月が変わり、彼方此方で秋めいて来た。朝晩は涼しくなってきたし、聞こえる虫の声も変わって来た。

私の中では何と言っても料理とかお菓子の新商品だけど。


因みに今日は、調理部隊の面々が行きつけの「リタの酒場」でも秋の新メニューが出たとの事で、調理部隊全員で夕飯を食べにやって来た。

秋ならではの山の恵みがたっぷりの料理が出揃うと、自然とテンションが上がっていく。


お店の主であるリタママの隣と言う特等席に乗せて貰い、調理部隊の面々とお店のお姉様方と乾杯をした所でまずは特注の絞り立てのペアル(洋梨っぽい果物)のジュースを一口。うまうま。


美人さんが料理を取り分けてくれたりと甲斐甲斐しくお世話してくれるなんて最高じゃないか。何より美人さんの隣だと美味しいものが更に美味しくなるねぇ。


「ユーリちゃんは好き嫌いは無いのかい?」

「無いでしゅ」

「それは何よりだ。今回のメニューはユーリちゃんに喜んで欲しくてウチの店の料理人ベンが腕に縒りを掛けて考えてたから、気に入ってくれると良いんだけど」


リタママのこの言葉に、調理部隊の面々が目を丸くする。


「ユーリちゃんが可愛くて仕方無いのは、北の魔王城だけじゃないよ。ウチの店のアイドルでもあるんだ」

「そうですわね。ユーリちゃんは髪型とか新調したアクセサリーとか、女の子達のちょっとした変化も見逃さずに褒めてくれますもの」

「誰よりも美味しそうに食べて飲んでくれるし、可愛いし。大人気ね」


そこへこのテーブルに着いてくれていたお店の一番人気のセティお姉様と可愛らしいメラお姉様も会話に加わった。

お姉様方、それは私が元は女だからだよ。女友達と会えばそういう話は当たり前にするから私にとっては普通の感覚。でも、男の人にそれを求めるのは一部の人を除いて難しいと思う。お姉様方も分かってるだろうけど。

だから三馬鹿トリオの兄さん達、そんなに嫉妬の目で見ないでおくれ(汗)


そしてそう思いつつお皿に盛って貰った熱々の料理を食べるあたり、食い意地は人一倍の自覚は十二分にある。


…この色々茸のバターソテー、うまー!

隠し味は…アンチョビもどきかな? 絶妙の塩加減だわー。

これ、食堂で出してくれないかな。


「あらあら、ユーリちゃんが」

「やーん、目がキラキラしてるー」

「隊長、茸のソテーがユーリちゃんのお眼鏡に適ったみたいですよ」

「一通り適当に追加頼む。…茸のソテー多めで」


お気に入りの一品、そんなに分かり易かったですか?

クスクスと笑いつつリタママが態々厨房に注文を伝えに行ってくれる。

そうしている間にも、テーブルの上の料理はどんどん姿を消していく。アルフ少年が犯人だ。

…いいもん。追加で来た熱々の料理を貰うもん。


「ユーリちゃん、ジュースもう少し飲む?」

「あい」

「確か小さいデザートが何かあったと思うの。少し見て来ましょうか」

「デザート!」


暫く食べられそうにない料理にしょんぼりしていたら、お姉様方がやって来て声を掛けてくれる。目の前にお姉様方のドレスから零れんばかりのナイス乳がっ。思わずガン見しちゃう。しかも「デザート」という魔法の言葉付き。

これだけで機嫌が直るのだから、私ってば相当現金だ。


「…ユーリ、お前さり気無くオヤジだな」


そんな私に気付いて少し呆れた表情でボソリと告げるシュナスさん。だが、そんな事は今に始まった事では無いのだよ。


「あのね、ふくたいちょ。キレーなモノはキレーなのよー」

「ほぉ?」

「それに、お胸には愛と希望がつまってるのよー」


えっへんと胸を張って言うと、何故か調理部隊の面々がブホッとお酒やら料理やらを噴出した。

お姉様方は目を丸くした後に笑い出す。


「おま…っ。本当に何処でそういう事を覚えてくるんだっっ!」

「がいけい部隊のおにいちゃま達がによによして言ってたの」


上手い事言うなと思ったんだよね。

某丸い顔のヒーローは愛と勇気が友達らしいが、まさか女性の胸をそう例えるなんてね。勿論、色々な意味が含まれているも分かってますよ。

ほら、皆様汚いから早く周りを片付けて。そんなに呆気に取られる事無いジャマイカ。


「………オレは心底お前の将来が心配だ」


そうは言われても、中身はしっかり成人女性ですから?

 

深々と溜息を吐くディルナンさんに、お姉様方が声を上げて笑う。

戻って来たリタママもお姉様方に話を聞いて笑い出した。


秋の夜長はまだまだ続くよ、ディルナンさん。気をしっかり持って!

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