52.誰かMCやって!!
「・・・・・・・・・・・・サインが・・・」
そう口にする未佳の目の前には、あと2本で空になる段ボール箱が一つ。
しかもその段ボール箱の中に入っていたのは、黄色いビニール袋で包装されたポスター。
言うまでもなく、これは未佳達が500枚もサインを行ったサイン入りポスターだ。
「栗野さん。これでもしかしてー・・・」
「はい。だから今ちょうど未佳さんに言おうと思って・・・」
「・・・・・・あっ・・・、つまりは無くなったのね?」
「えっ? ・・・・・・ま、まさか・・・。ここで無くなったん・・・、ですか?」
「うん。その『まさか』みたい・・・」
「えっ・・・、じゃ、じゃあこれが、最後の10箱目?」
「うん。最後の10箱目・・・」
「もう・・・、この2枚しか、ないんですか?」
「うん。もうない・・・」
〔じゃあさっき言ってたやつを〕
「うん。やるしかない・・・」
「「「えっ・・・?」」」
ふっとリオの言葉が聞こえない3人は同時に未佳に聞き返したが、肝心の聞き返された未佳は『今はそれどころじゃない』という感じに、テーブルの上に置かれていたマイクに手を伸ばす。
とにかくサイン入りポスターの追加品を作らなければ、イベントもこの先へは進めない。
未佳はマイクに口元を近付けると、ポスター手渡しの順番待ちをしている人達の方に視線を向け、口を開く。
「皆さんっ! 大変長らくお待たせしました!!」
〈〈〈えっ・・・・・・?〉〉〉
(((〔待ってない・・・。待ってない・・・〕)))
「ただ今をもちまして! ・・・・・・」
〈〈〈えっ・・・?〉〉〉
〈〈〈まっ・・・、まさか・・・!〉〉〉
〈〈〈まさか・・・・・・〉〉〉
「『プランB』の実行に移ります!!」
ドテッ!!
ズベッ!!
バタッ!!
その未佳の発言に、メンバーやスタッフ、そして並んでいた人達は一斉にその場に倒れた。
おまけにスタッフやメンバー達はともかく、並んでいた人達はやや後ろの方の列からドミノ倒し状態。
おかげで列が再び元に戻るのも一苦労。
にも関わらず、マイクを持ったままの未佳はこんな呑気なことを口にしていた。
「はい! フフフ・・・。やっぱり皆さん・・・。コケましたね」
「「「〔コケるわっ!!(よっ!!)〕」」」
〈〈〈〈〈ハッ・・・、ハハハッ・・・〉〉〉〉〉
「ついでに言わせてもらえば、誰も待ってないし・・・」
「!! そっ・・・、そんなことないよー!! ねぇ~っ!?」
〈〈〈えっ? あっ、うん・・・〉〉〉
「ほらぁーっ!!」
「まばらすぎるわっ!! それに坂井さんが直接訊いちゃったら、そりゃあ『No!』とは言えへんでしょ!」
「何でよッ!! 別に自分で素直に思ったこと言えばいいんだから関係ないじゃん!!」
「いやっ・・・! だからそれは・・・!! ん~っ!! なんか色々言いにくいなぁ~っ!!」
「だから何なのよ! ハッキリしないなぁーっ!!」
バンッ!!
「もうなんでもええから早く二人ともサインやって!!」
「一番最初にサイン書くの坂井さんと長谷川くんなんですからね!? 二人がやらないとこっちも先に進めないんですよっ!!」
「「あっ、はい・・・」」
こうして再び厘のテーブル平手打ち&手神の注意により、二人の言い争いはどうにか終了。
その後はしばし1~2分ほどポスターの準備を行った後、早速メンバーはサイン記入の作業へと取り掛かり始めた。
ちなみにサインを書く順番は、未佳、長谷川、厘、手神と、テーブルに並んでいる順番のまま。
唯一列が手渡しの時と変わったのは、人数確認&ポスター流し役だった日向と栗野が、ポスター丸め役として一番後ろに移ったこと。
さらに栗野に至っては、ポスター丸めと同時に袋詰めの仕事も任されている。
「栗野さん」
「はい。・・・何? 日向さん」
「書いてすぐのポスターも、丸めた方がいいんですか? 私的には、まだインクが乾いてなくて滲む気がするんですけど・・・」
「あぁ~・・・、そうねぇ~・・・。じゃあ5枚くらいブランク空いたあたりで巻きましょうか」
「そうですね」
「ねっ」
一方のサインを書いている未佳達の方はというと、数名の人達からその光景を凝視されていた。
〈みかっぺ、サイン書くの早ぇー・・・〉
〈さとっちと小歩路さんもいい勝負じゃない?〉
〈ってか・・・。手神さん日付けまで入れないといけないから、色々面倒だよな?〉
〈時間掛かっても仕方なくない?〉
〈ところで・・・。小歩路様ってああやってサイン書いてるんだぁ~・・・〉
〈確かに厘様のサイン・・・、漢字だけだもんな〉
〈みかっぺとさとっちは、筆記体英語を『サッサッサッ』って書くんだけどね〉
そんなことをそれぞれ口々に話しながら、人々は未佳達のサイン記入の様子を見つめていたのだが、肝心の未佳達はというと、ただ今サイン記入に没頭中。
そのためこの作業の間は、メンバーによる会話らしい会話も一切ない。
もちろん最初の方では、ファン達もそんなメンバーの状況を理解して話し掛けずにいた。
ところがこんな状況がさすがに10分以上も続いてしまうと、少々書き終わるのを待っている時間も辛い。
そしてそれから約2~3分ほど経過した後、数名のファンからこんな要望が飛んできた。
〈〈〈〈〈小歩路さ~ん!〉〉〉〉〉
〈〈〈〈〈小歩路様ー!!〉〉〉〉〉
「んー?」
〈〈〈小歩路様、繋いでーっ!!〉〉〉
「・・・え゛っ!?」
〈〈〈厘様なんか繋いで~!〉〉〉
〈〈〈なんかトークして繋いで~!!〉〉〉
「えっ・・・? えっ? どないしょ~・・・」
あまりにも唐突すぎる要望に、厘は思わずサインを書く手を止め、キョロキョロと辺りに目を泳がす。
そんな厘の様子に気が付いた長谷川は、若干苦笑いを浮かべつつ人々に言った。
「あの・・・。小歩路さんには極力声掛けんといてください」
〈〈〈〈〈ハハハ〉〉〉〉〉
「絶対になんか喋ってるとサイン間違える人ですから・・・」
「ハハハ・・・」
(・・・・・・・・・)
「そこら辺は少し配慮をお願いします」
〈〈〈〈〈ハハハ〉〉〉〉〉
〈じゃあさとっち繋いで~!!〉
「・・・えっ?」
〈〈〈〈〈ハハハ!〉〉〉〉〉
「えっ? ・・・僕っ!?」
まるで『厘がダメなら長谷川に』と言った感じのノリで、人々は今度は長谷川に的を定めた。
確かに長谷川は、メンバーの中では色々とトークなどの経験をしている人間でもあるし、時々パソコンを片手で打ちながらラジオのトークを行っていたこともある。
そのため何かをやりながらのトーク自体は、経験上慣れているはずのことだった。
だが今は面白い話題を言える自信もないし、正直言って話しながらの作業は疲れる。
そしてここから、メンバー同士の繋ぎ回りが始まった。
「僕は今ちょっと・・・・・・。手神さんいかがっすか?」
「いや! 僕は作業が余計に遅くなるし・・・。ねぇ~?」
〈〈〈〈〈ハハハ・・・〉〉〉〉〉
「坂井さんなんてどうです? トーク」
「えっ? ・・・やっやっやっ!!」
〈〈〈〈〈ハハハッ〉〉〉〉〉
「さとっちやりなよ。皆からのご指名なんだから」
「・・・・・・一周して戻ってきましたね・・・」
〈〈〈〈〈ハハハ・・・〉〉〉〉〉
「いっそのことマネージャーさんとか・・・」
〈〈〈〈〈おぉ~っ〉〉〉〉〉
「普段アナウンスくらいしかやらへんからどうです? 余計な話のできる絶好の機会っすよ?」
「「いいえ、私達は結構です」」
〈〈〈〈〈アハハハッ!!〉〉〉〉〉
初めて振ってみた早々即答で跳ね返され、長谷川を除くメンバーと周囲の人々は思わず笑い転げた。
一方の跳ね返された長谷川は、やや寂しげに瞬きをしながら、両腕を下の方にダラリと下げる。
「・・・即答っすね・・・」
〈〈〈〈〈ハハハ!〉〉〉〉〉
「初めて振った早々弾き返された・・・」
「大体さぁ~・・・。マネージャーにトークさせてみてよ。さとっち・・・」
〈〈〈〈〈・・・・・・・・・・・・〉〉〉〉〉
「なに話すか分かんないよ?」
〈〈〈〈〈ハハハ!!〉〉〉〉〉
「まあね」
「そう思うでしょ!? だって・・・! メンバー以上に年がら年中一緒にいるんだから!」
「はい♪ 未佳さんのあんなことやこんなことまで知ってますよ~?」
「止めて~っ!!」
〈〈〈〈〈ハハハ!!〉〉〉〉〉
「『私』という名のキャラ壊れるから止めて~っ!!」
「えっ? キャラ作ってんっすか? 完全に今みんな『素』じゃありません??」
しかし長谷川のこの会話の後には何も続かず、メンバーは再びトーク担当決めの振り出しへと戻ってしまった。
「ホンマに誰かトークやって~」
「だからさとっちやりなよ~・・・」
「嫌っすよ。手神さんやってください」
「・・・じゃあ赤裸々トークでも」
「「それはダメ!!」」
〈〈〈〈〈ハハハ!〉〉〉〉〉
「それは居酒屋か打ち上げの時とかにして!」
「その前にこんなところで話したらアカンでしょ!? ましてや学生さんとかも来てるんだし・・・!!」
「冗談、冗談! ところでさっきから本当に小歩路さん静かなんだけど・・・」
「・・・・・・・・・・・・へっ?」
〈〈〈〈〈ハハハ・・・〉〉〉〉〉
「ちょっと喋ってみたら? 小歩路さん・・・」
「・・・・・・・・・暗くなってきた・・・」
ドテッ!!
「「「ソコっ!?」」」
〈〈〈〈〈ハハハッ!!〉〉〉〉〉
ちなみに厘がそう口にしたとおり、この時の時刻は既に午後6時半まであと数分と言ったところ。
実際『暗くなってきた』と言うよりは、どちらかというと『暗い』と言ってしまった方が正しいような時間帯だ。
「ま、まあ・・・。『暗くなってきた』と言うより『暗い』ね・・・」
「「「うん・・・・・・・・・・・・」」」
「ホントにさとっちMCやんなよ!!」
「なっ・・・、なんでだから僕がMC役に・・・!!」
〈さとっち、ギャグでもいいよ~?!〉
〈漫才でもいいよ~?!〉
〈〈〈なんかやって~!!〉〉〉
「んなこと言われても・・・・・・」
そうお題を言われ、長谷川は再び困り果てた、その時だ。
「・・・・・・じゃあもういいよ! 私がなんかやるから!!」
〈〈〈〈〈おぉ~っ!!〉〉〉〉〉
「坂井さんがやるんならリーダーの僕がっ!!」
「えっ!? みんながやるんやったらウチがやる~!!」
「そっ・・・、それじゃあマネージャーの私がやります!!」
「エッ!? 栗野さんがやるんなら私がやりますよ!!」
「・・・んじゃ僕がっ・・・!!」
「「「「「Here you go~♪♪」」」」」
「コラア゛ア゛アァァァーッ!!」
〈〈〈〈〈アッハッハッハッ!!〉〉〉〉〉
この未佳達の長谷川嵌め行動に、周囲の人々は再び腹を抱えて大爆笑。
というのも今のコント、実は元々各地で有名な漫才コンビ『ガチョウ部』の持ちネタで、お笑い好きの人間であれば知らない人はいないほどの有名なネタなのだ。
また未佳は大のお笑い好き。
さらに周囲の人々から『何かやって~!!』という要望があったので、試しにやってみたという次第である。
しかしいきなり有名なギャグネタに巻き込まれた長谷川はと言うと、先ほど以上に苦笑。
というよりは落胆した感じの表情を未佳の方に向け、ただただ未佳の顔を凝視した。
「何? その目・・・」
「いや・・・。なんか手神さん辺りからそうなりそうな兆しがしてたのに気付いたんですけど・・・。僕が言って手を上げたら遅かったんで・・・」
「「「ハハハ・・・」」」
「なんか・・・。酷くないっすか?」
〈〈〈〈〈ハハハ〉〉〉〉〉
「僕のサイン・・・、今の状況のやつだけすぐに消えちゃいそうな字になって・・・」
〈〈〈〈〈えぇ~っ!?〉〉〉〉〉
〈〈〈〈〈やだー!!〉〉〉〉〉
〈〈〈〈〈やだ~っ!!〉〉〉〉〉
「冗談ですよ。ってかね・・・。『サインペン』って悲しいっすよ・・・。どんな感情で文字書いても、字の太さは一定の太さですから・・・」
〈〈〈〈〈ハハハ〉〉〉〉〉
「もうコイツはみんな偽ってますよ・・・。色々なことを・・・。うん・・・」
「えっ? サイン書き間違えた?」
「違うわッ!!」
それからさらに40分ほど時間が経ち、時刻は午後7時7分。
サイン記入を開始してから、ちょうど1時間が経過した。
そしてその間、先ほどまで列で並んでいた人々はと言うと、皆思い思いの場所へ移動し、食事やらドリンクやらを飲みながら、ただただメンバーのサイン記入の光景を見つめている。
実は数十分前に『メンバーのサイン記入中も並ばせたままというのは酷だ』というスタッフ側の話があり、サイン記入中は並ばず自由に。
ポスターを手渡す時のみ、再び元の場所に整列しようという話になったのだ。
しかし実際のところ、並んでいた人々のほとんどはステージ付近の売店や自動販売機などに立ち寄るばかりで、会場の外へは誰も出て行こうとはしなかった。
どうやらこの人達は、大好きなメンバーの元から一旦離れること。
そしてサイン記入を必死に頑張っているメンバーから、まったくもって目が離せないようだ。
そんな人々に注目されつつ、未佳達は黙々と作業を進めていたのだが、さすがに中腰体制の背中とペンを握る腕が痛い。
「う~・・・。アカン! 腰痛いっ」
〈〈〈〈〈頑張れー!〉〉〉〉〉
〈〈〈さとっち頑張って~!!〉〉〉
「・・・・・・うん・・・。あともうちょい頑張ってみる・・・。ハァー・・・」
「みかっぺ~。コレ終わったらいつもの、お得意のマッサージお願~い・・・」
「あっ、僕も小歩路さんの次に・・・」
「じゃあ僕も手神さんの次にお願いします・・・」
「あっ? あぁ~・・・。OKー・・・」
実は未佳はこう見えても、マッサージを行うのがかなり得意な人間である。
もちろん最初は別にそこまで意識していたわけではなく、ただ単に『人並みくらいはできている方だろう』程度にしか思っていなかったのだ。
ところがある時ふっと厘の肩周りのマッサージを行ってみたところ、この隠れた才能が発覚。
あっという間に事務所全体にその話が広がり、その後は度々マッサージを頼まれることが多くなったというわけである。
「でもやっぱり話しながらのサインはキツイですね・・・」
「うん。どちらか片方にしか集中できない・・・」
「えっ? そう?」
「みかっぺはやりにくくないん?」
「うん、私は別に・・・。あんまりサイン書く方の手に意識してないから・・・。何となく無意識で書いてる感じ」
「あぁ~。だから坂井さんのサイン、毎回大きさが違ったんですね」
「え゛っ!?」
その長谷川の衝撃発言に、未佳はサインを書いていた手を止め、思わず長谷川の手元に視線を落とす。
「うそっ・・・! 私サイン書き間違えてた!?」
「あっ、いや・・・! そういうことじゃなくて・・・。サイン自体は同じなんですけど、サイズが違うっていう・・・。なんか、Wordの縮小・拡大みたいな・・・」
「『縮小・拡大』って・・・・・・」
「そういえばさとっちのサインって、いつも同じ位置で同じ形やなぁ~・・・」
「そりゃあそうでしょうよ。さとっちは『器用貧乏』なんだから」
「『器用』はともかく『貧乏』は余計・・・」
「それはそうなんやけど~・・・。なーんか代わり映えしなくて味気ないなぁ~」
ゴンッ!!
「さっ、さとっち大丈夫っ!? 今頭からテーブルに打ったけど・・・!」
「だっ・・・、大丈夫です・・・。別に変なトコにはぶつかんなかったし」
「そうじゃなくてポスターよ!!」
ズベッ!!
「そっちかっ!!」
「当ったり前でしょ~っ!? こっちが必死に書いてる傍で無駄にされたら堪んないもん!!」
「あがぁー・・・」
〔(ひっ、酷ぉ~・・・)〕
そんなこんなでも作業は順番に進み、いよいよサイン記入は厘と手神の手元に残された5枚のみとなった。
「「終わった~!」」
「二人とも早い~」
「まああと4~5枚だもの。すぐに終わるわよ」
「そういえば小歩路さんのサイン・・・。時々『小』の字が『少』になってたのがあったけど・・・。アレって何かの文字の一部が伸びてああなってるの?」
「あっ、ううん。アレ普通に書き間違えたやつなんやけど、別に支障ないと思って流した」
〔(((・・・・・・・・・・・・)))〕
〔「「「え゛え゛えぇぇぇ~っ!?」」」〕
〈〈〈〈〈・・・ッ!?〉〉〉〉〉
ふっと突然聞こえてきた未佳達の叫び声に、近くで時間を潰していた人々は一瞬身体を飛び退かせる。
さらに飲食をしながら時間を潰していた人々は、それらの大半を驚いた拍子に零してしまい、一時会場付近ではパニックになってしまった。
一方のメンバーに驚かれた厘はというと、あまりの周りの驚きように両目をパチクリさせ、恐る恐るメンバーに聞き返す。
「えっ? ・・・・・・それもしかしてアカンの?」
「アカンでしょ!? それは・・・!!」
「その前に私達、さっきからず~っとそれだけに注意してたじゃない!!」
「だって・・・。ウチは毎回やってたことだったし」
「毎回やってたんですかっ!?」
「というか手神さん! なんで気が付いたのに止めないんですか!!」
「えっ!? ぼっ・・・、僕のせいなの!?」
「・・・いいよ、いいよ! この際当たった人は確率的に運がいいってことで」
「そやね♪ くじや、くじ♪」
((いいんだろうか・・・))
若干この二人の発言に納得感が得られぬまま、ようやく厘と手神のサイン入りポスターを丸めて包装し、未佳達はそれから休むことなく、第二波のポスター手渡し会を開始するのだった。
『バレンタインデー 2』
(2007年 2月)
※事務所 通路。
みかっぺ
「さとっち、これ・・・」
さとっち
「えっ?」
※ふっと赤い包装紙に包まれた長方形の薄い箱を手渡すみかっぺ。
さとっち
「えっ? ・・・・・・これって・・・」
みかっぺ
「ほら・・・。今日バレンタインデーでしょ? だから・・・」
さとっち
(それはそうやけど・・・。まさか手作り?(疑))
※そんなことを思いつつ、ただただチョコレートを見つめるさとっち。
みかっぺ
「何まじまじと見てるのよ。そんなに見つめてたら、箱に穴が空いちゃうよ?」
さとっち
「えっ・・・? あっ、スンマセン・・・」
※とりあえずチョコレートを受け取るさとっち。
みかっぺ
「あぁー・・・!! それから・・・」
さとっち
「ん?」
みかっぺ
「はい♪ これがさとっちの分♪」
※ふっと今度は青い包装紙に包まれた同じ大きさの箱を手渡すみかっぺ。
さとっち
「・・・えっ? じゃあこっちの箱は!?」
みかっぺ
「そっちはほら・・・。私今日このあとラジオだから、もう事務所に帰ってこないじゃない?」
さとっち
「・・・うん」
みかっぺ
「だから手神さんにチョコレート渡せないから、代わりに渡しておいてよ」
さとっち
「・・・・・・あぁ~・・・。はいはい・・・」
(僕はプレゼント係の受け付け員かぁーッ!!(怒))
しかも本命ではないという・・・(orz)